年下クンと始める初恋

鈴屋埜猫

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「あっ……待って、今……っ」
「うん、いっぱいイッて?」

 トントンと一定のリズムで腰を打ちつけ始めた葉一は、茉歩の耳朶に舌を這わせる。奥を突かれる快感に加えて、耳から脳内に響く濡れた音に茉歩は切ない声を上げた。

「葉ちゃ……はあぁ……ダメぇ……っ」
「ダメ? またイク?」

 優しく聞きながら、葉一は腰を打ちつけるスピードを緩めない。それどころか、胸まで揉まれて、茉歩は快感から逃げようともがいた。

「私、ばっかり……あっ」

 胸を揉んでいた手が背中に回され、急に身体が浮き上がる。仰向けから抱き起こされた茉歩は、驚いて葉一にしがみついた。

「ぁっ……な、に?」
「茉歩姉、俺のガチガチなの分かる?」

 葉一の手で支えられて、茉歩の身体は少しだけ浮いている。そのため、今、彼女のナカにいるのは彼の半分くらい。でも、その前から彼の硬さも熱さも伝わっている。

「茉歩姉が目の前にいるだけで、ずっとこうなんだ。さっきの風呂場でもヤバかったんだから」
「本当……?」

 確かに浴室でそそり立った彼のモノを目の当たりにはしたけれど。自分の身体で葉一が欲情してくれたのだと思うと嬉しくなる。

「今、ゴム付けてないからさ……俺がイッちゃうといろいろまずいでしょ。だから、すっげぇ我慢してんの」

 はぁ、と息を吐いた葉一の熱い吐息が胸元にかかる。

「ただでさえ、初恋の人を抱けて嬉しすぎてヤバいんだから……」
「え?」

 小さな声だったが、密着しているため葉一の呟きはしっかりと茉歩に届いた。そして、見下ろした彼の耳が真っ赤になっていることも。
 ああ、ダメだ。こんなこと、いい大人がしちゃダメな気がする。でも、理性より身体が先に動いて、気付けば彼の頬に手を伸ばしていた。
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