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オーガ?
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僕は森の方へ振り返る。クルシュはファングボアみたいな魔獣が増えたみたいな事を言っていた。もしかしたら気付かないうちに後をつけられていたのかな。
『主人殿!後ろだ!』
後ろ?後は城門のある方だよ?城門のある方へもう一度振り返ると、そこで並んでいた人達の列が二つに大きく割れた。そしてその間から何かが土煙をあげながら猛スピードで近づいて来た!
『あれは……オーガ!!何故人の住む街からあのようなものが!?主人殿!決して私の前に出るな!恐らく奴は変異種だ!』
僕にも姿を確認できる様になってきた。肌は浅黒く、纏った布から伸びる四肢は丸太の様だけど、とても引き締まっている。その眼光は睨むだけで気を失ってしまう程に鋭い。
うん……キャサリーンさんだ。
「クルシュ、待って!あれはオーガじゃないよ!」
『主人殿!?なにを!』
前に出ようとするクルシュを抱き抱えると僕は説明する。
「あの人はキャサリーンさん。冒険者ギルドの受付の人で、僕に良くしてくれたんだ」
『なに!あれは人なのか!?』
「うん!人の……変異種だよ!」
「だぁーーーれが、変異種じゃーーーいっ!!!」
キャサリーンさんが目の前に降ってきた。今日は何かが高い所から良く降ってくる日だな。
キャサリーンさんはクルシュをチラッと見てから僕を見た。
「エルム坊や、大丈夫?貴方が行ってから森で魔物の大量発生の報告があったの!貴方、森には近づいていないわよね?」
あ~、森に決して入るなって言われてたんだ。
「え~っと、あの~、そのですねぇ~」
がしっ
鷲掴みにされた。
「ちゃんといいなさい」
「ごめんなさい!スライム達に追いかけられて、そのまま森に入っちゃいました!」
キャサリーンさんはジィっと僕を見てくる。ファングボアより怖い。
さっきから僕の腕の中でクルシュが暴れながら『主人殿を離せ!この変異種がっ!』って言ってるけど、キャサリーンさんには聞こえてないみたいだ。
「……嘘は言ってないみたいねん」
ようやく解放された。また髪の毛に手の跡が付いている。髪の毛を整えているとキャサリーンさんが突然頭を下げた。
「ごめんなさい。森に異常があったのはわかっていたのにあんな依頼を出してしまって。せめて、わたしも一緒について行くべきだったわん」
「キャサリーンさん!頭を上げてください!ほらっ、僕はどこも怪我してませんから!……それに、お陰で最高の相棒にも出会えましたから」
腕の中で未だ暴れていたクルシュがピタッと止まった。キャサリーンさんも顔を上げ、目をパチクリさせている。
「あら、ずいぶんと可愛らしい相棒だことん。貴方、しっかりとご主人様を守るのよん」
『はっ!人もどきに言われずとも、主人殿には指一本塵一つも触れさせぬわ!』
なんだか奇妙な初顔合わせは終了し、僕達は依頼の納品の為に冒険者ギルドへと向かった。
その道中、森の中であった事を掻い摘んで報告した。
キャサリーンさんからは、この周辺は低ランクの魔物しか現れないはずが、僕が冒険者ギルドを出てからクルシュの倒したファングボアを始めキラーマンティスやファントムウルフ、バーサクベアなどの中ランクの魔物の目撃が相次いだため、様子を見に来たのだと教えてもらった。
そうこうしているうちに冒険者ギルドについたのだけど、キャサリーンさんは手前の建物に入ろうとしたのだ。
「あら、説明忘れてたわねん。こっちの建物は買取兼納品所になってるのよん」
一緒に中に入ると広い空間の中にそれぞれの種類毎に分かれたカウンターがあった。僕達は各種薬草と書かれたカウンターへと向かうがそこには誰もいなかった。
「さあ、採ってきたものをここに置いて頂戴。勝手に鑑定してくれるのよん」
カウンターの上に大きな四角い皿のようなものがあり、言われた通りに麻袋から採ってきた薬草を一本置く。
品名 薬草
品質 高品質
数量 1
おっ!なんか横にある板に文字が出てきたぞ。
「これは鑑定の魔道具なのよん。鑑定が終わったらここにギルドカードを差すのん。でも貴方、一本だけしか採ってきていないようねん。残念ながら納品は出来ないわねん」
「あっ!大丈夫です。クルシュ、お願い」
『うむ、承知した!』
かさ、ばさばさばさ……ばさ。
カウンターの上にこんもりと薬草が山積みになった。
品名 薬草
品質 最高品質
数量 100
おおっ!最高品質!僕が採ったものより品質がいい!ちょっと悔しいけど流石僕の相棒だ!
と、キャサリーンさんを見ると物凄い驚いた顔をしている。わかる、僕も最初見せてもらった時ビックリしたもん。でもキャサリーンさんの驚いた顔って凄い怖いね。怖さ十割増しだ。
えっと、ここにギルドカードを差してっと、おっ!カードに今の文字が記載された。凄いねこれ!
薬草の乗った板がスイーっと動き出したと思ったら壁の向こうへと消えて行った。全部自動なんだ!王都って凄いね!
凄い凄いと連発してたら、
がしっ
あっ、これ鷲掴みされてる。
『主人殿!後ろだ!』
後ろ?後は城門のある方だよ?城門のある方へもう一度振り返ると、そこで並んでいた人達の列が二つに大きく割れた。そしてその間から何かが土煙をあげながら猛スピードで近づいて来た!
『あれは……オーガ!!何故人の住む街からあのようなものが!?主人殿!決して私の前に出るな!恐らく奴は変異種だ!』
僕にも姿を確認できる様になってきた。肌は浅黒く、纏った布から伸びる四肢は丸太の様だけど、とても引き締まっている。その眼光は睨むだけで気を失ってしまう程に鋭い。
うん……キャサリーンさんだ。
「クルシュ、待って!あれはオーガじゃないよ!」
『主人殿!?なにを!』
前に出ようとするクルシュを抱き抱えると僕は説明する。
「あの人はキャサリーンさん。冒険者ギルドの受付の人で、僕に良くしてくれたんだ」
『なに!あれは人なのか!?』
「うん!人の……変異種だよ!」
「だぁーーーれが、変異種じゃーーーいっ!!!」
キャサリーンさんが目の前に降ってきた。今日は何かが高い所から良く降ってくる日だな。
キャサリーンさんはクルシュをチラッと見てから僕を見た。
「エルム坊や、大丈夫?貴方が行ってから森で魔物の大量発生の報告があったの!貴方、森には近づいていないわよね?」
あ~、森に決して入るなって言われてたんだ。
「え~っと、あの~、そのですねぇ~」
がしっ
鷲掴みにされた。
「ちゃんといいなさい」
「ごめんなさい!スライム達に追いかけられて、そのまま森に入っちゃいました!」
キャサリーンさんはジィっと僕を見てくる。ファングボアより怖い。
さっきから僕の腕の中でクルシュが暴れながら『主人殿を離せ!この変異種がっ!』って言ってるけど、キャサリーンさんには聞こえてないみたいだ。
「……嘘は言ってないみたいねん」
ようやく解放された。また髪の毛に手の跡が付いている。髪の毛を整えているとキャサリーンさんが突然頭を下げた。
「ごめんなさい。森に異常があったのはわかっていたのにあんな依頼を出してしまって。せめて、わたしも一緒について行くべきだったわん」
「キャサリーンさん!頭を上げてください!ほらっ、僕はどこも怪我してませんから!……それに、お陰で最高の相棒にも出会えましたから」
腕の中で未だ暴れていたクルシュがピタッと止まった。キャサリーンさんも顔を上げ、目をパチクリさせている。
「あら、ずいぶんと可愛らしい相棒だことん。貴方、しっかりとご主人様を守るのよん」
『はっ!人もどきに言われずとも、主人殿には指一本塵一つも触れさせぬわ!』
なんだか奇妙な初顔合わせは終了し、僕達は依頼の納品の為に冒険者ギルドへと向かった。
その道中、森の中であった事を掻い摘んで報告した。
キャサリーンさんからは、この周辺は低ランクの魔物しか現れないはずが、僕が冒険者ギルドを出てからクルシュの倒したファングボアを始めキラーマンティスやファントムウルフ、バーサクベアなどの中ランクの魔物の目撃が相次いだため、様子を見に来たのだと教えてもらった。
そうこうしているうちに冒険者ギルドについたのだけど、キャサリーンさんは手前の建物に入ろうとしたのだ。
「あら、説明忘れてたわねん。こっちの建物は買取兼納品所になってるのよん」
一緒に中に入ると広い空間の中にそれぞれの種類毎に分かれたカウンターがあった。僕達は各種薬草と書かれたカウンターへと向かうがそこには誰もいなかった。
「さあ、採ってきたものをここに置いて頂戴。勝手に鑑定してくれるのよん」
カウンターの上に大きな四角い皿のようなものがあり、言われた通りに麻袋から採ってきた薬草を一本置く。
品名 薬草
品質 高品質
数量 1
おっ!なんか横にある板に文字が出てきたぞ。
「これは鑑定の魔道具なのよん。鑑定が終わったらここにギルドカードを差すのん。でも貴方、一本だけしか採ってきていないようねん。残念ながら納品は出来ないわねん」
「あっ!大丈夫です。クルシュ、お願い」
『うむ、承知した!』
かさ、ばさばさばさ……ばさ。
カウンターの上にこんもりと薬草が山積みになった。
品名 薬草
品質 最高品質
数量 100
おおっ!最高品質!僕が採ったものより品質がいい!ちょっと悔しいけど流石僕の相棒だ!
と、キャサリーンさんを見ると物凄い驚いた顔をしている。わかる、僕も最初見せてもらった時ビックリしたもん。でもキャサリーンさんの驚いた顔って凄い怖いね。怖さ十割増しだ。
えっと、ここにギルドカードを差してっと、おっ!カードに今の文字が記載された。凄いねこれ!
薬草の乗った板がスイーっと動き出したと思ったら壁の向こうへと消えて行った。全部自動なんだ!王都って凄いね!
凄い凄いと連発してたら、
がしっ
あっ、これ鷲掴みされてる。
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