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#3 人間との接触
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-side:Sagesse-
教会に着くと、先程まで点いていなかった明かりが点いていた。
サジェスがそっと中に入ると、祈りの祭壇の前に1人の十字架を持った神父がいた。
まだ若い、澄んだ瞳を持つ青年だ。
「は、はじめまして。僕はサジェスといいます。これからしばらく寝泊まりをさせていただきます。」
サジェスがお辞儀をすると、神父はそっと微笑んで。
「よくいらっしゃいました。泉の女神よりお告げを貰っております。本日は大変お疲れでしょう。部屋の用意は出来ております。」
と言った。
「ありがとうございます。」
サジェスは再びお辞儀をした。
「案内させましょう。シスターソレイユ!」
神父が声をかけると、祭壇の横から1人のシスターが出てきた。
優しさが滲み出ている微笑みを浮かべた、まるで太陽のような印象を持つ女性だ。
「ようこそ、サジェスさま。私はシスターソレイユと申します。それでは、お部屋を案内させていただきます。」
シスターがお辞儀をし、そのまま祭壇の横へと進む。
サジェスはシスターに付いて行った。
部屋の中は簡素な造りだった。
ベッドがひとつ。燭台が置かれたテーブルと、天使が描かれたステンドガラスの窓。
夜だと言うのに、光の精霊がふわふわと漂っている。
「この部屋は、泉の女神さまにお会いに来た天使さまが代々使われている部屋です。その影響か、ここには光の精霊が立ち寄り、光の力で溢れています。サジェスさまも、きっと気に入ってくださると思います。」
「ありがとう、シスターソレイユ。とても気に入りました。」
溢れ返るほどの光の力に、サジェスは何か安心感があった。
「我々は貴方様の下僕。なんなりとご命令ください。」
シスターはそう言ってお辞儀をし、静かに部屋から出ていった。
サジェスは1人ベッドに寝転がった。
思ったよりも疲れていたのか、うとうとと眠気の波が押し寄せて来た。
「(今日は色々な事を知った。人間の優しさに触れて、女神さまに会って。……会って。)」
今日の事を思い返していると、再びあの悪魔の姿が思い浮かんだ。
「(あの時は、影しか見えなかったけど。会ったら、きっと綺麗なんだろうな。)」
心の中でそう思い、サジェスは意識を沈めた。
「さ、君も休みなさい。」
サジェスを見送った神父は、シスターにそう言い、左の奥の部屋へ入っていった。
「はい、おやすみなさい……。」
シスターは軽くお辞儀をした。
1人祭壇に残ったシスターは、首から下げている十字架を持ち、自分に語りかける様に、小さく呟いた。
「また、天使さまがいらっしゃった。あなたは、出てこないでね。分かっているでしょう?私があなたを許しているのは、天使さまを狩るためじゃないから……。」
燭台の火に照らされ出来たシスターの影には、コウモリの様な翼が生えていた。
-side:Haine-
黒い複数の影が移動していた。
月明かりを避け、寝静まった夜の街を音も立てず動いていた。
エーヌは、部隊の隊長と思われる男の影にいた。
移動中に聞いた話はこうだ。
この街では、天使の信仰が進んでいる。
特に、三角形のように女神が存在する泉と教会があるため、街に潜入するのも困難を極めていた。
さらに、ここの町長の娘は天使と契約しており、この街を護っているという。
その天使と娘を捕らえ、抑える事で、街の護りを薄くし、隣街から軍を呼び、この街に攻めるという作戦らしい。
「(ま、人間の力だけでは無理だと思うけどね。)」
男の影に入った時、エーヌは同族の存在を感知しなかった。
つまり、悪魔と契約している人間はいないという事になる。
それなのに、天使と闘うとは、なんと無謀なことだろうか。
エーヌはそこに飛び入り、あわよくば天使の羽根を食らおうと考えた。
しばらく街の中を走っていた男達が、止まった。
屋根の上に立ち、紙を広げてまた作戦の確認をしていた。
「(……ふーん。成程ね。これは厳しいね。)」
エーヌは、影の中からその場所の雰囲気を感じていた。
まだ娘は帰ってきていないというのに、むせ返る程の聖気で溢れている。
気を抜けば、己の身体が崩れ落ちそうだ。
男達は気がついていないようだ。
その時。
膨大な聖気が近づいて来るのを感じた。
男達も、さすがにその存在に気がついたのか、一斉にその方向を向き、攻撃体制をとった。
夜だというのに、光り輝く人影。
長い髪を靡かせ、その神々しさをアピールしているようだ。
それは、1人ではない。
前を歩く人の後ろには、羽根の生えた存在がいる。
その羽根がゆらりと揺れる度に、暖かさを含んだ風が、優しく吹いてきた。
男達は見とれていた。
先程までの威勢は削れ、だらしなく口を開いている。
その人影が、視認出来るほどまで近づいてきた。
その娘は、長い髪に包まれた年頃の小さな顔に微笑みを浮かべ、まるで慈悲を与えるような目で見ていた。
後ろの天使は、セミロングの髪で娘と同じ目をしており、身体の半分程もある羽根が、天使の階級の高さを表していた。
エーヌは影の中から、その光の強さに歓喜していた。
この天使の羽根を食らえば、大量の魔気を得られるだろう。
エーヌはもう少し、様子を見ることにした。
教会に着くと、先程まで点いていなかった明かりが点いていた。
サジェスがそっと中に入ると、祈りの祭壇の前に1人の十字架を持った神父がいた。
まだ若い、澄んだ瞳を持つ青年だ。
「は、はじめまして。僕はサジェスといいます。これからしばらく寝泊まりをさせていただきます。」
サジェスがお辞儀をすると、神父はそっと微笑んで。
「よくいらっしゃいました。泉の女神よりお告げを貰っております。本日は大変お疲れでしょう。部屋の用意は出来ております。」
と言った。
「ありがとうございます。」
サジェスは再びお辞儀をした。
「案内させましょう。シスターソレイユ!」
神父が声をかけると、祭壇の横から1人のシスターが出てきた。
優しさが滲み出ている微笑みを浮かべた、まるで太陽のような印象を持つ女性だ。
「ようこそ、サジェスさま。私はシスターソレイユと申します。それでは、お部屋を案内させていただきます。」
シスターがお辞儀をし、そのまま祭壇の横へと進む。
サジェスはシスターに付いて行った。
部屋の中は簡素な造りだった。
ベッドがひとつ。燭台が置かれたテーブルと、天使が描かれたステンドガラスの窓。
夜だと言うのに、光の精霊がふわふわと漂っている。
「この部屋は、泉の女神さまにお会いに来た天使さまが代々使われている部屋です。その影響か、ここには光の精霊が立ち寄り、光の力で溢れています。サジェスさまも、きっと気に入ってくださると思います。」
「ありがとう、シスターソレイユ。とても気に入りました。」
溢れ返るほどの光の力に、サジェスは何か安心感があった。
「我々は貴方様の下僕。なんなりとご命令ください。」
シスターはそう言ってお辞儀をし、静かに部屋から出ていった。
サジェスは1人ベッドに寝転がった。
思ったよりも疲れていたのか、うとうとと眠気の波が押し寄せて来た。
「(今日は色々な事を知った。人間の優しさに触れて、女神さまに会って。……会って。)」
今日の事を思い返していると、再びあの悪魔の姿が思い浮かんだ。
「(あの時は、影しか見えなかったけど。会ったら、きっと綺麗なんだろうな。)」
心の中でそう思い、サジェスは意識を沈めた。
「さ、君も休みなさい。」
サジェスを見送った神父は、シスターにそう言い、左の奥の部屋へ入っていった。
「はい、おやすみなさい……。」
シスターは軽くお辞儀をした。
1人祭壇に残ったシスターは、首から下げている十字架を持ち、自分に語りかける様に、小さく呟いた。
「また、天使さまがいらっしゃった。あなたは、出てこないでね。分かっているでしょう?私があなたを許しているのは、天使さまを狩るためじゃないから……。」
燭台の火に照らされ出来たシスターの影には、コウモリの様な翼が生えていた。
-side:Haine-
黒い複数の影が移動していた。
月明かりを避け、寝静まった夜の街を音も立てず動いていた。
エーヌは、部隊の隊長と思われる男の影にいた。
移動中に聞いた話はこうだ。
この街では、天使の信仰が進んでいる。
特に、三角形のように女神が存在する泉と教会があるため、街に潜入するのも困難を極めていた。
さらに、ここの町長の娘は天使と契約しており、この街を護っているという。
その天使と娘を捕らえ、抑える事で、街の護りを薄くし、隣街から軍を呼び、この街に攻めるという作戦らしい。
「(ま、人間の力だけでは無理だと思うけどね。)」
男の影に入った時、エーヌは同族の存在を感知しなかった。
つまり、悪魔と契約している人間はいないという事になる。
それなのに、天使と闘うとは、なんと無謀なことだろうか。
エーヌはそこに飛び入り、あわよくば天使の羽根を食らおうと考えた。
しばらく街の中を走っていた男達が、止まった。
屋根の上に立ち、紙を広げてまた作戦の確認をしていた。
「(……ふーん。成程ね。これは厳しいね。)」
エーヌは、影の中からその場所の雰囲気を感じていた。
まだ娘は帰ってきていないというのに、むせ返る程の聖気で溢れている。
気を抜けば、己の身体が崩れ落ちそうだ。
男達は気がついていないようだ。
その時。
膨大な聖気が近づいて来るのを感じた。
男達も、さすがにその存在に気がついたのか、一斉にその方向を向き、攻撃体制をとった。
夜だというのに、光り輝く人影。
長い髪を靡かせ、その神々しさをアピールしているようだ。
それは、1人ではない。
前を歩く人の後ろには、羽根の生えた存在がいる。
その羽根がゆらりと揺れる度に、暖かさを含んだ風が、優しく吹いてきた。
男達は見とれていた。
先程までの威勢は削れ、だらしなく口を開いている。
その人影が、視認出来るほどまで近づいてきた。
その娘は、長い髪に包まれた年頃の小さな顔に微笑みを浮かべ、まるで慈悲を与えるような目で見ていた。
後ろの天使は、セミロングの髪で娘と同じ目をしており、身体の半分程もある羽根が、天使の階級の高さを表していた。
エーヌは影の中から、その光の強さに歓喜していた。
この天使の羽根を食らえば、大量の魔気を得られるだろう。
エーヌはもう少し、様子を見ることにした。
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