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「リョウ君、こっちの人にも、同じ様に塗ってもらっていい?」
「はい」
「じゃあ、綺麗にして、アルコール消毒をしちゃうね」
さっきの人の傷が治った理由は、解からない。
でも、怪我人はまだまだいる。
いったん、その件は横におき、次の人の処置をする事にした。
新しい布を盥の水に浸け、軽く絞ってから、血や汚れを拭い、<クリーン>って言うと、布が綺麗に戻り、それをまた水に浸ける。
それを何回か繰り返し、綺麗になったら、脱脂綿にアルコールを滲み込ませ、患部につけていく。
それが済んだら、僕と場所を交換。
僕はさっきと同じ様に、早く治りますようにって祈りながら、痛くないよう、そっと塗っていく。
塗り終わって、全体を見ると、やっぱり傷は消えている。
ほらねって、傍についていた隊員さんを見上げると、目を見開いて、固まっていた。
つんつん
袖を引っ張ると、
「ああ、ごめんね。ちょっとその薬、いいかな?」
掌を出してきたから、その上に乗せると、周囲を見回し〝ちょっと待ってて〟って言って、消毒をしている人の所に行き、何かを話しながらその薬を交換し、薬を塗っている所を少し眺めてから、戻ってきた。
「お待たせ。次に行こう」
「はい」
次の人の傷も深い。
噛み付かれた痕が、痛々しい。
それなのに、噛み千切られる前に、他の人が、首を切り落としてくれたから、良かったって笑ってる。
腕に、その頭をくっつけたまま、この救護所に来たらしい。
ナイフが刺さった時と同じ対処方法のようだ。
二人がかりで、上顎と下顎を掴み、腕から牙を引き抜くと同時に、ポーションを飲まされたから、出血量が少なくてすんだって、怪我の割には、平然としている。
ダークウルフの歯並びがわかるぐらい、はっきりと、穴が開いちゃってるのに。
僕だったら、えぐえぐと泣いてるところだよ。
さっきと同じ様に、消毒まで済ませると、交換してきた軟膏を渡された。
「今度は、この薬でお願いね」
「はい」
さっきと違う薬なのかな?
まぁ、いいか。
早く治りますようにって祈りながら、大きい穴の所は少し多めに、って感じにのせながら、そっと塗りひろげた。
「はい」
「じゃあ、綺麗にして、アルコール消毒をしちゃうね」
さっきの人の傷が治った理由は、解からない。
でも、怪我人はまだまだいる。
いったん、その件は横におき、次の人の処置をする事にした。
新しい布を盥の水に浸け、軽く絞ってから、血や汚れを拭い、<クリーン>って言うと、布が綺麗に戻り、それをまた水に浸ける。
それを何回か繰り返し、綺麗になったら、脱脂綿にアルコールを滲み込ませ、患部につけていく。
それが済んだら、僕と場所を交換。
僕はさっきと同じ様に、早く治りますようにって祈りながら、痛くないよう、そっと塗っていく。
塗り終わって、全体を見ると、やっぱり傷は消えている。
ほらねって、傍についていた隊員さんを見上げると、目を見開いて、固まっていた。
つんつん
袖を引っ張ると、
「ああ、ごめんね。ちょっとその薬、いいかな?」
掌を出してきたから、その上に乗せると、周囲を見回し〝ちょっと待ってて〟って言って、消毒をしている人の所に行き、何かを話しながらその薬を交換し、薬を塗っている所を少し眺めてから、戻ってきた。
「お待たせ。次に行こう」
「はい」
次の人の傷も深い。
噛み付かれた痕が、痛々しい。
それなのに、噛み千切られる前に、他の人が、首を切り落としてくれたから、良かったって笑ってる。
腕に、その頭をくっつけたまま、この救護所に来たらしい。
ナイフが刺さった時と同じ対処方法のようだ。
二人がかりで、上顎と下顎を掴み、腕から牙を引き抜くと同時に、ポーションを飲まされたから、出血量が少なくてすんだって、怪我の割には、平然としている。
ダークウルフの歯並びがわかるぐらい、はっきりと、穴が開いちゃってるのに。
僕だったら、えぐえぐと泣いてるところだよ。
さっきと同じ様に、消毒まで済ませると、交換してきた軟膏を渡された。
「今度は、この薬でお願いね」
「はい」
さっきと違う薬なのかな?
まぁ、いいか。
早く治りますようにって祈りながら、大きい穴の所は少し多めに、って感じにのせながら、そっと塗りひろげた。
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