異世界への迷い人?

大器晩成らしい

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セントローレンさんが収納から的を取り出し、10m離れた所に3本、並べていくのを呆っと見ていた。

そうだよね。いくらなんでも、この子達を的にはしないよね・・・

攻撃魔法、初めてで、威力とかも分からないんだから。


「さて、先ずは、この位の距離からいきましょう。矢は、分かりますか?」

「はい、分かります。(クロスボウと矢を、お兄ちゃんから渡されてるし、確認済み)」

「では、見本を見せますね。光の矢を作り出し・・・弦を引くイメージで、狙いを定め・・・放つ」

Oh~、姿勢がいい&凛々しい!

放った矢は、真っ直ぐに的へと向かって行って刺さり、霧散した。

「こんな感じです」

的に近付いて、当たった場所を確認したら、5ミリ位の穴が開いていた。

「この的は強度がありますので、矢が当たっても、向こう側に貫通する事はありません。5ミリ位ですが、穴が開きましたよね?鎧を通すのは難しいですが、この威力なら、鎧の無い部分、首や腕でしたら、貫通させる事ができます。頭部は・・・入る角度によりますね」

結構な、威力があるみたい。

「では、リョウさん。やってみて下さい」

「はいっ♪」

何はともあれ、的当ては面白そう。


・・・外れた。

的は動かないのに。

グスンッ

距離が離れただけなのになぁ。

放つ瞬間の、ちょっとした手のブレで、全然違う所に飛んでいった。

う~、次。

誘導ミサイルみたいに的をロックオンできれば、たとえ動いていても、確実にあたるよね。

あっ、ヤバッ!

ドゴォオオオオン

バサッツ

「ウ”ッ、うわっぷ、ぺっぺっぺっ」

「?!!!っつぅ・・・今の・・・矢じゃないですよね?」

「はいぃぃ、ゴメンなさいぃぃ!!」

矢を作る瞬間、誘導ミサイルをイメージしちゃって、で、そんなのが急に手元に現れて、うわっ!!ってなって、焦って手がつるんっと、で、そのまま、的に向かって~・・・

「えっ、耳、大丈夫ですか?《回復》《クリーン》」

謝りながら、セントローレンさんの方を見たら、耳を押さえ、蹲っていて、しかも泥だらけ。

慌てて、回復とクリーンを。

「ぐわんぐわんしましたが、回復をかけてくれたので、なんとか」

僕でさえ、ウ”ッってなったもん。

獣人さんの方が、耳、良いもんね。

「本当にすみませんでした。矢を作る瞬間、ちょっと、別の事を考えちゃって・・・」

「それが、さっきのあれですか?・・・凄い、威力ですね・・・」

ギギギッ

セントローレンさんが目を見開いて見ている方を、振り返って見ると・・・

「うわ~。どうしよ~」

・・・的はもちろん、木っ端微塵。

的を中心に、半径5メートルの地面が、綺麗に抉れていた。





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