シャム猫

ジョエルの場合５０

湖箔の事を、どのタイミングで、どう伝えるべきか・・・


『・・・まさか、・・・人妻？』

『何でそうなる』

『もしかして、私より年上、とか？息子の嫁が、私より上とか、嫌なんだけど』

『それもない』

『じゃあ、何で言えないのよ？』

『・・・・・・生徒だから』

『生徒？何歳よ』

『１５』

『１５！！ロリコン？・・あれ？ジョエル、男子校に勤めてなかった？』

『・・・』

『・・・ショタコン？』

『違う。湖箔以外に、興味なんてない』

『へ～、ほ～、なるほど～。コハク君っていうんだ？で、その子だけが特別、って事なのかしら？』

『ああ、そうだ』

『ふ～ん。写真送ってくれる？』

『持ってない『わけ無いわよね』・・・』

『いったん切るから、とっとと送ってね？１０分後にまた電話するから』

プツッ・ツーツーツー

返事をする前に、切られた。

・・・ハァ～

溜息しか出ない。

写真はある。

合宿の時に写したものが。

ただ、本来の姿ではなく、ウィッグ＆カラコンを装着してるものだけしかない。

スマホを紛失、もしくは、覗かれたりした場合を考え、あえて撮らないでいた。

電話するって言ってたし、その時に言えばいいか。

ポンッ

メール？

《とっとと、写真送れ》

まだ、電話を切って、そんなに経ってないだろ？

ハァ～

溜息を吐きながらも、スマホを操作し、ソフィアに写真を送った。


♪♪・♪♪・♪♪


『はい』

『騙したわね』

『いきなり何？人聞きの悪い』

『女の子じゃない』（訳：女の子でしょ）

『女の子じゃない』（訳：女の子ではありません）

『まさか、男の子だって言い張るつもり』

『まさかもなにも、真実しか言ってないからね』

まぁ、疑いたくなる気持ちは、解からなくも無いけど。

『嘘！本当に？』

『ああ、嘘は言ってない。ちなみに、その写真、ウィッグとカラコンを着けてるから。本当は銀髪で目はすみれ色だよ。目立つのが嫌で、普段は変装をしてる』

『・・・変装しても、この容姿じゃ、目立つと思うけど。確かに、しなかったら、より目立ちそうね』

『そうだな。目を惹かれる』

『・・・やっぱり、なんとしても実物が見たいわね。じゃっ、そういう訳で、夏休み、楽しみにしてるから。絶対に連れて来てね』

プツッ・ツーツーツー

またしても、返事をする前に、切られた。

・・・ハァ～～～