シャム猫

大器晩成らしい

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「東○観光バスのご利用ありがとうございました。大○山青少年自然の家に間も無く到着致します。お降りの際は、お忘れ物等ないようお願い申し上げます。尚、木曜日のお帰りの際も、私がお迎えに参りますので、宜しくお願い致します。それでは、安全に気を付け、楽しんできて下さい。」

「湖箔、そろそろ着くぞ。起きろ」

優しく、肩を揺すられ、意識が浮上して行く。

「んっ、あっ、ごめん。・・・ありがと」

いつの間にか、大輝の肩に凭れ、眠っていたようだ。

押しやったりしないで、着くまで、そのまま起こさないでいてくれるんだから、優しいよね。

頭を撫でながら、〝大丈夫か?〟って心配もしてくれる。

コクンッ



駐車場にバスが停車し、扉が開く。

「トランクルームを開けてもらうから、各自、自分の荷物を持って行くのを忘れずにな」

バスから降り、各自、自分の荷物を運転手さんから受け取り、玄関横の空き地へと移動した。

全部のクラスが揃うのを、そこで待つらしい。

ふぁ~ふっ

今朝は、林間学校に持って行く荷物の最終チェックをする為、いつもより早く起きたから、ちょっと眠い。

大丈夫か訊かれて、頷いたけど、バスの中で、中途半端に寝てしまったからか、余計、眠気が増してるような気がする。

部屋に荷物を置く時、眠気覚ましに、ちょっと顔を洗いたいかも。


次々とバスが止まる中、C組のバスから、紫艶が欠伸をしながら降りて来るのが見えた。

昨日の夜、〝明日の朝、湖箔が起きた時でいいから、電話して起こして欲しい〟って頼まれてたんだよね。

〝自分で起きられる気がしない〟って。

紫艶も、いつもよりだいぶ早い時間に起こされたから、眠いのだろう。

笑いながら見ていたら、こっちに気付いたみたいで、苦笑いだ。


最後の1台が駐車場に入ってきたようだ。

「お前等、そろそろ整列しろ」

大輝の号令で、皆、きびきびと動き、あっという間に整列完了。

統制が取れてるというか何というか・・・

「施設の使用についての説明を受けたら、各部屋に行き、荷物を置いてから、またここに集合な」

「「「「「はい」」」」」

「貴重品は持ち歩く事。スマホは今から回収するから、それぞれ、予め渡しておいた、名前の札が付けられているか確認するように」

えっ、もう回収するの?

バス降りてすぐに、着いたよって、ジョエルにメールしておけばよかった。

当分、連絡できないから。



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