シャム猫

大器晩成らしい

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失礼しま~す。

誰もいないのは、解かってはいるけど、一応ね。

・・・シーンとしてる。

湯煙が立ち込める中、俺が立てる水音だけが響いていて、はっきり言って、怖い。

身体とかを洗ってる最中も、鏡や背後が気になってしょうがない。

ほら、何かが映っていたり、居たりしたらって思うと、ねぇ。

さっさと泡を流し、急いで湯船へと浸かりに行った。


とろんとしていて、肌触りがいい。

とてもいい湯なのは判る。

もし、疾風とか森羅とかと一緒に入っていたなら、ゆっくりと浸かっていたいと思うくらい。


ブルッ

お風呂に入って温まっている筈なのに、何故かブルッときた。

・・・もう、出よっ。


脱衣所で着替えを済ませ、廊下に出ようと扉を開けると、目の前に、背中が・・・

入り口で見張っててくれたんだ。

「もう出たのか?早かったな。ゆっくり入ってて、良かったんだぞ?」

「ん~。1人じゃ、寂しいというかなんというか。肝試しの後で、ちょっと怖かったってのもあったから・・・」

「そうか(可愛いなおい。できるなら、一緒に入ってやりたかったけどな)」

「うん。見張っててくれてありがとうね。明日もお願いしていい?」

「いいよ」

「ありがとう」


「じゃあ、とっとと行くか」

「えっ、送ってくれるの?1人で戻れるから大丈夫だよ。部屋まで、そんな遠くもないし」

「いや、送る(湖箔は、まだ近くを、狼達がうろついているのを知らないからな・・・)」

「えっ、でも・・」

「ほら、いいから、行くぞ」

申し訳なく思いながらも、背中を押され、仕方なく、歩き出した。


部屋に戻るまでの間、B組だと思うけど、何人か廊下をうろうろしていて、大輝が、

「お前等、とっとと部屋に入れ」

って注意していた。


「「「「「(何で、美和も一緒なんだよ!)」」」」」

「(さりげなく、〝お風呂に入ってきたの?〟って、話しかけようと思っていたのに。せっかくのチャンスが~)」

「(お前、目がギラついてるぞ。さり気無く感じないんじゃないか?)」

「(お前にだけは、言われたくないわ)」


「何だ?お前等、文句でもあるのか?」

「「「「「いいえ、ありません!」」」」」

「ならいい、とっとと寝ろよ~」





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