シャム猫

大器晩成らしい

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ここのお風呂は、温泉を引いている。

ナトリウム炭酸水素塩泉で、重曹泉の名で知られているらしい。

皮膚表面の脂肪を乳化し洗い流すから、肌が滑らかになるって、パンフレットに書いてあった。

「おかえり、いい湯だった?」

「ああ、すべすべになった。女だったら喜ぶんじゃね?」

「気持ち良かったから、湖箔も、ゆっくり入ってくればいい」

「う~ん、でも先生達を待たせたら悪いし」

「途中、俺達が代わるよ」

「いいよ。せっかく温まったのに、湯冷めしちゃうから」

「じゃあ、美和にお願いすれば?どうせ、男性教員は最後に入るんだし」

「・・・そうだね。お願いしてみる。今どこだろ」

「風呂場じゃないか?さっきもいたし」

「廊下に立って、生徒が、女風呂を覗かないように、見張りをしていた。だから、そのまま、立ってて貰えばいいんじゃないか?」

「うん。そうする」


コンコン

「湖箔君いる?お風呂空いたよ」

「今行きます。じゃっ、行ってくるね」

「ああ」

「行ってら~」

ガチャ

「すみません。お待たせしました」

「いいえ~、じゃあ行こうか」

お風呂場まで連れて行って貰うと、大輝が、男風呂と女風呂の丁度中間に立っていた。

「お疲れ様です」

「おう、お疲れ、ゆっくり入って来い」

「えっと、ゆっくりしたいんですけど、女性に見張ってて貰うのは、悪いなって思って。先生は、まだここにいます?」

「ああ」

「じゃあ、ついででいいので、見張るの、先生にお願いしてもいいですか?」

「いい「きゃ~、湖箔ちゃん、や・さ・し・い~。遠慮なんてしないでいいのに~。でもお言葉に甘えちゃおっかな~」・・・」

返事の途中で割り込みが入ったけど、OKみたいだ。

「「「「美和先生。しっかり見張って、ガードして下さいね」」」」

「もちろん。虫1匹通すつもりはないですね」

・・・生徒を虫扱い。

「えっと、じゃあ、すみません。お願いします」

女の先生達にもお礼を言って、女風呂の方へ入って行った。

大輝の壁を越えてまで、俺の入浴を覗こうとする物好きなんて、いないとは思うけど、万が一を考えて、なるべく奥の方で着替えよう。

洗面台の上に、化粧水とか乳液とか、女性用のアメニティグッズが置かれている。

本当、俺、こっち入っていいの?

施設の人に見つかったら、怒られるんじゃ?

はぁ~

まさか、女湯に入るとは思わなかったなぁ・・・

とっとと入るか。






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