シャム猫

大器晩成らしい

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まだ、食堂が開く時間じゃないから、そんなに人はいない、それでも、ゼロではない。

階段を下りる時、人の気配を探り、見られないよう、途切れた時を狙い、一気に2階まで下りる。

この時は、いつも緊張する。

学年が上がれば、部屋も上の階に上がり、ジョエルの所への行き来も、多少は楽になるけど、まだまだ先の話。

月・水・金なら、バイトをしてるってハッキリ言えるから、堂々と上り下りできるけど、土日の移動には、やましさもあって、どうしても神経を遣う。

部屋に入り、一息吐いてから、カバンの中に入ってる制服を取り出しハンガーにかけ、ワイシャツは洗濯機に放り込んだ。

時間割りを見ながら、月曜日の準備をすると、廊下に出るのに丁度いい時間になった。

鍵とスマホだけ持っていけばいいか。

ポケットに捻じ込みながら、部屋を出た。


「よっ」

「疾風だけ?」

「ああ、ついさっき、森羅が通った」

「部活終わるの、遅かったのかな」

「みたいだな。荷物片付けてから、来るんじゃないか?」

「ふ~ん。じゃあ、その間に、紫艶、呼んでくる」

そう言って、扉の前に行き、ノックしようとしたら、扉が開き、慌てて手を引っ込めた。

「凄いタイミングだね。ノックするところだったよ」

「フッ、俺が最後か?」

「ん~ん、森羅がまだ。ついさっき、部屋に戻ってきたみたい。でも、あっ、出てきた。お疲れ~」

「ああ、待たせた」

「俺も出たばっかだし。まだ1~2分も経ってないから平気」

「そっか、良かった」



今日のメニューはエビフライ定食だった。

で、甲殻アレルギーのある人は、ハンバーグ。

エビフライ定食も美味しそうだったけど、専用ラックの方から、肉のいい匂いが漂ってきて、あっちも美味しそう。

列が進み、定食の載ったトレーを手に取り、ほぼ定位置となった、空いてる席に向かった。







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