泉の聖

大器晩成らしい

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離縁を言い渡したらどうよ。

旦那さん達が、無事に、ここから家まで帰り着けたらの話だけど・・・


貴方達はヴォルフが安全に送り届けるから、安心して。

ヴォルフがいれば、わざわざ獣が襲ってくる事はないからね。

アレキサンドとステフは歩けないから、ヴォルフの背中に乗せて行けばいい。

帰り道は最短距離のルートだから、来る時よりは、楽に帰れると思うよ。

「人の足なら4時間ほど早く帰れると思いますよ」


神殿に戻ったら、すぐに、離縁の手続きを申請する事をお勧めするわ。

ヴォルフからも、何故離縁するのかの説明と、直ぐに受理するよう後押しさせるから。

手続きが終わったら、早急に屋敷に戻り、三人の私物を纏め、神殿に預け、離縁した事により、カルバニール公爵家所有の屋敷及び土地、別荘等の物件へは、もう立ち入らせないと伝えて貰いなさい。

もう、会わない方がいい。

「そうですよ、すっぱり断ち切った方がいいです。二度目の浮気ですし、今度のは貴女に害意を持っているのですから」


側室さん達の方は、とりあえず神殿に戻ったら、暗殺の件で即捕縛するよう、衛兵等を神殿に控えさせておくといいですね。

念の為。

旦那さん達もそうなのだけど、武器もない状態で、この森を抜けられるかは微妙・・・

「帰って来なかったら、不幸な事故で亡くなったという事にでもして、処理して貰えばいいんじゃないですか?でも、アレキサンド達の様に重傷を負っている訳でもないし、最短では無いけど、距離も短い。運がよければ、獣に出会わずに辿り着いてしまいますよ」

そうだね。

だから、その時は、牢屋へご案内してあげてね。

アレキサンド達が殺されかけた事も、ヴォルフに伝えさせるから。


いいよね?

お願いね、ヴォルフ。

神殿の人に、今回の一部始終、きちんと話してきてね。

「もちろん、お任せ下さい♪」

ブンブンブン

・・・尻尾が風を切る音が聞こえる。

楽しそうね。

「ええ、とても♪」
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