何で僕を?

大器晩成らしい

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葵ちゃんが急に、シクシクしだしたけど、どうしたのだろう。

「どうしたの?」

「ううん、何でもない」

訊いても答えてくれない。

とりあえず、抱き締めて、撫で撫でしておこう。


落ち着いてきた頃を見計らって、他に訊きたい事とか、あるか訊いてみた。

「僕にこの世界の常識とか、闘い方を教えてくれる人って、手配して貰えるのかな?」

やっぱり、闘う気満々なのか・・・

手配ねぇ。

他の男を、葵ちゃんに近づけたくないなぁ。

・・・・・・うん、やだな。

・・・やっぱり、自分が付っきりで教えるのが、一番安全だな。

「それは、俺が教えてあげるよ。経験者だからね。同じ目線で、教えてあげられる。闘い方も、先ずは、パワーレベリングで、さくさくレベルを上げて、強くなってから、じっくり、身体の動かし方とか、魔物の急所とか教えていってあげるよ。ただ、実際に闘ってみて、やっぱり、止めは刺せないってなったら言って、俺がやるから。その時は、葵ちゃんは、最初でも途中でもいいから、攻撃魔法を一発だけ魔物に当ててくれればいいよ。後は、回復をかけたり、結界張ったり、補助的な役割をしてくれるだけでも十分助けになるし、レベルも上がっていくから。」

「うん・・・頑張るよ」

「・・・となると、パワーレベリングに行く前に、魔法の出し方を、訓練所できちんと教えてからの方がいいかな」

「任せるよ」

「任せて、手取り、足取り、腰取り、丁寧に教えるから」

「腰、関係ないよね?」

「いやっ、一番重要!魔力の流れを感じ取らせるのに、そこから魔力を流し込むのが、一番、理解し易いんだよ」

「・・・どうやるのか、いまいちよく解からないけど、もちろん、月夜も同じ方法で教えて貰ったって事で、いいのかな?」

「いやっ、俺の時は解かり辛い教え方されたから、流れを感じ取るのに時間がかかったんだよね。葵ちゃんが試すのは、それを踏まえて、こっちの方が、解かり易かったんじゃないかって、俺が思ったやり方ね」

「・・・怪しいので、お試し方法じゃなく、一般的なやり方で教えて頂戴」

「怪しくないよ。絶対こっちのやり方の方がいいから、時短になるし、効率的だよ」

「やけに必死に勧めてくる・・・(怪しさ倍増)」



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