何で僕を?

大器晩成らしい

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うっかり、一生のお願いを了承してしまったせいで、今、広げられている、目の前の光景に、思わず遠い目をしてしまう。

これ、やっぱり着るんだよね?

ウェディングドレス。

女性が一生に一度、着るか着ないかという衣装を、着る事になりました。

ここに、両親、親族、友人、知人が居ない事だけが幸です。


僕の戸惑いを物ともせず、淡々と着付けがされていく。

これ、本当に僕に似合ってるの?

プリンセスラインドレス。

小花のモチーフやレースがふんだんに使われ、スカート部分がふんわりとしていて、腰に大きなリボンが付けられている・・・可愛いけど、思っていた以上に重い。

これも、月夜がデザインした特注品。

いつ、デザインしてるんだろう?

「こんな短い期間で、よく作れたね」

って言ったら、

「4年前には、すでにデザイン画は出来てたよ。ただ、正確なサイズが分からないから、このドレスの、モチーフとかレースとかリボンとか、スカートの部分とか、ある程度は、先に作らせておいたんだ。葵ちゃんがやっと召喚されてきて、ちゃんとサイズを測ってすぐ、組み合わせて、仕上げさせたんだよね。だから余裕だよ」

思った以上に用意周到。


髪の毛も軽くセットされ、生花が挿し込まれた。

「とても、お似合いです」

キラキラ笑顔でラピスさんに言ってもらったけど、とても複雑な心境です。

「葵ちゃん、とっても綺麗だ。こんなに可愛くて、皆に惚れられちゃうかも。どうしよう。・・・皆の目を潰して回っちゃうかもしれない」

「やめて頂戴。目潰しなんて、そんなの見たくないし、そもそも惚れる云々なんて無いと思うよ。それより、月夜のタキシード姿。とてもかっこいいね。凄く良く似合ってる」

「嬉しい。惚れ直した?」

「うん。(惚れ直したかも)」

月夜が、僕を抱き寄せようと、手を伸ばしたが、ラピスさんに引っ張られ空振った。

「せっかく着付けたのに、撚れたりしたら困ります。それは夜まで我慢して下さい」

そして、月夜の腕を軽く曲げさせ、そこに、僕の手を添えさせた。

「さあ、もう馬車が用意できてます。急ぎましょう。私は、御者席に便乗し、一緒に行ってフォローさせて頂きますので、ご安心を」

うんうん、もしかしたら他にも、陛下からのサプライズが、待ち受けているかもしれないもんね。

「はい。頼りにしてます」



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