何で僕を?

大器晩成らしい

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ぷりぷりしている月夜を宥めながら、神父さんの案内で、正面玄関まで戻ると、本日2度目のオープンカーならぬ、オープン馬車に、再び乗せられた。

「ねぇ、また、行きと同じ目に遭うんじゃ?」

「安心して下さい。粗方、来る時に捕獲したと思いますので、帰りは少ないと思います。それに全体に速度を上げて帰りますので、襲いにくくなると思いますよ。ヘタすれば、馬車が止まれず、そのまま跳ねられる事になりますので」

「それでも、ゼロではないと・・・」

「どうでしょう。来る時、葵殿が仰っていた事を、挙式の間に、街道に出ている者達に告げてあるので、回数を重ねている者程、躊躇するかもしれませんね。告知してますので、襲ってきたら、告知通りの金額を確実に請求させて頂きますし、そうなると高額すぎて、支払えない可能性が高いですからね。罰金の分割払いなんて、ありえませんので、親戚、知人からかき集められなければ、借金奴隷落ちとなります。来るとしたら、初犯の人ぐらいじゃないですかね」

「葵ちゃんが、そんなに嫌がるなら、馬車の前に出る前に、排除してあげるよ。いちいち止まるのも、鬱陶しいかったよね。ごめんね。気付かなくて」

「えっ、それ、行く時も出来たんじゃ?」

「馬車の速度も遅かったし、名乗りをあげるのを邪魔したら可哀相かなって、それに、こっち来て初めの内は、手加減を練習するのに、いい的になったし、いい鴨ゴホッ、小遣い稼ぎにもなって、一石二鳥だったからね。恒例行事の様なものだから、つい条件反射でイライラしながらも、応対しちゃったんだよね。まぁ、結婚式のご祝儀として、貰ってもいいかなって、葵ちゃんのお蔭でレートも上がったし。でも、これからは、葵ちゃんとの時間を無駄にしたくないから、一々応対なんかしてないで、バンバン捕まえていくよ」

そんな風に言われたら、ちょっとは相手してあげないと、可哀相な気がしなくもない。

「では、急いで帰りましょうか。回収は行きと同様、騎士達にお任せ下さい」

行きとは違い、雑に捕まった人達、あれで罰金だけ払わされるのか・・・


そして、宣言どおり、スピードアップで走らせ、僕的感覚で、10数分後には城に到着していた。

「葵ちゃん、お手をどうぞ」

月夜にエスコートされて、馬車から降りようとしたところ、そのままお姫様抱っこで、部屋まで運ばれた。

「ちょっ、月夜、恥ずかしい」

暴れてる所を見られるのも恥ずかしいから、月夜の肩に顔を埋め、大人しくしてたけど、披露宴があるんじゃ?

何で部屋?と思っていたら、ラピスさんが衣裳部屋から、クリーム色がベースの、鮮やかなオレンジ色の大小様々なガーベラの様な花のモチーフが、バランスよく付けられた、可愛いドレスを持ち出してきた。

・・・まさか。

「では、お色直ししましょう」

マジか。

こんな可愛いドレス、僕が着こなせると、本当に思ってる?

全く自信がないんだけど?



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