何で僕を?

大器晩成らしい

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「ごめんね。自分でおトイレ行けないよね?連れて行こうか?」

「おトイレは後でいいかな。その前にお水が飲みたい」

「んっ、ちょっと待って、飲ませてあげるから」

そういうと、ヘッドボードにクッションを集めて置き、そこに僕を寄りかからせてくれた。

そして、サイドテーブルの上に用意された、ピッチャーの中の飲み物をグラスに注ぎ、僕の手に握らせると、一緒に支えて、飲むのを手伝ってくれた。

「ンクッ、ンクッ、ハァ~」

「もう一杯飲む?」

「ん~ん、ありがと、もう大丈夫」

お礼を言うと、そのままのグラスにもう一回注ぎ、今度は自分で飲み干した。

「葵ちゃん、お腹は空いてる?」

「空いてるけど、お昼にしてはちょっと早い?」

「いや、丁度いいんじゃないか?出発してから、外で適当にご飯を食べようと思ってたけど、ラピスに言って、早めの昼ご飯を用意して貰って、それを食べてから出発する方が、楽かもな」

「じゃあ、食べる」

「分かった、頼んでくる。チュッ」

僕の頬に軽くキスをし、枕元に置いてあったバスローブを羽織り、食事を用意して貰いに、部屋を出て行った。

・・・僕のバスローブは?

見える範囲にないみたい。

あっそうか、昨日は、マッサージ中に寝落ちしちゃったから、浴室からすっぽんぽんのまま運ばれたのか。///

「頼んできたよ」

「ありがと、えっと、僕の着るもの持ってきてもらっていい?」

「いいよ」

「あまり、派手じゃないのね。シンプルなやつで」

「え~」

「え~。じゃない」

ちょっと心配だ。

フリルがいっぱい付いてるのだけは勘弁して欲しい。


「はい、これね。手伝ってあげるから、ちょっと待ってね」

・・・絶対にトランクスを手に入れてみせる。

渡されたヒモパンを片手に、隣で着替える月夜を見て決意を新たに。

・・・ふと思ったんだけど、この絵面、変態くさいかも。

ヒモパンを横にそっと置き、持って来てくれた服を見る。

フリルはないけど、レースやリボンが・・・

「お待たせ、着せてあげるね♪」


僕、本当にこれ似合ってる?

納得いかないけど、月夜から、すっごく良い笑顔で似合うって言われて・・・これはもう、諦めた方がいいのかなぁって。

僕が。

その後、ご機嫌な月夜に、顔中キスされながら、姫抱きで食堂に運ばれ、甲斐甲斐しく給餌を受けた。






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