何で僕を?

大器晩成らしい

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「月夜、お土産買い終わったよ。って、まだ選んでたの?」

「青か緑で悩んでて」

「じゃあ、青がいい。海の色って感じで、いいんじゃない?」

「わかった、こっちね。ちょっと買ってくるから、店の外には出ないで待ってて。ラピス、葵ちゃんを見てて」

「はい、畏まりました」

むぅ、見てて貰わなくても、勝手に出ていかないし。


「お待たせ、お口尖らせてないで、こっち向いて・・・・・・うん、似合ってる♪ちゅっ」

お店の人とかに見られないよう、体の向きを変えられてからフードを外され、買ったばかりの髪飾りを、つけてくれた。

鏡がないから、自分では、似合ってるかどうか分からない。

でも、まぁ、月夜が喜んでるからいいか。

すぐにまた、フードを被せられたから、似合ってなくても、他の人には見られないしね。

「ありがと。でも、外でチュウはメッだからね」

「(メッって、可愛すぎ)はいはい」

返事が適当だ。

「じゃっ、行こうか」

差し出された手に、手を重ね、店を後に。

「そろそろ、宿に帰ろう」

青い空に、薄っすらオレンジが混ざっていた。

「そうだね。充分買い物もできたし、暗くなる前に帰ろう。で、早めにご飯を食べて、部屋でゆっくりしたい」

「うん、いいね。じゃあ、まっすぐ帰るか」

噴水のある広場を、真っ直ぐに突っ切った。

屋台から、お肉の焼ける美味しそうな匂いが漂ってきたけど、月夜に、〝あれは止めた方がいい〟って言われた。

「?何故?」

「オークの肉だから。葵ちゃんも、嫌でしょ?」

コクッ

確かに。

人肉を食べて育ったって思うと、手を付けるのに勇気がいる。

だから、城でも、オークの肉は出さないよう、お願いしている。

「オークの肉は、くせが強いので、好き嫌い分かれますよね」

「ラピスさんは?」

「私も苦手です。それしか食べる物が無くなったら、食べるかもしれませんが、できるだけ避けてます」

「良かった。オークの肉って、出さないようお願いしてるから、僕達の部屋に持って来るのって、それ以外の肉でしょ?もし好きだったら、食べたくても食べられなかったって事だもんね。そういえば、さっきの屋台。聞いてもいないのに、何でオーク肉って判ったの?」

「何のマークも入ってなかったからだよ。ほら、あっちの屋台の屋根の部分を見てご覧」

ん?鳥の絵が入ってる。

「動物の肉を使っている場合は、何の肉か、ああやって、表示する事ができるんだよ」

「オーク等、魔物の肉の場合は、表示してはいけないので、屋根を見れば、すぐに判ります」

「なるほどね。それで、お客は来るの?」

「魔物の肉は安いので、それなりに」

「ギルドから仕入れたりもするみたいだけど、自分で狩ってくる店もあるようだよ。冒険者と兼業だね」

あ~、なるほど、そう言われてみれば、魔物の肉を扱ってるお店の人は、ガタイが良いみたい。

「という事は、魔物をいっぱい狩れば、僕もムキムキになる?」

「断固反対。葵ちゃんは魔法攻撃担当ね」

うん、大丈夫。

僕の顔に、ムキムキの身体は似合わないって、解かってるから。




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