何で僕を?

大器晩成らしい

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パンを食べ終わったら、逃げちゃうかなって思って、第2弾、収納の中から葡萄を出して、食べ終わると同時に、貢いでみた。

チャッチャラ~

大・成・功~

「一緒に来る?」

って、訊いてみたら、クキュッって言って頷いてくれた。

?もしかして、言葉通じてる?


「良かったね、葵ちゃん」

「うん」

「そのまま行けそうかな?」

「大丈夫だと思う」

葡萄を一生懸命、ちまちまと食べてるから。

その場の片づけをラピスさんに任せ、月夜が僕を抱えたまま立ち上がると、一瞬ビクッっとしたけど、〝大丈夫だよ〟って声をかけて、顎の下を撫で撫でしたら、安心したのか、また食べ始めた。

片づけが終わったと声をかけられ、馬車の中へ。

葡萄を食べ終わって、ベタベタしてたから、クリーンをかけサッパリとさせた。

色が変わった。

灰色がかった茶色だと思っていたのに、全体的に薄茶で、背中の真ん中にだけ、こげ茶色の一本線が入っていた。

「君、そんな色だったんだね」

綺麗になったのが嬉しかったのか、僕の指に顔をすりすりしてきた。

う~ん、いい!

可愛い!!!

もう、フクロウサの可愛さに、メロメロだよ。

「・・・葵ちゃん、こっち見て」

「ん?何?」

月夜の方に顔を向けると、瞼に目尻、頬にと、たくさんのキスが降ってきた。

「月夜、ちょっと、くすぐったい」

「そっちばっか見てないで、俺も構って・・・」

「う~ん、でも、この子とは、森に着いたらお別れしなきゃでしょ?少しの間だけだから。ダメ?月夜とは、この先ず~と一緒でしょ?・・・お願い///」

チュッ

無言で、自分の唇を、指でトントンして催促してきたから、お願いって言いながら、月夜の唇に唇を合わせた。

「しょうがないな~。森に着くまでだからね。んぅちゅっ」

月夜からもお返しのキスをされて、契約成立?

森に着くまで、フクロウサを愛でるのを邪魔される事なく、充分に堪能する事ができた。


「ここら辺でどうでしょう?」

ラピスさんから声をかけられ、月夜に支えられながら、馬車から降りた。

足腰が少し回復したからね。

森に入って、本当にすぐの所。

ここなら、安全そうだ。

あまり奥の方に行くと、強い獣とかがいるからね。

掌の上で眠ってしまったフクロウサを、声をかけながら軽く指で揺すって起こし、木の幹に近づけて、お尻をそっと押し、登るよう促がした。

キュニュ~

なのに、いや~、とでも言ったのか、くるっと向き直り、木に登らせようと押していた手に、しがみついてきた。

「・・・」

もしかして、必要以上に懐かれた?

「ハァ~~~~。葵ちゃん。俺はそんな気がしてたよ」

えっ、マジで?

どうしよう。





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