ネオ・クリーチャー

Aiリアン

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5年前の記憶

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 俺がいつも住居している秘密基地。「シークレットハウス」と俺は勝手に呼んでいるここでは、情報収取、武器の手入れ、新アイテムの開発、クリーチャーに関する研究を一人で行っている。情報収集としては、クリーチャーの情報をラジオやテレビのマスコミに頼るほか、今小型の基地内でクリーチャーの電波を発見できる装置を付けている。反応があれば、ガラス製の机の上においてあるクリーチャーが出没した際に贈られる電波を盗む機器にメーターが動く。これには何度もお世話になってきた。 
 武器の手入れは、いわゆる俺が戦闘時に身につけている装甲のメンテナンスと右手に付けているアイテム「アーマーブレス」の動作確認を主に行う。
 新アイテムの開発は以前の新開発ガジェットが正にそれだ。クリーチャーの研究っていうのは、クリーチャーの弱点、種類、どんな人間がクリーチャーを扱うかを調べること。これらに約20時間は費やすことが多い。
 テレビにこの前のサイのクリーチャーを倒した現場が映し出されている。
 
 「えー。一昨日こちらの現場で起きた謎の怪獣による被害が、ご覧ください。このように無残にも建物や近くにいた市民の人たちに多大な被害をもたらしました。現場付近にいた女性によると、突然怪獣がこの現場に現れたのですが、全身黒い謎の人間によって怪獣は消滅されたということです」
 
 報道フロアでニュースキャスターが、黒い謎の人間というのは何者なのか?と取材レポーターに問いかけた。しかし、わからないと返答されて現場中継が終わった。

 「今回の事件で、あの怪獣らしき生命体を目撃したというニュースなんですが、あの怪獣と黒い謎の人間とはどういう関係なんでしょう?」

 その黒い人間ていうのは俺のことだ。世間ではまだ、俺のことを不審な存在として認識されている。これまでもクリーチャーを対峙していろんなところで活躍してきた。このニュース番組でも、安堵取り上げられたことか。しかし、世間では俺ののことを「怪獣を操っている者」「人類を滅ぼしに来た宇宙人」「どこかの秘密組織によるテロ犯」などひどい報道の取り上げられ方をされてきた。

 「世間様は、冷たいねぇ。みんなの平和を守っているのは俺だってのにさ。人間はわがままだよ」

 まぁ、はっきりされていないことが自分でもある。クリーチャーはなぜ人間が持っているのか?誰がクリーチャーを生み出したのか?そして、よくニュースでこのクリーチャーに関する報道によく言われるのが「5年前から続いている」という言葉。俺には5年前以降の記憶というのがない。まったく5年前に何があったのか、自分が5年前どういう風にこの世界で生きてきたか。家族も知らない、友人の名前なんてわからない。どこで生まれ、どこで育ったのか。まったくわからないのだ。
 頭を抱え下を向き考える。やっぱりわからない。自分がどんな人間かが。覚えていてもせいぜい3年前である。3年前に俺はクリーチャーという存在を知り、人々を助ける力があると思っていた。そこからほかの人間と違い、知能指数と運動神経が高く、クリーチャーから人を守るほどの戦闘力がある自分にできることを見つけた。しかし、戦い続けても5年前以降の記憶が分からないのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 とある汚い団地。マンションが立ち並ぶ中一人の女子高生が男女それぞれ2人ずつの4人の不良集団に虐められていた。黒髪のロングに細長い脚の女子高生には数々の暴行の跡が身体中に痣として見受けられる。

 「泣いてんじゃねぇよ。汚ぇなぁ」

 女の不良が虐められている女子高生に言った。涙を流すしかなかった。何も抵抗できずにそのまま暴行、暴言に我慢するしかできないのだ。
 不良たちは気が済んだためか、虐めをやめてどこかへ行った。不良たちは同じ高校に通う同級生だ。学校に入学してからいじめのターゲットとして追い詰められてしまった。もうこれで何度目か。女子高生は涙が止まらなかった。
 この団地は人気が少ないのもあって、特に汚い場所が多いため人が歩くのに嫌がる人が多かった。だから、どんなに叫んでも通りすがる人たちはおらず、近所の住宅マンションの住民からもなぜか誰も助けてもらえないため虐めるターゲットを連れてくるのにいい場所だった。しかも彼らのような不良が多いこの地域であるため、溜まり場にも
なっていた。

 「もう嫌。誰か助けて」

 しかし誰も来ず、ただ地面に倒れた状態で泣き続けた。すると女子高生の目の前に、高級スーツを身にまとい、ポケットに手を突っ込んだ状態の男性が視界に現れた。そして、女子高生に歩み寄り話しかけてくる。

 「あなた、虐められているのかい?終わらせる方法が私にはある。私の話、聞いてみないか?」

 「あなたは?」

 「もしかしたら、あなたを救うかもしれない者。しかもあなたは自分の手を穢さずに済む」

 女子高生は男に何やら黒い操作できるような物理型ボタンが付いたものを渡された。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 俺の基地にある大きなモニターにネットのウィンドウ画面が開いた。インターネト検索サイトを開き、検索エンジンに、「怪獣 目撃写真」と打ち込み検索する。クリーチャーの目撃情報の5年前の記事を調べてみることにした。何か思い出せるかもしれないためだ。蛾の姿のクリーチャー、何かの両生類に似た姿のクリーチャー、まるでギリシャ神話にでも登場する女神の姿をしたクリーチャー二足歩行型ロボットのクリーチャー。どれも5年前のものらしいが全く見たこともないクリーチャーだった。このクリーチャーは今もいるのだろうか。その辺は全くと言っていいほど不明である。
 情報収集をしているときに、正方形のパッドがブザー音を鳴らしながら震えいていた。

 「クリーチャーかな?」

 パッドの画面を見ると同時に、電波をキャッチした装置も確認する。反応があった。すぐにその付近を調べるようにパッドから、ドローンを起動させクリーチャーの居場所まで案内してもらうことにした。戦闘準備を整え、基地を出ていく。5年前のことは後からにしよう。どうせすぐにはわかりやしない。じっくり調べないとわからないからな。それよりも今はクリーチャー対峙が優先だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 蛙の姿をした2メートル程のクリーチャー程が町に現れ、そのまま動かないままだった。それを操作しているのは、あの虐められ、身体中傷だらけの女子高生だった。
 町が怪獣に襲われた時のように崩壊していた。これもおそらくこのクリーチャーによるものだろう。

 「もうこれ以上ひどいことはさせない」

 すると女子高生の頭上に何か浮いているのを近くの崩壊したマンションから影で見える。上を見上げると、プロペラの付いた4足の飛行物体が浮いていた。
 すると、左から誰かが女子高生に近づいてきたのを視界に捉える。

 「お嬢ちゃんか。こいつを操ってんのは」

 若い青年らしい人物で女子高生と同じ年齢層に見える。いったい誰なのか?

 「誰?邪魔しないで。危ないから」

 「その危ねぇ奴を止めるんだよ。俺がな。って、ものすげぇ怪我してんな」

 「ほっといてよ。これはあたしにしかできない」

 「いや、ほっとけない。こんなに暴れてしまったのなら」

 住民の人たちが逃げる中、女子高生と若き青年のにらみ合いが続いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 あの女子高生には何があったか知らないが、今の現状がやばいことになっているのは間違いない。
 俺は、右手に付けているアーマーブレスにチップを装填させる。「システム起動させますか」と出てきたため毎度のように「YES」と答えた。すると、装甲が身体中に装着される。バイザーからは鮮明な視界が広がり、傷だらけの女子高生の姿が見える。

 「お遊びなんかじゃすまないぞ。ここからはお仕事だからな。覚悟しな」

 「私だって本気よ。邪魔しないで」

 コントローラーらしきもので蛙のクリーチャーを操っていく。だが、ことらに振り向く前に俺はクリーチャーのほうへ走り出す。そしてクリーチャーよりも高い位置までジャンプし頭上に飛び移る。

 「これ以上暴れさせないぜ」

 俺はキャノンのチップを取り出し左腕に装填させ、起動するよう指示した。すぐにキャノン砲に変わった左腕を真下に向けキャノン砲が貫通するようにさせる。

 「終わりだよ。クリーチャー」

 そして、3メートル程ジャンプした俺はエネルギー弾を貯め発射する。頭めがけてヒットした。しかし、クリーチャーの皮膚がエネルギー弾を吸収した。

 「まじか!効かねぇのか」

 そして蛙のクリーチャーが俺のほうを向いて長い舌で身体を巻いた。急降下で口の中に吸い込まれていく。
 だが、俺の身体に巻き付いた舌は意地でほどいた。クリーチャーの上唇ギリギリのところで何とか落下した俺は、もう少しで食べられるところだったのに冷や汗をかいているのを装甲の中で感じ取った。

 「今度は!」

 キャノンを解除したあと、左腕が元に戻った。そして、左腰に付けた縦10センチ程の黒いガジェットを取り出す。
 だが、その直後に俺の背後に巨大な何かがいることに装甲のセンサーが反応した。振り返るとそこには、別のクリーチャーがいた。

 「何?あの娘、もう一体クリーチャー持ってんのかよ」

 そのクリーチャーは、白い天使のような羽の生えて両手が付いた半月の形をしたクリーチャーだった。
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