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しおりを挟む常闇の城、玉座の間。闇の聖者ノクターンが放つ絶望的なまでの闇のオーラの前に、俺たちは息を詰まらせていた。彼の歪んだ理想は、この世界を永遠の闇に閉ざそうとしている。
「私たちは……そんな未来は望まない!」
ルナが、涙を浮かべながらも、強い意志で叫んだ。
「私たちは、光の中で、みんなで笑い合って生きていきたいの!」
「ならば……その矮小なる希望、この私が、無慈悲に打ち砕いてやろう」
ノクターンは、そう言うと、ゆっくりと玉座から立ち上がった。その体から、世界を覆い尽くさんばかりの、絶望的なまでの闇のオーラが放たれ始めた。
その時、俺の脳裏に、アウストラの言葉が蘇った。
『光の聖者ルクスは、陽光の頂に封印されています。ノクターンの闇の力が強大になるほど、その封印は不安定になるでしょう。もし、ルクス様を解放できれば、ノクターンに対抗できる唯一の希望となるかもしれません』
そして、アルドリスもまた、何かを思い出したように声を上げた。
「そうだ……! 土の聖者ガイア様も、今は力を回復されているはず! ガイア様の『大地の守り』があれば、この城の邪悪な波動を少しでも抑えられるかもしれない!」
「しかし、どうやって……? ここからでは、あまりにも遠すぎる……」
ザナックが、絶望的な表情を浮かべる。
「私が行きます」
アウストラが、静かに、しかし力強く言った。彼女は、いつの間にか俺たちの後を追い、この常闇の城まで来ていたのだ。おそらく、星詠みの力で、最悪の事態を予見していたのだろう。
「私の星詠みの力と、ガラン殿たちが開発した改良型の転移装置を使えば、短時間で陽光の頂と、ガイア様の聖域へ到達できるはずです。私が、必ずお二人を説得し、援軍としてお連れします。それまで……どうか、持ちこたえてください!」
「アウストラさん……!」
俺は、彼女の勇気と決意に胸を打たれた。
「フン、無駄な足掻きを。お前たちがどれだけ時間を稼ごうとも、この私を止めることなどできはしない」
ノクターンは、嘲るように言ったが、その瞳の奥には、ほんの一瞬だけ、警戒の色がよぎったように見えた。
「アウストラ、頼んだぞ!」
ガランの声が、どこからともなく響いてきた。彼もまた、エルネストと共に、この城の近くまで来て、俺たちを支援してくれていたのだ。
「ウルフルム、ルナ、ザナック、アルドリス! お前たちは、何としてもノクターンを食い止めろ! アウストラが戻るまで、絶対に諦めるな!」
「「「応!!」」」
俺たちは、力強く叫んだ。
アウストラは、俺たちに一礼すると、その姿を光の中へと消した。彼女は、最後の希望を繋ぐために、命がけの旅に出たのだ。
「さて、邪魔者もいなくなったことだし……始めようか、終末の宴を」
ノクターンは、そう言うと、その両手から無数の闇の触手を伸ばし、俺たちに襲いかかってきた。
俺たちは、四人で力を合わせ、ノクターンの猛攻に立ち向かう。
俺の剣は、聖邪のオーラを纏い、闇の触手を切り裂く。
ルナの聖なる光は、闇の力を浄化し、俺たちを守る。
ザナックの不屈の剣技は、ノクターンの防御をこじ開けようと、果敢に攻め立てる。
アルドリスの闇と光を調和させる力は、ノクターンの魔術の隙を突き、その動きを封じようとする。
しかし、闇の聖者ノクターンの力は、あまりにも強大だった。彼の闇は、まるで底なし沼のように、俺たちの力を吸い取り、そして絶望へと引きずり込もうとしてくる。
(くそっ……! アウストラさんが戻るまで、持ちこたえられるのか……!?)
俺の心に、焦りと不安がよぎる。
だが、その時、俺の胸元で、森の賢者から授かった精霊の護符が、温かい光を放った。そして、その光は、仲間たちの護符とも共鳴し、俺たちの心に、新たな勇気と力を与えてくれた。
「まだだ……! 俺たちは、絶対に諦めない!」
俺は、叫んだ。
光の聖者ルクス、そして土の聖者ガイア。
二人の聖者の力が、この絶望的な戦いに、どのような変化をもたらすのか。
そして、俺たちは、この絶対的な闇に打ち勝ち、世界に光を取り戻すことができるのだろうか――。
全ては、仲間との絆と、心の中に灯る希望の光にかかっていた。
そして、遠く離れた場所で、最後の希望を繋ごうと奮闘している、アウストラの勇気を信じて――。
俺たちの、本当の最後の戦いが、今、始まろうとしていた。
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