黒曜の誓い、竜を狩る者たち

ンヴ

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子供たちの純粋な信頼と、仲間たちの揺るぎない絆の力が、カイロスの精神攻撃を打ち破った。しかし、時の略奪者である彼の真の恐ろしさは、まだ始まったばかりだった。

「フン……小賢しい真似を……。だが、お前たちのその脆い絆も、絶対的な時間の力の前には無力だと教えてやろう!」
カイロスは、偽りの院長の姿を捨て、その本性を現した。それは、特定の形を持たない、まるで時空の歪みそのものが意思を持ったかのような、恐ろしくも美しい存在だった。その体からは、過去、現在、未来のあらゆる可能性が、無数の光の糸となって溢れ出している。

カイロスは、その光の糸を操り、俺たちの時間を個別に攻撃し始めた。
ザナックは、突如として過去のトラウマ――蛮族との戦いで仲間を失った瞬間――へと引き戻され、その絶望の中で動きを封じられてしまう。
アルドリスは、兄アルドレッドがまだ正しかった頃の、幸せだった日々の幻影を見せられ、戦う意志を失いかける。
リオとセナは、自分たちの未熟さ故に仲間を危険に晒してしまうという、未来の可能性を突きつけられ、恐怖に身動きが取れなくなる。
カイとリアラもまた、それぞれの過去の痛みや、未来への不安といった、時間の罠に囚われてしまった。

「くそっ……! これが、カイロスの本当の力か……!」
俺は、仲間たちが次々と時間の罠に囚われていくのを目の当たりにし、焦りを覚えた。俺自身も、過去の過ちや、未来への不安といった幻影が、絶えず頭の中をよぎり、集中力を削がれていく。

「ウルフルム、しっかりして!」
その時、ルナの清らかな声が響いた。彼女だけは、その純粋な魂と、調和のオーブの力によって、カイロスの時間の罠の影響を最小限に抑えられていた。
「みんな、過去や未来に囚われないで! 大切なのは、『今』この瞬間を、みんなで一緒に戦うことだよ!」

ルナの言葉は、まるで聖なる鐘の音のように、俺たちの心に響き渡った。そして、彼女の体から放たれる温かい光は、俺たちを時間の呪縛から少しずつ解き放っていく。

「そうだ……! 俺たちは、『今』を生きているんだ!」
ザナックが、過去の絶望を振り払い、再び剣を握りしめる。
「アルドリス! リオ! セナ! カイ! リアラ! 俺たちなら、どんな運命だって変えられるはずだ!」

仲間たちは、ルナの光とザナックの言葉に勇気づけられ、次々と時間の罠を打ち破っていく。

「おのれ……! なぜ、お前たちは時間に抗えるのだ……!?」
カイロスが、初めて本気の怒りを露わにした。

「それは、俺たちが、一人じゃないからだ!」
俺は、虹色に輝く魂の剣を構え、叫んだ。
「過去も、現在も、未来も、全て仲間たちとの絆で繋がっている! その絆の力こそが、お前の歪んだ時間を打ち破る!」

俺たちの魂が、再び一つになった。
ルナの聖なる光が、時間の流れを安定させ、
クロノスの時を操る力が、カイロスの攻撃の軌道を予測し、
アウストラの星詠みが、カイロスの力の源である「時の核」の場所を特定した。

「カイロスの力の源は、彼の胸の中心にある、歪んだ時の結晶だ! あれを破壊すれば……!」
アウストラが叫ぶ。

「よし! みんな、俺に続け!」
俺は、仲間たちと共に、カイロスに向かって最後の突撃を開始した。

カイロスは、無数の時間の断片を操り、過去の強敵たちの幻影や、未来の絶望的な光景を俺たちにぶつけてくる。それは、まさに時間と空間を超えた、壮絶な総力戦だった。
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