母娘淫乱調教―レモンティーな朝焼け―

山田さとし

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第三部 「レイプされる母」

第十二章3 二度目の訪問

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※※※※※※※※※※※※※※※

(あれからもう、十七年たっているのか・・・)

香奈子と初めて出会った時、圭子と同じく高校二年生であった。
当時、有名私立大学の院生だった晴彦は家庭教師のアルバイトで矢島家を訪れたのだ。

資産家の一人娘でお嬢様育ちの香奈子は当然、名門女子高に通っていた。
今、娘の圭子も同じ高校に在籍している。
厳格な父親の方針もあってか異性との交流は皆無と言ってよく、家庭教師にしても女性を指名した筈が手違いで男の晴彦が来てしまった。
父がそれを知ったのは既に何ヶ月か過ぎた後で、香奈子はすっかり晴彦に対してのぼせ上がっていたのだ。

甘いマスクと優しい教え方に、純真で無垢な少女が恋に落ちるのは避けられない事だったのだろう。
晴彦にしても類まれな美しさと静々とした可憐な仕草に一瞬にして心ひかれた。
三年生の終わり、大学に無事入学が決まった二人は親に内緒で旅に出た。
目的を達成した開放感に酔いしれた少女は晴彦に導かれるままヴァージンを捧げてしまう。
過ちというには余りにも清らかな想いだったのかもしれない。
香奈子は男に抱かれながら、まどろむように漂っていた。

手の平を見つめる度に、細い肩とその温もりを晴彦は今も感じる事が出来る。
それが、それだけが香奈子と自分を繋ぎ止める細い糸だと晴彦は思うのだった。

たった一度の思い出は圭子という愛の結晶を生んでしまう。
若い二人にとっては残酷な事実だった。
特に晴彦にとっては寝耳に水の事であった。
お坊ちゃん育ちの彼はまさに青春を満喫していた頃で、香奈子の他にもガールフレンドや女友達が沢山いたし、大学院生といっても勉強に打込むわけでもなく気楽なゼミで日々、マージャンや遊びに嵩じていたのだ。

香奈子の事は愛してはいたがステディの一人と割り切り、結婚の対象等とは考えてもみなかった。
誰もが羨むような美少女の香奈子を連れ歩き、友人達に自慢出来る程度の軽い気持ちだったのだ。

女等、いくらでもいる。
人生はまだまだこれからだと考える気楽な男は大学院を卒業して、就職してからも楽しい生活を続けるつもりでいたのだ。
だが、事態は一変した。
香奈子が事実を打ち明けたのは、新しい年が明けて間もなくの頃だった。

『私、生みます・・・』

凛とした表情に晴彦は圧倒された。
そこには17歳の少女の面影は無く、矢島家に累々と受け継がれた自信とプライドが現れていた。

『もしも・・晴彦さんが私をお嫁さんにしてくれるのなら・・・』

はにかむように見せた白い歯が一瞬、こぼれると無意識に言葉を出していた。

『も、勿論さ・・・』
少女の微笑みの影に逆らえない何かを感じたからだった。

『嬉しい・・・』

胸に顔を埋める少女の細い肩を抱いた時から晴彦の運命は決まった。
香奈子に請われるまま父親に会う事になった。

『ゆ、許さんっ・・・』
当然の事ながら香奈子の父は激怒した。

大きな怒鳴り声に晴彦はひるみ、首をすくめた。
元々、強い決心があった訳ではない。

結婚の許しを貰う挨拶をしているうち、何だか他人事のような気がしていた程なのだ。
このまま強制的に別れさせてくれればと、心の片隅にチラリと浮かんだりもした。
だが、晴彦に逃げる道など残されていなかった。

『私達、別れませんっ』
血管が浮き出る程興奮している父の顔から視線をはずす事も無く、香奈子は宣言した。

『もしも、許して頂けなければ家を出ます』

淡々と話す娘の口調に、父は並々ならぬ決意を感じたらしい。
長い沈黙の後、口を開いた。

『わかった・・許してやろう・・・』
その言葉に一番衝撃を受けたのは晴彦であった。

(ま、まさか・・・?)
こんなにあっさりと、結婚の許可がおりるとは考えてもいなかったのだ。

『それで・・・大学はどうするつもりだ?』
『行きません・・・家で・・家で子供を育てます』

『そうか・・じゃあ、晴彦君は私の会社に入社しろ』
『で、でも・・まだ卒業まで・・・』

『中退すればいいじゃないか、学部は出てるんだし・・・』

ギロリと睨み付けた。

『それとも何だ・・無収入で香奈子達を養うつもりだったのか?』

『い、いいえ・・・』

実は何も考えてはいなかった、とは言えない。

『じゃあ、私の会社にくるんだな?』
有無を言わせぬ口調だった。

『は、はい・・・』

(えぇっ・・な、何だよ・・・これ?)

いつの間にか、人生の、これからの晴彦の生活が一気に決められていこうとしている。

(フンッ・・・)
おろおろする婿の態度や表情に、香奈子の父は鼻を膨らませた。

(男のくせに情けない奴だ・・・)

『言っとくがな、娘の婿だからと言って甘やかしたりはしないからな』

(この際、徹底的に釘を刺しておかねばな・・・)

『いや、むしろ婿だからこそ私の後継者にふさわしい男になってもらわなくては駄目だ』

晴彦はオドオドした視線を香奈子に何度も投げていた。
だが少女は動じず、まるで母のように夫になる年上の男に薄い笑みを返していた。

(か、香奈子・・・)
それは男を完全に自分のものにした勝利の笑みのように晴彦は思えるのだった。

※※※※※※※※※※※※※※※

そして、17年の歳月が流れた。

(お、俺は・・・)
支配されている。

晴彦は常に意識していた。
矢島家に、そして妻である香奈子に。
香奈子は宣言通り、大学進学を諦め家事と育児に専念するようになった。

だが、そこは資産家の令嬢で父親と同居しながら雑用は家政婦達が全てやってくれた。
それでもマメに料理学校等に通い、晴彦の料理は自分で作るよう心がけていた。
同居といっても広い邸内に別棟を新築してもらい、独立した生活は出来たが、晴彦には休日も与えられず、ひたすら後継者としての帝王学を学ばされていたのだ。

クタクタに帰ってくる夫に常に微笑を絶やさず優しく接する妻に返って息苦しさを感じる晴彦にとって、家に憩いの場所はなかったのかもしれない。
2年前、心臓発作による突然の義父の死も彼を完全な自由にしてくれはしなかった。
伝統ある矢島家は依然と残り、守っていかなければならない。
早くから母を亡くしている香奈子は父の影響を知らず知らずの内に強く受けていたのか、その信念は夫を見る視線の中でも鋭く感じられていた。

『ご無理をなさらないでね・・・
今はあなたが矢島家の当主なんですから・・・』

夫を思いやる口調にも何かしらの圧迫感を受ける晴彦は無意識に妻の後ろに義父の影を感じていたのかもしれない。
妻に対する息苦しさは消える事無く、むしろ強くなる一方であった。
それでも「良い夫、良いパパ」を演じ続けなければならない晴彦であった。
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