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第一部 裕子の事情
第四章 裏の顔
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裕子入社3年目「特別秘書室」
20●0年2月20日 AM 11:00
※※※※※※※※※※※※※※※
一時間ほどだっただろうか。
早苗に言われるままに秘密のファイルを開き、読みふけっていた。
「な、なに・・こんな・・・?
す、すごい・・信じられない・・・」
裕子は驚嘆と共に愕然と文書を読んでいた。
早苗が簡潔にまとめた「引継ぎ業務」の内容は想像もつかないものだった。
現役の総理大臣との交友関係も含め、日本を覆すほどのスキャンダルな内容もある。
幸造の性的趣味も赤裸々に記載されていた。
次々と漁る女達との遍歴。
呆れるほどの絶倫さで、無数の女達がリストアップされている。
その中には有名女優の名前もあった。
裕子は吐き気をもようすほどの衝撃と興奮で文字を追っていた。
これから「専属秘書」として仕える男のスケールの大きい「悪どさ」に眩暈がする思いだった。
「どう・・・少しは理解できたかしら?」
一通りのレクチャーが終わって早苗が言った。
「もちろん、こんな短時間で秋元グループの
裏の全貌が把握できるはずもないわ・・・
今日から一ヶ月、みっちりと教育してあげる。
この会社を本当に支えるためのスキルを
貴方に引き継がせてあげるわ・・・」
早苗の細い指が頬を優しく撫でる。
裕子は固い表情のまま聞いていた。
「あ、あのぉ・・・」
戸惑いに言葉が途切れてしまう。
「わ、私が・・・
ひ、秘書って・・実は・・・?」
「ふふふ・・・」
裕子の怯えた眼差しをくすぐったく感じて早苗は微笑んだ。
「ようやく、理解したのね・・・」
耳元で囁いている。
甘い香水の匂いと共に、今から聞かされようとする事実に身体が熱くなっていくのを感じていた。
「単なる秘書だと思っていたのでしょう?
それも社長のセクハラ用の・・・」
「そ、それは・・・」
裕子の喉が上下した。
「やっぱり・・そうか・・・」
早苗は満足そうに頷いた。
「私から説明しろってことね・・・
専務もズルいわねぇ・・・」
「えっ・・・?」
悟のことを言われて裕子は声を出してしまった。
「実は専務からの推薦なのよ・・・」
反応の一つ一つがワクワクして早苗は楽しかった。
「特別秘書室って、
社長の趣味もあるけど本当は凄い部署なのよ・・・
貴方は裏から会社を支えるチーフになるの」
早苗から信じられない言葉を聞きながら、裕子は自分の運命が大きく転換する瞬間を噛みしめていた。
「う、裏から・・・?」
それを確かめたくて声を出した。
その時。
ガチャリと、社長室のドアが開いた。
「あっ・・・」
裕子と目を合わせた秘書の姿をした女は、小さく声を漏らした。
乱れた衣服を気にしながら、秘書室脇のロッカー室の扉に飛び込むように消えていった。
一瞬にして状況を把握した裕子は頬を染めた。
その瞬間、インターホンが音を鳴らした。
「はい・・・」
素早く受話器をとった早苗の耳元で、アクの強い関西弁が響いた。
「コーヒー、たのむわ・・・」
皺がれた声は裕子の耳にも届いた。
「かしこまりました・・・」
静かに受話器を置くと、早苗が優しく言った。
「伊藤さん、社長室にコーヒーをお持ちして・・・」
含むような笑みに裕子は言い知れぬ不安を抱くのであった。
20●0年2月20日 AM 11:00
※※※※※※※※※※※※※※※
一時間ほどだっただろうか。
早苗に言われるままに秘密のファイルを開き、読みふけっていた。
「な、なに・・こんな・・・?
す、すごい・・信じられない・・・」
裕子は驚嘆と共に愕然と文書を読んでいた。
早苗が簡潔にまとめた「引継ぎ業務」の内容は想像もつかないものだった。
現役の総理大臣との交友関係も含め、日本を覆すほどのスキャンダルな内容もある。
幸造の性的趣味も赤裸々に記載されていた。
次々と漁る女達との遍歴。
呆れるほどの絶倫さで、無数の女達がリストアップされている。
その中には有名女優の名前もあった。
裕子は吐き気をもようすほどの衝撃と興奮で文字を追っていた。
これから「専属秘書」として仕える男のスケールの大きい「悪どさ」に眩暈がする思いだった。
「どう・・・少しは理解できたかしら?」
一通りのレクチャーが終わって早苗が言った。
「もちろん、こんな短時間で秋元グループの
裏の全貌が把握できるはずもないわ・・・
今日から一ヶ月、みっちりと教育してあげる。
この会社を本当に支えるためのスキルを
貴方に引き継がせてあげるわ・・・」
早苗の細い指が頬を優しく撫でる。
裕子は固い表情のまま聞いていた。
「あ、あのぉ・・・」
戸惑いに言葉が途切れてしまう。
「わ、私が・・・
ひ、秘書って・・実は・・・?」
「ふふふ・・・」
裕子の怯えた眼差しをくすぐったく感じて早苗は微笑んだ。
「ようやく、理解したのね・・・」
耳元で囁いている。
甘い香水の匂いと共に、今から聞かされようとする事実に身体が熱くなっていくのを感じていた。
「単なる秘書だと思っていたのでしょう?
それも社長のセクハラ用の・・・」
「そ、それは・・・」
裕子の喉が上下した。
「やっぱり・・そうか・・・」
早苗は満足そうに頷いた。
「私から説明しろってことね・・・
専務もズルいわねぇ・・・」
「えっ・・・?」
悟のことを言われて裕子は声を出してしまった。
「実は専務からの推薦なのよ・・・」
反応の一つ一つがワクワクして早苗は楽しかった。
「特別秘書室って、
社長の趣味もあるけど本当は凄い部署なのよ・・・
貴方は裏から会社を支えるチーフになるの」
早苗から信じられない言葉を聞きながら、裕子は自分の運命が大きく転換する瞬間を噛みしめていた。
「う、裏から・・・?」
それを確かめたくて声を出した。
その時。
ガチャリと、社長室のドアが開いた。
「あっ・・・」
裕子と目を合わせた秘書の姿をした女は、小さく声を漏らした。
乱れた衣服を気にしながら、秘書室脇のロッカー室の扉に飛び込むように消えていった。
一瞬にして状況を把握した裕子は頬を染めた。
その瞬間、インターホンが音を鳴らした。
「はい・・・」
素早く受話器をとった早苗の耳元で、アクの強い関西弁が響いた。
「コーヒー、たのむわ・・・」
皺がれた声は裕子の耳にも届いた。
「かしこまりました・・・」
静かに受話器を置くと、早苗が優しく言った。
「伊藤さん、社長室にコーヒーをお持ちして・・・」
含むような笑みに裕子は言い知れぬ不安を抱くのであった。
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