エリート妻色情飼育―性奴隷は人妻にかぎる―

山田さとし

文字の大きさ
15 / 124
第二部 企み

第十四章 恋

しおりを挟む
雑踏の流れが一斉に交差点を飛出していく。
色とりどりの服を着た人々が見える。

それらを眺めるのが何故か新鮮に思えて、春香は嬉しそうにため息をついた。

春香は幸せであった。
井上との恋も順調に育っている。

「待ったかい・・・?」
「ううん・・・」

息を切らせて走り寄る甘いマスクの男に、はにかむようにして答える女を道ゆく人が振りかえっていく。
ドラマに出てくるような美男美女であった。

とりわけ春香の美貌は街の雑踏の中でも際立っていたので、井上はこうして肩を並べて歩くだけでも幸せであった。
井上は理系出身という事もあり、女性とは余り縁がなかった。

殆ど経験も無く、尊敬する悟にタマに連れられる風俗の店ぐらいしか知らなかった。
それも春香と出会ってからは一度も行っていない。
付き合いの悪い奴と専務にからかわれようと、春香に対する強い想いがあったのだ。

春香も幸造が予想した通り、恋愛経験が殆ど無かった。
元々内気な性格は母親譲りで、厳しく躾られたせいもあるが無理にする恋愛よりは勉強や稽古の方が性に合っていた。

しかし初めて会った時から、井上の朴訥で優しい人柄に惹かれていた春香は週末に重ねるデートを心から楽しんでいた。
映画を観て食事をするという今時の若者にしては固過ぎる位であったが、かえって二人にとっては新鮮に感じて嬉しかった。

それに二人を紹介した手前、気を使う社長や専務が何かと便宜を図ってくれる。

「いいよ・・行ってこいよ、井上・・・」
新しいプロジェクトで忙しい時期にも、悟はデートの日は残業もさせずに早く退社させてくれた。

しかも悟達が接待で使う高級料亭やレストランを予約してもくれるのだ。
支払いをする時も、既に社長の幸造から連絡が入っていて済ませてあるという。

「ええんや、
あの子は大事な取引先の娘やさかいな」

恐縮して礼を言う井上に気さくな笑顔を零す社長に、井上は胸をジンとさせるのであった。

そんな二人であるから、互いに相手を労わり大切に恋を育んでいった。
楽しい時間はアッという間に過ぎ去り、三ヶ月を数える頃には街中を腕組みながら寄り添うまでなっていた。

見つめ合う瞳は言葉が無くても互いの想いを伝えていた。
コクンと頷く春香の艶やかな黒髪の香りを、愛おしそうに抱き寄せる井上であった。

※※※※※※※※※※※※※※※

眉を潜め苦しそうな春香の表情も、男にとっては嬉しい証であった。

帰り際に恥かしそうにシーツを気にする恋人を、井上は強く抱きしめて永遠の愛を誓うのであった。

そして愛する男からのプロポーズの言葉を、幸せそうに噛締める天使がいた。

※※※※※※※※※※※※※※※

「僕達、結婚します・・・」

晴れ晴れしく言う井上の隣で、頬を染めている春香が立っていた。

「ほうか・・良かったのぉー・・・」

幸造が嬉しそうに顔をクシャクシャにしている。
悟も普段する冷たい表情を崩して聞いていた。

「おめでとう、佐山さん・・・」
裕子の祝福の言葉に春香は目を潤ませた。

幸造と悟の計画は慎重に、そして着々と罠を広げていくのであった。


第二部 企み (完)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...