18 / 124
第三部 凌辱
第十六章 ティータイム
しおりを挟む
春香も最近になってようやく慣れてきた職場で、今日は羽を伸ばせそうな気がしていた。
午後三時に近くなる頃、役員の旅費精算が一段落した裕子は軽く伸びをしながら言った。
※※※※※※※※※※※※※※※
「うーん・・・やっと終わったわ。
ねえ、佐山さん、お茶にしない・・・?」
「うわぁ・・嬉しいっ・・・」
二人はイソイソと給湯室から食器を運び、美味しそうなお菓子を並べてお茶の用意をした。
普段は社長に会いに来た社員や来客が使うソファーを占領して、女達はささやかな紅茶パーティーを開くのだった。
春香が入社して暫らくして慣れてきた頃に、裕子から提案された楽しいひと時は恒例の時間として数ヶ月、続いていた。
「あぁ、ラヴェンダーの良い匂い・・・」
春香は何時も裕子が入れてくれる、この紅茶の香りが大好きであった。
「特別の店から買ってるの、高いのよ・・・」
イタズラな瞳で言う裕子であったが、確かに美味しかった。
入れ方も上手なのだろうが飲んだ後は何か身体が火照る位、元気になるような気がするのであった。
まあ、それは女になったばかりである春香の身体の変化が、そう思わせる事なのかもしれなかったが。
井上に処女を捧げてプロポーズされて以来、春香の心も身体も急に大人びて微妙な艶が出てきた気がする。
今まで経験の無かった春香は、耳年増の如く雑誌で仕入れた情報を無邪気に裕子などに話していたのだが、実際に体験してみると恥かしさに顔が真赤になってしまうのであった。
戸惑うように答えてくれていた裕子に、今更ながら申し訳なく思う春香だった。
それに・・・。
この頃、妙に身体が疼くのであった。
何だか胸も大きくなったような気がする。
さすがにあの日以来、二人は清い関係を保っていたのだが。
社長直々の紹介とあって、井上も余りがっついたマネはしなかった。
多分、専務の悟のアドバイスかもしれない。
よく相談すると自分でも言っていたのだ。
まさか処女を捧げた事までは言っていないだろうが、結婚の日取りも今年秋と決めた今、ゆっくりと愛を育てていきたいと言う井上の言葉が春香には嬉しかった。
全てを捧げあった二人の心は以前よりも増して深く結びつき、時折交わすキスの味も数段違うものになっていた。
それでも春香は戸惑う。
夜眠れない時など、いやこの頃は毎晩のように身体が火照ってしようがないのだ。
初めて知った男の味がそうさせるのだろうか。
世間から見るとオクテなのだろう。
遅い体験はかえって、春香の心と身体に強い官能の火をともしたのであった。
痛さよりも気持ち良さの記憶が占めていた。
はしたないと思いつつも、井上の身体を強く抱きしめて感じてしまったのである。
処女であったのに。
夜寝るときも今までした事の無いイタズラを、息を殺してするようになってしまった。
微かに目に映った井上の反り返ったものが、春香の脳裏に焼き付いている。
初めてのセックスで昇ってしまった。
自分は淫乱な体質なのだろうか。
雑誌等で読むと大半の女性は、処女喪失の時にはエクスタシーを感じないらしい。
戸惑いながらも一度知ってしまった快感は春香を凌駕し、快楽を貪っていくのだった。
ラヴェンダーの香りが春香を包む。
妖しい感情がわき上がってくる。
その気持ちを悟られぬよう笑う春香だった。
お喋りは女達の偉大な趣味である。
楽しい時は瞬く間に過ぎていく。
「あら、もうこんな時間・・・」
裕子が腕時計を見ると三時半を少し廻っていた。
いくら暇とはいえ、これ以上のサボリは社長の留守を預かる秘書としては失格である。
二人は急いで片付けにかかった。
食器を給湯室に運びながら、春香は頭が痺れる感覚がしていた。
一日中、暇過ぎて身体がだるくなってしまったのだろうか。
やたらと喉が乾いてくる。
春香はティーポットに残っていた、冷めた紅茶をカップに注ぐと一気に飲干した。
ラヴェンダーの香りが鼻をくすぐる。
今日は特に強く感じた。
午後三時に近くなる頃、役員の旅費精算が一段落した裕子は軽く伸びをしながら言った。
※※※※※※※※※※※※※※※
「うーん・・・やっと終わったわ。
ねえ、佐山さん、お茶にしない・・・?」
「うわぁ・・嬉しいっ・・・」
二人はイソイソと給湯室から食器を運び、美味しそうなお菓子を並べてお茶の用意をした。
普段は社長に会いに来た社員や来客が使うソファーを占領して、女達はささやかな紅茶パーティーを開くのだった。
春香が入社して暫らくして慣れてきた頃に、裕子から提案された楽しいひと時は恒例の時間として数ヶ月、続いていた。
「あぁ、ラヴェンダーの良い匂い・・・」
春香は何時も裕子が入れてくれる、この紅茶の香りが大好きであった。
「特別の店から買ってるの、高いのよ・・・」
イタズラな瞳で言う裕子であったが、確かに美味しかった。
入れ方も上手なのだろうが飲んだ後は何か身体が火照る位、元気になるような気がするのであった。
まあ、それは女になったばかりである春香の身体の変化が、そう思わせる事なのかもしれなかったが。
井上に処女を捧げてプロポーズされて以来、春香の心も身体も急に大人びて微妙な艶が出てきた気がする。
今まで経験の無かった春香は、耳年増の如く雑誌で仕入れた情報を無邪気に裕子などに話していたのだが、実際に体験してみると恥かしさに顔が真赤になってしまうのであった。
戸惑うように答えてくれていた裕子に、今更ながら申し訳なく思う春香だった。
それに・・・。
この頃、妙に身体が疼くのであった。
何だか胸も大きくなったような気がする。
さすがにあの日以来、二人は清い関係を保っていたのだが。
社長直々の紹介とあって、井上も余りがっついたマネはしなかった。
多分、専務の悟のアドバイスかもしれない。
よく相談すると自分でも言っていたのだ。
まさか処女を捧げた事までは言っていないだろうが、結婚の日取りも今年秋と決めた今、ゆっくりと愛を育てていきたいと言う井上の言葉が春香には嬉しかった。
全てを捧げあった二人の心は以前よりも増して深く結びつき、時折交わすキスの味も数段違うものになっていた。
それでも春香は戸惑う。
夜眠れない時など、いやこの頃は毎晩のように身体が火照ってしようがないのだ。
初めて知った男の味がそうさせるのだろうか。
世間から見るとオクテなのだろう。
遅い体験はかえって、春香の心と身体に強い官能の火をともしたのであった。
痛さよりも気持ち良さの記憶が占めていた。
はしたないと思いつつも、井上の身体を強く抱きしめて感じてしまったのである。
処女であったのに。
夜寝るときも今までした事の無いイタズラを、息を殺してするようになってしまった。
微かに目に映った井上の反り返ったものが、春香の脳裏に焼き付いている。
初めてのセックスで昇ってしまった。
自分は淫乱な体質なのだろうか。
雑誌等で読むと大半の女性は、処女喪失の時にはエクスタシーを感じないらしい。
戸惑いながらも一度知ってしまった快感は春香を凌駕し、快楽を貪っていくのだった。
ラヴェンダーの香りが春香を包む。
妖しい感情がわき上がってくる。
その気持ちを悟られぬよう笑う春香だった。
お喋りは女達の偉大な趣味である。
楽しい時は瞬く間に過ぎていく。
「あら、もうこんな時間・・・」
裕子が腕時計を見ると三時半を少し廻っていた。
いくら暇とはいえ、これ以上のサボリは社長の留守を預かる秘書としては失格である。
二人は急いで片付けにかかった。
食器を給湯室に運びながら、春香は頭が痺れる感覚がしていた。
一日中、暇過ぎて身体がだるくなってしまったのだろうか。
やたらと喉が乾いてくる。
春香はティーポットに残っていた、冷めた紅茶をカップに注ぐと一気に飲干した。
ラヴェンダーの香りが鼻をくすぐる。
今日は特に強く感じた。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる