43 / 80
第二部「上書き」
第六章2 再会
※※※※※※※※※※※※※※※
すぐに連絡を取り、週末の今日、藤本さんのお宅に訪問したというわけだ。
開業医ということで、クリニックの隣に建つ家はまさに豪邸だった。
広いリビングは吹き抜けていて、二階の寝室のドアがいくつか見える。
庭も広く、緑の芝生が太陽に照らされ、大きな木々の影がユラユラと揺れている。
テラスにはテーブルが配置され、お茶の用意がされていた。
「さっ・・どうぞ、楽にしてください・・・」
進められるままに気持ちの良い空間で熱いコーヒーをいただいた。
「おいしい・・・」
映見が思わず声を出すほど、新鮮で酸味のきいたコーヒーに、僕も満足そうに喉を潤した。
良い豆を使っているのだろう。
「うれしいわ・・・喜んでくれて」
かおりさんが白い歯をこぼす。
「旦那様が朝から張り切って焙煎してたんですものね?」
いたずらな目で視線を投げると藤本さんが顔を赤くした。
「そ、そりゃあ・・・
若槻さん達が折角、来てくれるんだから・・・」
「フフッ・・・」
かおりさんが僕を意味ありげに見た後、映見に向かった。
「映見さんが・・・でしょ?」
「そ、そんな・・・」
藤本さんの顔がみるみる赤くなり隠すようにうつむいた。
「だってぇ・・・」
追い打ちをかけるように、声を弾ませる。
「あれから・・凄かったんだからぁ・・・」
キラキラした瞳を僕に戻し、みつめてくる。
「わたしとぉ・・しながら・・・ね?」
「ウッ・・ゴホォ・・・」
飲みかけのコーヒーにむせた藤本さんが、咳込んでいる。
それに構わず楽しむ口調で続ける。
「映見さん、凄いっ・・映見さんって・・・」
「ウゥッ・・ゴホッ・・・」
僕も同じくせき込んでしまうほど妖しい声だった。
「フィニッシュに近づくとね・・・映見っ・・映見って・・・」
「ウゥンッ・・ウンッ・・・」
藤本さんが大きく咳払いして止める。
「き、君だって・・・」
そして反撃の、のろしをあげた。
「裕君っ・・・あなたっ・・裕君って・・・」
今度はかおりさんの顔が赤くなった。
一瞬の沈黙の後、二人は顔を見合わせ、笑いだした。
「ハッハッハハハ・・・」
「フフッ・・ホホホ・・・」
僕が何も言えずに口をゆがませていると、映見がチラリとこちらを見た。
顔が真っ赤になっている。
そして、クスっと笑った。
「ヘヘヘヘッ・・・」
頭をかきながら、僕も笑い出した。
それをきっかけに四人の笑い声が庭にしばらく響いていた。
楽しいお茶のシーンが続いていく。
「実は、僕達もなんです・・・」
映見の顔を伺いながら、オズオズと切り出す。
「あの日から、ずっと・・・その・・思い出しながら・・・」
「ゆっ・・裕君・・・」
映見が僕のシャツを引っ張る。
「あら、だめよぉ・・・ねっ・・それから・・・?」
かおりさんが催促するのを藤本さんも嬉しそうに聞いている。
「僕が、かおりさんっ・・かおりさんって・・・」
少し、卑猥なポーズで。
「映見も・・藤本さんっ・・・」
「だ、だめぇー・・・」
慌てて手の平で僕の口をふさぐ妻が泣きそうな顔になっている。
「そ、その辺でやめましょう・・映見さんが困ってらっしゃるから・・・」
藤本さんが優しい口調でフォローするのを、横目で眺めるかおりさんは嬉しそうだ。
「じゃあ・・私は夕食の用意をするわ・・・」
立ち上がる声に、映見が反射的に言った。
「わ、私も手伝いますっ・・・」
この場にいる恥ずかしさから逃げるように。
「嬉しいっ・・・二人だと、料理も楽しくなるわ」
かおりさんは映見の手をとると、家の中に入っていった。
「やれやれ・・・」
藤本さんが、あきれた声を出した。
僕も笑みを返しながら言った。
「素敵な人ですね・・・明るくて・・そして、美しい・・・」
「そんなに、良かったかい・・・?」
ニヤニヤした顔で聞く。
「そ、そりゃ・・って、藤本さんだって・・・」
「最高だよ、映見さんは・・・」
僕の言葉を遮るように、素早く答えた。
「ウブで素直で・・恥じらいがある・・・」
感慨深げに言う表情が本当に嬉しそうで少し、嫉妬した。
この人に映見、僕の妻は開発されたのだから。
二人に会うまでは純情というかカタブツだった妻が、あれほど激しく燃えるなんて。
大きく声をだしながら絶頂感を味わっていた。
しかし、それは僕も同じだ。
かおりさんの絶妙なテクニックと、映見が犯されるシーンを見ながら凄く、興奮したんだ。
あれほどの快感は味わったことがなかった。
だから今日、二人と再会することに胸が異常に高鳴っていたのさ。
「じゃあ、改めてよろしくお願いいたします」
差し出す手を、奇妙な一体感を抱きながら強く握り返した。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
僕の返事に藤本さんが白い歯をこぼした。
涼しい風が吹き込み、木々の影が揺れていた。
すぐに連絡を取り、週末の今日、藤本さんのお宅に訪問したというわけだ。
開業医ということで、クリニックの隣に建つ家はまさに豪邸だった。
広いリビングは吹き抜けていて、二階の寝室のドアがいくつか見える。
庭も広く、緑の芝生が太陽に照らされ、大きな木々の影がユラユラと揺れている。
テラスにはテーブルが配置され、お茶の用意がされていた。
「さっ・・どうぞ、楽にしてください・・・」
進められるままに気持ちの良い空間で熱いコーヒーをいただいた。
「おいしい・・・」
映見が思わず声を出すほど、新鮮で酸味のきいたコーヒーに、僕も満足そうに喉を潤した。
良い豆を使っているのだろう。
「うれしいわ・・・喜んでくれて」
かおりさんが白い歯をこぼす。
「旦那様が朝から張り切って焙煎してたんですものね?」
いたずらな目で視線を投げると藤本さんが顔を赤くした。
「そ、そりゃあ・・・
若槻さん達が折角、来てくれるんだから・・・」
「フフッ・・・」
かおりさんが僕を意味ありげに見た後、映見に向かった。
「映見さんが・・・でしょ?」
「そ、そんな・・・」
藤本さんの顔がみるみる赤くなり隠すようにうつむいた。
「だってぇ・・・」
追い打ちをかけるように、声を弾ませる。
「あれから・・凄かったんだからぁ・・・」
キラキラした瞳を僕に戻し、みつめてくる。
「わたしとぉ・・しながら・・・ね?」
「ウッ・・ゴホォ・・・」
飲みかけのコーヒーにむせた藤本さんが、咳込んでいる。
それに構わず楽しむ口調で続ける。
「映見さん、凄いっ・・映見さんって・・・」
「ウゥッ・・ゴホッ・・・」
僕も同じくせき込んでしまうほど妖しい声だった。
「フィニッシュに近づくとね・・・映見っ・・映見って・・・」
「ウゥンッ・・ウンッ・・・」
藤本さんが大きく咳払いして止める。
「き、君だって・・・」
そして反撃の、のろしをあげた。
「裕君っ・・・あなたっ・・裕君って・・・」
今度はかおりさんの顔が赤くなった。
一瞬の沈黙の後、二人は顔を見合わせ、笑いだした。
「ハッハッハハハ・・・」
「フフッ・・ホホホ・・・」
僕が何も言えずに口をゆがませていると、映見がチラリとこちらを見た。
顔が真っ赤になっている。
そして、クスっと笑った。
「ヘヘヘヘッ・・・」
頭をかきながら、僕も笑い出した。
それをきっかけに四人の笑い声が庭にしばらく響いていた。
楽しいお茶のシーンが続いていく。
「実は、僕達もなんです・・・」
映見の顔を伺いながら、オズオズと切り出す。
「あの日から、ずっと・・・その・・思い出しながら・・・」
「ゆっ・・裕君・・・」
映見が僕のシャツを引っ張る。
「あら、だめよぉ・・・ねっ・・それから・・・?」
かおりさんが催促するのを藤本さんも嬉しそうに聞いている。
「僕が、かおりさんっ・・かおりさんって・・・」
少し、卑猥なポーズで。
「映見も・・藤本さんっ・・・」
「だ、だめぇー・・・」
慌てて手の平で僕の口をふさぐ妻が泣きそうな顔になっている。
「そ、その辺でやめましょう・・映見さんが困ってらっしゃるから・・・」
藤本さんが優しい口調でフォローするのを、横目で眺めるかおりさんは嬉しそうだ。
「じゃあ・・私は夕食の用意をするわ・・・」
立ち上がる声に、映見が反射的に言った。
「わ、私も手伝いますっ・・・」
この場にいる恥ずかしさから逃げるように。
「嬉しいっ・・・二人だと、料理も楽しくなるわ」
かおりさんは映見の手をとると、家の中に入っていった。
「やれやれ・・・」
藤本さんが、あきれた声を出した。
僕も笑みを返しながら言った。
「素敵な人ですね・・・明るくて・・そして、美しい・・・」
「そんなに、良かったかい・・・?」
ニヤニヤした顔で聞く。
「そ、そりゃ・・って、藤本さんだって・・・」
「最高だよ、映見さんは・・・」
僕の言葉を遮るように、素早く答えた。
「ウブで素直で・・恥じらいがある・・・」
感慨深げに言う表情が本当に嬉しそうで少し、嫉妬した。
この人に映見、僕の妻は開発されたのだから。
二人に会うまでは純情というかカタブツだった妻が、あれほど激しく燃えるなんて。
大きく声をだしながら絶頂感を味わっていた。
しかし、それは僕も同じだ。
かおりさんの絶妙なテクニックと、映見が犯されるシーンを見ながら凄く、興奮したんだ。
あれほどの快感は味わったことがなかった。
だから今日、二人と再会することに胸が異常に高鳴っていたのさ。
「じゃあ、改めてよろしくお願いいたします」
差し出す手を、奇妙な一体感を抱きながら強く握り返した。
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
僕の返事に藤本さんが白い歯をこぼした。
涼しい風が吹き込み、木々の影が揺れていた。
あなたにおすすめの小説
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。