母子（おやこ）スワッピング －ママ（母さん）を愛しすぎて－

第七部 解禁

第四章 礼子の想い2

（正さん・・・）
向けられた眼差しにドキッとした。

いつも通りの大人びた表情は、何もかも知っていると告げているように思える。
甘えん坊の守ちゃんと正反対のクールな彼は、会うたびに私の胸をざわめかせる。

それは端正な顔立ちのせいだけではない。
私と守ちゃんの「秘密」を知っているから。
私と秋穂さんが悩みを打ち明け合ったように、息子達も同じく「秘密」を共有しているに違いない。

守ちゃんと私が今夜、結ばれることも。
当然、それは正さんと秋穂さんも同じなのだけど。
秋穂さんと決めた「解禁日」は今夜。
ピルを飲み始めて一か月。
通常なら一週間程度で良いのだけど、確実にリスクを避けるために一か月にしたのだ。

高校生の息子の種を宿すなど。
私はともかく、守ちゃんの将来が破滅してしまう。
かと言って、走り出した欲情を止めることは不可能だと思った。
幼い頃から愛情を注いでいた息子から告白された瞬間、私の中で全てが弾けてしまったのだから。

守ちゃんが大人に成長するまで彼のはけ口になれば良いと、気持ちを割り切ることにした。
「息子の所有物」として私の人生を捧げるのだ。

（まもるちゃん・・・）
正さんと笑い合う息子を呼んだ。

心の中の呟きは届かないだろうけど。
想いをこめて見つめるのでした。