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1話 パーティーメンバー
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「では、これで手続き終了となります」
受付のお姉さんの流れるような美声を聞き、私はカウンターの下の手をそっと握った。
これでやっと私も冒険者になったんだ...!
「今からダンジョンに向かうことも可能ですが、どういたしますか?初めてですし、誰かとパーティーを組むのがおすすめですよ」
「あっ、じゃあそうします。ありがとうございました!」
一礼すると、お姉さんは端正な顔に微笑みを浮かべて会釈してくれた。
冒険者登録受付、そしてダンジョンの入り口が近いこの「ホーム」は普段なら冒険者や商人の憩いの場として賑わっているはずだが、なぜか今日はあまり人がいない。
ここでパーティーを組んでくれる人を探そうと思っていたので少し落胆しながら、近くの女の人に声をかけた。
「あの~......わ、私とパーティー組んでくれませんか?」
手にした端末を眺めていた背の低い女の人は、私が声をかけると露骨に渋面を作った。
「ごめんね~、待ち合わせがあって」
この人は私がホームに入ってきた時から同じ体勢だったことを思い出したがそっと心にしまい、そうですかと笑ってその場を離れる。
それと同じことが二回繰り返された。
二度あることは三度あるとは言うけど、さすがにちょっとこれは心が傷つく。
次の人で最後にしようと思って、椅子に座ってつまらなさそうにモニターを眺める同い年くらいの男の子に話しかけた。
「すみません、私とパーティー組んでもらえませんか......?一度でいいのでお願いします!」
黒髪赤目の少年は、うさぎ特集をやっている番組を見ていた。
まるで私が見えていないかのような完璧な無視。
「あ、あの.........ごめんなさい、やっぱりダメですよね............」
そう言って気まずい空気を誤魔化し、さっさと離れようとすると、そこで初めてその人が声を発した。
同時にどこまでも深い赤色と目が合い、私は目を伏せた。どこまでも見透かされそうだと感じたからかもしれない。
「え?.........なんて?」
「私とパーティーを組んでいただけないでしょうか?」
次に断られたら、そうですよねと謝ってもうほかの場所でパーティーメンバーを探そう。
しかし予想とは逆に、その少年はあっさりと頷いた。
「いいよ」
「そうですよね......って、え?いいんですか.........?」
「うん、ちょうど暇だったし」
「ほんとですか?!ありがとうございます!」
嬉しくて無理やり握手すると、その華奢な少年は苦笑を零した。
受付のお姉さんの流れるような美声を聞き、私はカウンターの下の手をそっと握った。
これでやっと私も冒険者になったんだ...!
「今からダンジョンに向かうことも可能ですが、どういたしますか?初めてですし、誰かとパーティーを組むのがおすすめですよ」
「あっ、じゃあそうします。ありがとうございました!」
一礼すると、お姉さんは端正な顔に微笑みを浮かべて会釈してくれた。
冒険者登録受付、そしてダンジョンの入り口が近いこの「ホーム」は普段なら冒険者や商人の憩いの場として賑わっているはずだが、なぜか今日はあまり人がいない。
ここでパーティーを組んでくれる人を探そうと思っていたので少し落胆しながら、近くの女の人に声をかけた。
「あの~......わ、私とパーティー組んでくれませんか?」
手にした端末を眺めていた背の低い女の人は、私が声をかけると露骨に渋面を作った。
「ごめんね~、待ち合わせがあって」
この人は私がホームに入ってきた時から同じ体勢だったことを思い出したがそっと心にしまい、そうですかと笑ってその場を離れる。
それと同じことが二回繰り返された。
二度あることは三度あるとは言うけど、さすがにちょっとこれは心が傷つく。
次の人で最後にしようと思って、椅子に座ってつまらなさそうにモニターを眺める同い年くらいの男の子に話しかけた。
「すみません、私とパーティー組んでもらえませんか......?一度でいいのでお願いします!」
黒髪赤目の少年は、うさぎ特集をやっている番組を見ていた。
まるで私が見えていないかのような完璧な無視。
「あ、あの.........ごめんなさい、やっぱりダメですよね............」
そう言って気まずい空気を誤魔化し、さっさと離れようとすると、そこで初めてその人が声を発した。
同時にどこまでも深い赤色と目が合い、私は目を伏せた。どこまでも見透かされそうだと感じたからかもしれない。
「え?.........なんて?」
「私とパーティーを組んでいただけないでしょうか?」
次に断られたら、そうですよねと謝ってもうほかの場所でパーティーメンバーを探そう。
しかし予想とは逆に、その少年はあっさりと頷いた。
「いいよ」
「そうですよね......って、え?いいんですか.........?」
「うん、ちょうど暇だったし」
「ほんとですか?!ありがとうございます!」
嬉しくて無理やり握手すると、その華奢な少年は苦笑を零した。
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