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6話 夜
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薄暗い店内を、ランプの小さな明かりが暖かく照らしていた。
路地の奥、入り組んだ細い道の奥にちょこんとある古いお店は、思ったよりも賑わっていた。
「おっ、きたきた。これが絶品なんだよ!」
そう言うフユキさんの笑顔にはあどけなさが残っている。
意外と年齢は近いかもしれないな、と思いながら、私は運ばれてきた謎の料理に目を移した。
............茶色い。純粋な茶色じゃなくて、色んな色が混じったみたいな茶色。見た目に関してはあまりコメントしたくない。
「えっ............こ、これは......?」
「この店の名物、店長の気まぐれパスタ~。これ、まじで外れないんだ」
「今日のは茶色いね」
「きっとうまいよ、多分」
気まぐれパスタ。フレンチとかのメニューに出てきそうだ。まさかこのお店はフレンチなのかと辺りを見回すが、他のお客さんはオシャレなパンなんて食べていない。そりゃあこの外観だしフレンチだったら意外すぎるか。
私は緩慢な動きでフォークとスプーンを手に取った。
「いただきま~す............」
茶色いものとパスタの麺_____これは黄色かった______を混ぜる。ふわ、と香ったのは何かのお肉だろうか。湯気が出ていて美味しそうだ。目を瞑れば。
意を決してパスタを口に入れると、全然変な味じゃなかった。むしろ美味しい。色は茶色だが、トマトが入っているのかかなりさっぱりしている。
見た目とは違い過ぎる味に目を瞬かせていると、ロゼさんが言った。
「どうかな。美味しい?」
「美味しいです......すごいですね、なんでこれ茶色いんですか?」
「う~んわからない.........」
歯切れ悪くそう応えるロゼさんも同じものを頼んでいて、でも美味しいねと口元を緩めた。
異常に食べ終わるのが早かったフユキさんの片手剣の話を聞いていると、夜もあっという間に更けていった。
***
「送るよ、ハル」
「大丈夫ですよ、うちすぐそこなので」
一人暮らしを始めた私の家は実際にここから歩いて10分くらいの距離だ。すぐ着くと思って断ったが、ロゼさんは危ないからと言って送ってくれた。親切な人だ。
「フユキさんとはいつからお知り合いなんですか?」
「そうだなぁ......だいたい6年ぐらいになるかな。そうだ、初めて会ったのはダンジョンだったよ」
「そうなんですね。どうやって仲良くなったんですか?ダンジョンで出会って」
「最初は僕が声をかけたんだ。フユキ、1人だったから。......それより、なんでハルはフユキと知り合ったの?」
「この前初めてダンジョン潜ろうと思って、それでパーティーメンバーを探してたんですけど、そのときに声をかけたんです。あの時はまさか剣を教えてくれるなんて思ってなかったなあ」
暗くて、ロゼさんの顔がよく見えない。
「そうなんだね。フユキはああ見えて人見知りだからびっくりしたよ」
「え、そうなんですか?知らなかった!」
「うん、だから最初は素っ気なかった」
「今は仲良しですよね~」
「............そうだね、今はね」
そんな話をしていると、すぐに家に着いてしまった。
少しだけ名残惜しさを感じながら振り返ると、ロゼさんが小さく手を振っているのがシルエットで分かった。きっと、こうやって友達とご飯を食べるのが初めてだから寂しく感じるんだろうな。
星のない夜は、いつもより少しだけ暖かかった。
路地の奥、入り組んだ細い道の奥にちょこんとある古いお店は、思ったよりも賑わっていた。
「おっ、きたきた。これが絶品なんだよ!」
そう言うフユキさんの笑顔にはあどけなさが残っている。
意外と年齢は近いかもしれないな、と思いながら、私は運ばれてきた謎の料理に目を移した。
............茶色い。純粋な茶色じゃなくて、色んな色が混じったみたいな茶色。見た目に関してはあまりコメントしたくない。
「えっ............こ、これは......?」
「この店の名物、店長の気まぐれパスタ~。これ、まじで外れないんだ」
「今日のは茶色いね」
「きっとうまいよ、多分」
気まぐれパスタ。フレンチとかのメニューに出てきそうだ。まさかこのお店はフレンチなのかと辺りを見回すが、他のお客さんはオシャレなパンなんて食べていない。そりゃあこの外観だしフレンチだったら意外すぎるか。
私は緩慢な動きでフォークとスプーンを手に取った。
「いただきま~す............」
茶色いものとパスタの麺_____これは黄色かった______を混ぜる。ふわ、と香ったのは何かのお肉だろうか。湯気が出ていて美味しそうだ。目を瞑れば。
意を決してパスタを口に入れると、全然変な味じゃなかった。むしろ美味しい。色は茶色だが、トマトが入っているのかかなりさっぱりしている。
見た目とは違い過ぎる味に目を瞬かせていると、ロゼさんが言った。
「どうかな。美味しい?」
「美味しいです......すごいですね、なんでこれ茶色いんですか?」
「う~んわからない.........」
歯切れ悪くそう応えるロゼさんも同じものを頼んでいて、でも美味しいねと口元を緩めた。
異常に食べ終わるのが早かったフユキさんの片手剣の話を聞いていると、夜もあっという間に更けていった。
***
「送るよ、ハル」
「大丈夫ですよ、うちすぐそこなので」
一人暮らしを始めた私の家は実際にここから歩いて10分くらいの距離だ。すぐ着くと思って断ったが、ロゼさんは危ないからと言って送ってくれた。親切な人だ。
「フユキさんとはいつからお知り合いなんですか?」
「そうだなぁ......だいたい6年ぐらいになるかな。そうだ、初めて会ったのはダンジョンだったよ」
「そうなんですね。どうやって仲良くなったんですか?ダンジョンで出会って」
「最初は僕が声をかけたんだ。フユキ、1人だったから。......それより、なんでハルはフユキと知り合ったの?」
「この前初めてダンジョン潜ろうと思って、それでパーティーメンバーを探してたんですけど、そのときに声をかけたんです。あの時はまさか剣を教えてくれるなんて思ってなかったなあ」
暗くて、ロゼさんの顔がよく見えない。
「そうなんだね。フユキはああ見えて人見知りだからびっくりしたよ」
「え、そうなんですか?知らなかった!」
「うん、だから最初は素っ気なかった」
「今は仲良しですよね~」
「............そうだね、今はね」
そんな話をしていると、すぐに家に着いてしまった。
少しだけ名残惜しさを感じながら振り返ると、ロゼさんが小さく手を振っているのがシルエットで分かった。きっと、こうやって友達とご飯を食べるのが初めてだから寂しく感じるんだろうな。
星のない夜は、いつもより少しだけ暖かかった。
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