【完結】クズ夫を嫉妬させる役のモブ王子が激甘でした ※ただし彼には本命の愛人がいます

星森 永羽(ほしもりとわ)

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アロエは最強です

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 夜の船室。波の音が静かに響く中、ディルはベッドに仰向けになり、低く言った。

「おい、いつもの」

 私はため息をつきながら、彼の顔に身を寄せ、そっと唇を重ねた。

「……舌も入れろ」

 一昨日はビビって逃げたくせに。  
 そう思いながらも、私は彼の望みに応じた。

 その時だった。  
 甲板の方から、何かが倒れる音、そして足音がバタバタと響いてきた。

 ディルが舌打ちし、ベッドから起き上がる。

「お前は、ここから出るな」

 剣を抜き、部屋を出ていく。  
 扉の向こうで怒鳴り声が飛び交い、しばらくして音が止んだ。

 けれど、彼は戻ってこなかった。

 不安になって甲板に出ると、ディルが怪我をして仲間に介抱されていた。  
 私は思わず駆け寄る。

「……部屋にいろと言ったのに」

「アロエはないの?」

「アロエ?」
 海賊たちが顔を見合わせる。

「この辺でも採れるはずよ。火傷や傷に効くの。葉を割って中のジェルを使うの」

「村の長老に聞けばわかるだろう」

 海賊の1人が言うと、もう1人が目を吊り上げた。

「毒じゃねーだろーな」

「私の経営してるエステ店でも、美容液として売ってるわ! 嘘だと思うなら調べてみなさい!」

「なっ……お頭に気に入られたからって……!」

「やめろ。長老に草の場所を聞け」

 ディルの一言で、場が静まった。



 翌日、離島にアロエがあるとわかり、数人の子分が取りに向かった。  
 昼過ぎ、彼らは無事にアロエを持ち帰ってきた。

 私は葉を裂き、透明なジェルを取り出してディルの傷に塗り、丁寧に包帯を巻いた。

 彼はじっとしていたが、なぜか頬が赤い。

 ──こんな時に何でデレデレしてるの、この人。

 私は呆れながらも、少しだけ笑ってしまった。  



 夜の帳が降り、寝室には静寂が満ちていた。ベッドの上、重なるようにして横たわる2人の間には、微かな熱と緊張が漂っていた。
 彼の襟足だけ長い髪が、首筋にかかるのが妙に色気を帯びていた。

「今夜は、いつものはしなくていい。その代わり、マティアスの話をしろ」

「マティアス?!」

 思わず跳ね起きそうになったが、ディルの逞しい腕がそれを制した。

「心臓を捧げて、お前を射止めたと聞いた」

「あー……あれは……ティエルがセフィナと二股かけてたから、マティアスが『自分は、そんなことしない』っていう証明で言ったの」

「前提がおかしい」

「え?」

「相手に夢中なら、他の女の名前は出て来ないはずだ。ティエルの、それは愛でなく利用だ」

 返す言葉が見つからなかった。天井を睨むディルの視線は鋭く、けれどどこか寂しげで、真実だけを見つめていた。

「お前は、不偏な想いが欲しいのか?変わらない心など、この世に存在しない」

「私は……1人でいい。人生で愛する人は、1人でいい。だから、裏切らないで欲しい」

「それは、お前の我が儘だ。
 離れて行って欲しくないなら、常に相手にとって魅力的であるべきだ。
 努力したくないなら、努力しなくていい相手を探すしかない」

「なっ……」

 絶句すると、ディルは微かに笑った。

「保証が欲しいなら、誓ってやる。俺は、お前を一生愛し続けると約束はしない。けれど、自分のできる範囲で守り続ける」

「……まるで、ちょっとズレたプロポーズですね」

「お前が結婚という形式に拘るなら、してもいい。俺は一応、侯爵子息ということになっている。三男だから社交界に出る必要もない。謎の人物だ」

 皮肉げに笑った彼に、同情心が沸いた。

「私には、あなたを愛し続ける自信がない。だから、結婚もできません」

「俺は、そんな約束求めてない」

 ディルはベッドの上で上体を起こし、金の瞳で私を見つめた。浅黒い肌に浮かぶ影が、夜の光に溶けていく。

「ただ、お前が見えない場所にいると胸がざわつくし、他の男の近くにいるとイライラする。
 だから……自分の不快指数を減らしたいだけだ」

 それは、まるで愛の告白のようで、そうではないようでもあった。

「それは……」

 好きなんだ。そう言われた気がして、私はそっと唇を重ねた。彼の体温が、夜の冷たさを溶かしていく。

「……今日は、しなくていいと言っただろ。それを、されると……」

「?」

「早く寝ろ。お前は体に悪い」

 ディルは目をそらし、けれどその耳はほんのり赤く染まっていた。

 


 朝。潮の香りとともに、宿の食堂には海賊たちの声が響いていた。

「女将さん、アロエ凄い効きやした!」
「俺も俺も!」
「お頭は、どうですか?」

 ディルは無言で頷いた。浅黒い肌に巻かれた包帯の下、痛みは確かに引いていた。

「そうですよね!」
「初めは、なに言ってんだって思ったけど」
「聞いたら、オナモミ国では昔から有名な草だそうです」
「女将さん、物知りですね!」

 手のひら返しの速さに、思わず笑いそうになる。そんなに言うなら──

 ミートソース、作っちゃおうかな?

 でも、トマトがない。時期も違うし、そもそもこの国ではメジャーじゃない。
 ああ、トマトソースの瓶詰め、売れるかもしれない。少なくともケチャップがあれば、挽き肉と玉ねぎとコク──ビネガーとか──それにスープか、パスタのゆで汁があれば、すぐ作れるのに。

 アレクに言ってみよう。
 でも、アレク……どこにいるんだろう?

「ぶつぶつうるさいぞ」

 低く響いた声に、私はびくりと肩を跳ねさせた。ディルが無造作に黒髪をかき上げながら、金の瞳でこちらを見ていた。

 ……えっ、今の、声に出てた?

「仲間を探したいなら、俺と結婚してからだ」

 唐突すぎて、思考が止まる。

「えっ……?」

 なんで? 私が逃げると思ってるの?

「仲間は探したいけど……まず、生きてることを友人に伝えたいの。もちろん『ここにいる』なんて言わないから」

 フォレスたちが生きていれば、アルセイン国に戻っているはず。商業ギルドを通じて、ヴァネッサに伝えてもらえれば……。
 サンクワットに行ったとき、手紙を出したかったけど、まだディルと出会って3日だったから言えなかった。怒らせたら困ると思って。

「俺が治るまで、船は出さん」

「無理して欲しいわけじゃないです」

 私がそう返すと、海賊たちが声をあげた。

「お頭がこんな怪我したの、初めてだぜ」
「そうそう、いつも慎重なのにな」
「すんげー強いやついて、止まらんかったんよ」
「あいつ、無茶苦茶強かったな。あんな海賊いたら、有名になるはずなのに……?」
「お頭が止めてくれなかったら、マジでヤバかったって」

 私は胸がざわつくのを感じながら、そっと尋ねた。

「……その人、髪が、深緑かオレンジじゃなかった?」

「えー、赤だったような」
「夜だったから、ハッキリは見てないけど」

 海賊達が首を捻る。
 トーレンかもしれない。

「20歳くらいだった?」

「若かったな」

 がっしりした男が答えると、私は息を呑んだ。

「……トーレンかも。私の護衛で、嵐に巻き込まれて……」

 海賊になってるの? 信じられない。でも、生きてたなら、それでいい。
 私は天を仰ぎ、深く息を吐いた。

「はぁ……生きてたなら、何でもいいか」

「そいつが仲間になってくれたら、最高だな」
「引き抜きに行こうぜ」
「お頭、どうです?」

 子分達の意見にディルは、しばらく黙っていたが、やがて低く呟いた。

「……俺の前で、俺より親しくすれば斬るぞ?」

 私は思わず吹き出しそうになりながら、笑顔で言った。

「いいの? ありがとう!」

 その言葉を合図に、海賊たちは一斉に動き出した。トーレンを探すための偵察船が、静かに港を離れていく。潮風が帆を膨らませ、希望のように船を押し出していった。


 台所には、私の鼻歌が響く。窓から差し込む光が、木の床にやわらかく広がっていた。鍋の中では鶏肉がじゅうじゅうと音を立て、バターと玉ねぎの香りが部屋を満たしていく。

 木べらをくるくる回しながら、私は軽くステップを踏んだ。料理は得意じゃないけど、最近は少しずつ慣れてきた。ホワイトシチューなら、失敗しにくいし、ディルも食べてくれる。

 そんなとき、背後から抱き締められた。

「……何で邪魔するの」

 振り返ると、ディル。包帯はまだ取れていないのに、ふらふら歩き回るなんて。

「ふん」

 そっぽを向いて、腕を組む。

「ひねくれてるなー。はい」

 私は炒めた鶏肉をひと切れ、木べらですくって彼の口元に差し出した。ディルは黒い眉をひそめながらも、ぱくりと食べる。

「……味がない」

「ホワイトシチューにするの。それは下味しかついてないの」

「ふん。うまいのか」

「まずかったら食べなくていい」

 ちょっとムッとして言い返すと、ディルは不意に私を見つめた。

「怒るな。お前が俺以外の男のこと考えてるから、腹が立ったんだ。ちゃんと言ったろ、イライラするって」

 ……はあ。ほんと、めんどくさい。

 私はため息をついて、彼の顔を覗き込んだ。ジャンプして、唇を重ねる。
 彼との身長差は25センチ近くあるので、跳ばないと届かない。
 一瞬、ディルの体がびくりと固まったけど、すぐに目尻を下げて、何も言わなくなった。

 ……単純だなあ。扱いやすくて、助かるけど。



 昼食の時間。私はテーブルにシチューを運び、ディルの前に座った。白い湯気が立ちのぼり、クリームの香りがふわりと広がる。

「はい、あーん」

 スプーンを差し出すと、ディルは少し照れたように目をそらしながら、口を開けた。

「……うん。今までより味がする」

 やっぱり、味覚障害は精神的なものだったのかもしれない。少し安心して、私は微笑んだ。

「それは良かった。
 ねえ、食べ終わったら、イキリのところに行っていいかしら?」

「前に会ったろ」

「散歩の途中に声かけただけでしょ」

「ふん。俺と一緒に行くなら、許してやる」

「安静にしてた方がいいよ」

「うるさい」

 そう言いながらも、ディルはスプーンを口に運び続けていた。ふくれっ面のままでも、どこか嬉しそうに。



 小屋の扉を開けると、乾いた木の匂いと、ほんのりとした煙の香りが鼻をくすぐった。中には、見慣れた赤い縮れ髪の背中があった。

「イキリ!」

 私が声をかけると、イキリがぱっと振り返る。そばかすの浮かぶ浅黒い頬が、ぱっと明るくなった。

「フリージア! と……」

 私の後ろに立つディルを見て、イキリの声が少しだけ引き締まる。
 ディルはというと、無言でそっぽを向いていた。まるで「俺は来たくて来たんじゃない」とでも言いたげに。

 イキリがそっと私に近づき、小声で囁いた。

「大丈夫なのかい?」

「何だかんだ、うまくやってるよ」

 私が笑って答えると、イキリは赤い目を丸くして、ぽつりと呟いた。

「……とんでもない女だ」

「はい、これ。お裾分け」

 私は包みを差し出した。イキリが受け取って、首をかしげる。

「なんだい、これ?」

「調味料と香辛料。ディルに買ってもらったの」

「ええっ?!」

 イキリが目を見開いて叫ぶ。私はくすっと笑って、もう1つの包みを取り出した。

「使い方は、ノートに書いたから。これも一緒に」

 ノートを手渡すと、イキリは驚いたようにページをめくった。

「紙とインクも自由に使えんのか?」

「そうだけど……」

「やっぱあんた、とんでもないわ。ありがとよ。ディルも」

 ディルは腕を組んだまま、冷たい声で言った。

「お前に名を呼ぶことは許してない」

「すいませんね、お頭」

 イキリが肩をすくめる。私はそのやりとりに苦笑しながら、ふと思い出して尋ねた。

「そうそう、刺繍してる?」

「ああ、冬はすることないんよ」

「ねえ、今度船を出したらイキリの刺繍、売りに行ってもいいかしら?」

 私の言葉に、ディルが鼻で笑った。

「刺繍? 売れるわけないだろ。村から出たこともないくせに」

 私はイキリと顔を見合わせて、思わず吹き出した。イキリも肩を震わせて笑っている。

「……なんだよ。俺に隠し事するな」

 むくれたように言うディルに、イキリが奥から布を取り出してきた。丁寧に畳まれたそれを広げると、繊細な糸で描かれた模様が現れた。

「これを、お前が……? どうやって、こんな細かいものを」

 ディルが金の目を見開いて、布に手を伸ばす。

「フリージアに貰った針で、フリージアのスケッチを縫ったんだい」

「……なるほど。いいだろう。どのくらい売れるか、見物だ」

「ありがとう!」

 私は思わずディルに飛びついた。彼の胸に顔を埋めると、彼の体が一瞬こわばってから、おずおずと腕が私の背中に回された。

 ……やっぱり、単純でかわいい。


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