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僕のすきなもの
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書いてやる、書いてやる、書いてやる! 僕は帰るなりまた机にかじりついて執筆に打ち込んだ。
これが、あの人にとって面白いかどうかなんて知らない。世界中の誰が見てもクソつまんない作品なのかもしれない。
でも、書きたいと思った。どうしてもこれを書きたくなった。
だから書いてやる。だって僕はあの人の弟子だ。
プロテア先生の弟子なんだ!
「ただいま。文一は?」
「また部屋で書いてる」
「また? 昨日書き終わったって言ってたじゃないか」
「それが、久しぶりに月見さんのところにお邪魔して戻って来たと思ったら、すぐにまた部屋にこもっちゃって。何か酷いことでも言われたのかしら……」
「あの人がそんなこと言うかな? おっとりしてるのに」
「わかってないわね。ああいう人ほど意外と毒舌だったりするのよ」
「ふむ……少し様子を見てみるか」
部屋の戸が開いた。前は鍵をかけてたんだけど、最近は忘れがち。中を覗き込んだ父さんに問いかける。
「なに?」
「ああいや、何をしてるのかなと」
「小説を書いてる」
「また書き直してるのか?」
「新しいやつ」
「ほう?」
そうか、そうかと言って父さんは戸を閉めた。なんだったんだろう?
「どうだった?」
「心配いらないんじゃないか? なんかすごく燃えてるみたいだぞ」
「それならいいけど……いや、良くないか。来年受験なのに小説ばかり書いて、どうする気なのかしらね、あの子。せめて勉強だけでもしてくれれば……」
「うん……まあ、もう少しだけやらせてみよう。せっかくやる気を出してるんだし」
「……そうね」
父さんと母さんが何か話してる。でも、部屋にいるとほとんど聞き取れない。
どうせまた僕をどうやって学校に行かせようか相談してるんだろう。
冗談じゃない。今そんなことをしている暇は無いんだ。
僕は書く。書いて完成させてやる。
あの人が言ったように、僕が書きたいものを、書きたいように書きまくってやるんだ。
それがあんたの望みなんだろ、プロテア先生!
これが、あの人にとって面白いかどうかなんて知らない。世界中の誰が見てもクソつまんない作品なのかもしれない。
でも、書きたいと思った。どうしてもこれを書きたくなった。
だから書いてやる。だって僕はあの人の弟子だ。
プロテア先生の弟子なんだ!
「ただいま。文一は?」
「また部屋で書いてる」
「また? 昨日書き終わったって言ってたじゃないか」
「それが、久しぶりに月見さんのところにお邪魔して戻って来たと思ったら、すぐにまた部屋にこもっちゃって。何か酷いことでも言われたのかしら……」
「あの人がそんなこと言うかな? おっとりしてるのに」
「わかってないわね。ああいう人ほど意外と毒舌だったりするのよ」
「ふむ……少し様子を見てみるか」
部屋の戸が開いた。前は鍵をかけてたんだけど、最近は忘れがち。中を覗き込んだ父さんに問いかける。
「なに?」
「ああいや、何をしてるのかなと」
「小説を書いてる」
「また書き直してるのか?」
「新しいやつ」
「ほう?」
そうか、そうかと言って父さんは戸を閉めた。なんだったんだろう?
「どうだった?」
「心配いらないんじゃないか? なんかすごく燃えてるみたいだぞ」
「それならいいけど……いや、良くないか。来年受験なのに小説ばかり書いて、どうする気なのかしらね、あの子。せめて勉強だけでもしてくれれば……」
「うん……まあ、もう少しだけやらせてみよう。せっかくやる気を出してるんだし」
「……そうね」
父さんと母さんが何か話してる。でも、部屋にいるとほとんど聞き取れない。
どうせまた僕をどうやって学校に行かせようか相談してるんだろう。
冗談じゃない。今そんなことをしている暇は無いんだ。
僕は書く。書いて完成させてやる。
あの人が言ったように、僕が書きたいものを、書きたいように書きまくってやるんだ。
それがあんたの望みなんだろ、プロテア先生!
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