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中学生編
大塚家vs夏休み(1)
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「あゆゆ!」
「あゆゆだ!」
「友美ちゃん! 友樹くん!」
空港のロビーで待っていると二人が私を見つけてダッと走り出した。ああっ、走っちゃダメ! 転ぶ!
焦ったものの無事私のところまで辿り着いてくれる。腕を広げて迎え入れたら、まずは友美ちゃんが、ちょっと遅れて友樹くんが飛び込んで来た。
「あはは、二人とも大き……くっ! なっ、た……ね……っ!」
「無理に同時に抱き上げるでない」
流石にいっぺんにだっこするのは無茶だった。父さんが友美ちゃんだけひょいと腕の中から持っていく。
「おじちゃん、久しぶり」
「うむ、久しいな」
「ゴールデンウィークにも会ったから二ヶ月ちょいじゃないの」
呆れ顔で追いついてくる美樹ねえ。相変わらずの魔女ファッション。でも常に威風堂々としているから周りもそういうものだと思ってしまうような、妙な説得力がある。
「友樹くん、飛行機どうだった?」
「こわかった」
正直者だね君は。
「離陸直前になって降りる降りるって泣き出すもんだから流石に焦ったわ」
「友樹にはまだ早かったかなあ」
苦笑する友也さん。いつもは車で来るんだけど、世界中あちこち飛び回ってる二人の話を聞いた友美ちゃんが飛行機に乗ってみたいと言い出したそうで、それで今回だけ空港でお出迎えというわけ。
「泣いちゃった?」
「うん」
「でも、友美がだっこしてたら泣かなかったよ」
父さんの腕の上から手を伸ばし、弟をよしよしと撫でる友美ちゃん。へえ、それだけで泣き止むなんて流石だなあ。
「友樹くんは相変わらず、お姉ちゃん大好きなんだね」
「うん」
こくんと頷く。あーもう、可愛いなあ三歳児。
めいっぱいぎゅーってしたい衝動と戦っていると美樹ねえに提案された。
「歩美ちゃん、前から思ってたんだけど友美も友樹も呼び捨てでいいわよ。従姉なんだし、その方がらしいじゃない」
「え、そう? じゃあ、えっと……友樹って呼んでいい?」
「いいよ」
「友美も?」
「いいよー」
「じゃあ、これからはそう呼ぶね。美樹ねえも私のこと呼び捨てでいいよ」
「おお」
自分もちゃん付けで呼んでいたという事実に、今さら気が付いたように驚く美樹ねえ。
友也さんは……ん~、流石に呼び捨てはしにくいな。美樹ねえの旦那さんだし美樹ねえは普段「友くん」て呼んでるから……。
「友にい」
「へ? 僕?」
「うん、それでいい?」
「あっ、うん、もちろん。でも、いきなり言われてびっくりしたよ」
「ぬうっ」
なんで羨ましそうなのさ、父さん。
我が家の車に全員乗り込み出発進行。
「相変わらず走ってる間は静かな車ね」
「うちも電気にしようか?」
「たしかに悪くないけど、今の車に不満があるわけじゃないし普通に買い換え時を待った方が性能も上がってるんじゃない?」
「それもそうだね」
後部座席で話し合う美樹ねえと友にい。車かあ……私もいつかは、そんな高い買い物をするようになるのかな?
「あゆゆ、しりとりしよ」
しばらくして退屈になった友美ちゃ……友美に提案される。いいよーと答えるとすぐに始まった。
「くるま。次、友樹ね」
あ、二人でやるわけじゃないんだ。
「ママ」
「回答と次の回答者の指定を兼ねるとは、我が息子ながらやるわね。マイク」
言いながら何も持ってない手でエアマイクを友にいに向ける美樹ねえ。友にいは開いているのかいないのかわからない目で友樹を見つつ苦笑する。
「多分そんなつもりはないでしょ」
「いいから」
「え~と、じゃあ栗」
「りね、兄さんは……運転中だから除外。麻由美ちゃん」
「りんご」
「はい、歩美」
「なんで美樹ねえが仕切ってんの……」
順番が来るまでえらく時間がかかったな。それじゃあ、ご、ご……。
「ゴリラ」
「ラーメン食べたい」
待って友美、それずるくない? ラーメンなら終わってたのに。
「腹が減ったのか?」
父さんが問いかけると友美は「へった!」と元気良く答える。
「たしかにお昼時だし、家に帰る前にどこかで食べてかない?」
「そうだな、ちょうど近くに美味いラーメン屋がある。寄ってみるか」
分岐で市街地の方へハンドルを切る父さん。直後、友樹が発言した。
「いるか」
あ、しりとりは続くんだ。
「なんか懐かしい味ね」
まずスープを一口飲んで首を傾げる美樹ねえ。
父さんが種明かしする。
「親父とお袋がいなくなった後、たまに二人で近所のラーメン屋へ行っただろう。ここの店主は、あの店で修行していたらしい」
「あー、なるほど」
なるほど、父さんと美樹ねえの思い出の味なわけか。まだまだ私の知らないことがあるんだな。
「これってさ」
あの屋台の味にも似てない? 言いかけてスープと一緒に言葉も飲み込む。たまに散歩と夜食を兼ねて連れ出してもらっていることは秘密だった。
今度はママがきょとんとする。
「なに?」
「お、美味しいけどすっごく熱々だね。鶏の油が浮いてるから? 友美、大丈夫? 食べられる?」
「だいじょーぶ」
「友樹は? ふーふーしてあげようか?」
「ふーふーして」
「よーし、じゃあ、ふーふー」
「ありがと」
お礼を言ってから友にいに取り分けてもらったラーメンをちゅるちゅる啜る友樹。また、にへーっと笑って眺めていると、友樹は急に椅子の上で立ち上がった。
「あぶないよ」
「ふーっ、ふーっ」
さっきのお返しだろうか、テーブルの上に両手をついて、私の丼に息を吹きかける友樹。しばし呆然とした後、美樹ねえに問いかける。
「美樹ねえ」
「何?」
「友樹、ちょうだい」
「駄目」
「馬鹿なことを言っとらんで早く食え」
私を叱った父さんは早くも完食済み。隣に座った友美の世話を焼き始めている。普段はそんな早食いじゃないよね?
「すっかり遅くなっちゃったわね」
苦笑しながら玄関の鍵を開けるママ。昼に空港で合流したのに、家に着いたらもう夕方だった。あっちこっち立ち寄り過ぎたかな。
「夏休みだし、いいんじゃない?」
美樹ねえの博物館での仕事がお盆の頃に忙しくなりそうだとかで、今年は早目に休みを取って帰省した。これから一週間は一緒に遊べる。
「うむ、たっぷり時間はある。せいぜい羽を伸ばしていくがよい」
「そうさせてもらいます」
友にいも普段、美樹ねえに引っ張り回されて色々忙しいらしい。その上、育児や家事にも参加してるって話だもんね。おつかれさまです。
「友美、友樹、今日はこれからどうしようか?」
「夜更かしは駄目よ~」
「そっか、二人とも九時には寝るんだっけ。じゃあ、えっと、これから晩ご飯の支度だし食べたらかるたでもする?」
「する!」
「いいけど友美、あゆゆと会ったらしたいことがあるんじゃなかった?」
「ん、何かな?」
首を傾げると、友美は自分のおきがえが入ってるカバンを開けて色んなおもちゃを取り出してきた。あれ? これって全部──
「あゆゆとお風呂で遊ぶ!」
「ともきも!」
お姉ちゃんがやることは友樹もやりたいらしい。
可愛いイトコ達とお風呂……疲れた体にまたエネルギーが湧き上がって来る。
「よし、それじゃあまず、お風呂を洗おう!」
「友美もやる!」
「ともきも!」
「ぬうっ、今日は歩美に譲るとするか」
「あなた、なんなら一緒に入ったらどうです?」
「流石に中学生の娘と風呂に入ったりはせん」
「なら妹と入る?」
「妙な冗談はやめよ」
と、嘆息してから父さんは友にいを一瞥する。
「……友也よ」
「は、はい?」
「二人で銭湯にでも行くか?」
「あ、いいですね」
なるほど、あっちはあっちで義兄弟としての付き合いがあるらしい。私も負けてらんないな。
「へえ、なら麻由美ちゃん、私達は子供達と一緒に入りましょ」
「あら楽しそう」
「おのれ」
やっぱり悔しがる父さん。
うちの風呂 いくらなんでも 狭くない?
「いっそみんなで銭湯にするのは……」
「それもいいな」
「あゆゆだ!」
「友美ちゃん! 友樹くん!」
空港のロビーで待っていると二人が私を見つけてダッと走り出した。ああっ、走っちゃダメ! 転ぶ!
焦ったものの無事私のところまで辿り着いてくれる。腕を広げて迎え入れたら、まずは友美ちゃんが、ちょっと遅れて友樹くんが飛び込んで来た。
「あはは、二人とも大き……くっ! なっ、た……ね……っ!」
「無理に同時に抱き上げるでない」
流石にいっぺんにだっこするのは無茶だった。父さんが友美ちゃんだけひょいと腕の中から持っていく。
「おじちゃん、久しぶり」
「うむ、久しいな」
「ゴールデンウィークにも会ったから二ヶ月ちょいじゃないの」
呆れ顔で追いついてくる美樹ねえ。相変わらずの魔女ファッション。でも常に威風堂々としているから周りもそういうものだと思ってしまうような、妙な説得力がある。
「友樹くん、飛行機どうだった?」
「こわかった」
正直者だね君は。
「離陸直前になって降りる降りるって泣き出すもんだから流石に焦ったわ」
「友樹にはまだ早かったかなあ」
苦笑する友也さん。いつもは車で来るんだけど、世界中あちこち飛び回ってる二人の話を聞いた友美ちゃんが飛行機に乗ってみたいと言い出したそうで、それで今回だけ空港でお出迎えというわけ。
「泣いちゃった?」
「うん」
「でも、友美がだっこしてたら泣かなかったよ」
父さんの腕の上から手を伸ばし、弟をよしよしと撫でる友美ちゃん。へえ、それだけで泣き止むなんて流石だなあ。
「友樹くんは相変わらず、お姉ちゃん大好きなんだね」
「うん」
こくんと頷く。あーもう、可愛いなあ三歳児。
めいっぱいぎゅーってしたい衝動と戦っていると美樹ねえに提案された。
「歩美ちゃん、前から思ってたんだけど友美も友樹も呼び捨てでいいわよ。従姉なんだし、その方がらしいじゃない」
「え、そう? じゃあ、えっと……友樹って呼んでいい?」
「いいよ」
「友美も?」
「いいよー」
「じゃあ、これからはそう呼ぶね。美樹ねえも私のこと呼び捨てでいいよ」
「おお」
自分もちゃん付けで呼んでいたという事実に、今さら気が付いたように驚く美樹ねえ。
友也さんは……ん~、流石に呼び捨てはしにくいな。美樹ねえの旦那さんだし美樹ねえは普段「友くん」て呼んでるから……。
「友にい」
「へ? 僕?」
「うん、それでいい?」
「あっ、うん、もちろん。でも、いきなり言われてびっくりしたよ」
「ぬうっ」
なんで羨ましそうなのさ、父さん。
我が家の車に全員乗り込み出発進行。
「相変わらず走ってる間は静かな車ね」
「うちも電気にしようか?」
「たしかに悪くないけど、今の車に不満があるわけじゃないし普通に買い換え時を待った方が性能も上がってるんじゃない?」
「それもそうだね」
後部座席で話し合う美樹ねえと友にい。車かあ……私もいつかは、そんな高い買い物をするようになるのかな?
「あゆゆ、しりとりしよ」
しばらくして退屈になった友美ちゃ……友美に提案される。いいよーと答えるとすぐに始まった。
「くるま。次、友樹ね」
あ、二人でやるわけじゃないんだ。
「ママ」
「回答と次の回答者の指定を兼ねるとは、我が息子ながらやるわね。マイク」
言いながら何も持ってない手でエアマイクを友にいに向ける美樹ねえ。友にいは開いているのかいないのかわからない目で友樹を見つつ苦笑する。
「多分そんなつもりはないでしょ」
「いいから」
「え~と、じゃあ栗」
「りね、兄さんは……運転中だから除外。麻由美ちゃん」
「りんご」
「はい、歩美」
「なんで美樹ねえが仕切ってんの……」
順番が来るまでえらく時間がかかったな。それじゃあ、ご、ご……。
「ゴリラ」
「ラーメン食べたい」
待って友美、それずるくない? ラーメンなら終わってたのに。
「腹が減ったのか?」
父さんが問いかけると友美は「へった!」と元気良く答える。
「たしかにお昼時だし、家に帰る前にどこかで食べてかない?」
「そうだな、ちょうど近くに美味いラーメン屋がある。寄ってみるか」
分岐で市街地の方へハンドルを切る父さん。直後、友樹が発言した。
「いるか」
あ、しりとりは続くんだ。
「なんか懐かしい味ね」
まずスープを一口飲んで首を傾げる美樹ねえ。
父さんが種明かしする。
「親父とお袋がいなくなった後、たまに二人で近所のラーメン屋へ行っただろう。ここの店主は、あの店で修行していたらしい」
「あー、なるほど」
なるほど、父さんと美樹ねえの思い出の味なわけか。まだまだ私の知らないことがあるんだな。
「これってさ」
あの屋台の味にも似てない? 言いかけてスープと一緒に言葉も飲み込む。たまに散歩と夜食を兼ねて連れ出してもらっていることは秘密だった。
今度はママがきょとんとする。
「なに?」
「お、美味しいけどすっごく熱々だね。鶏の油が浮いてるから? 友美、大丈夫? 食べられる?」
「だいじょーぶ」
「友樹は? ふーふーしてあげようか?」
「ふーふーして」
「よーし、じゃあ、ふーふー」
「ありがと」
お礼を言ってから友にいに取り分けてもらったラーメンをちゅるちゅる啜る友樹。また、にへーっと笑って眺めていると、友樹は急に椅子の上で立ち上がった。
「あぶないよ」
「ふーっ、ふーっ」
さっきのお返しだろうか、テーブルの上に両手をついて、私の丼に息を吹きかける友樹。しばし呆然とした後、美樹ねえに問いかける。
「美樹ねえ」
「何?」
「友樹、ちょうだい」
「駄目」
「馬鹿なことを言っとらんで早く食え」
私を叱った父さんは早くも完食済み。隣に座った友美の世話を焼き始めている。普段はそんな早食いじゃないよね?
「すっかり遅くなっちゃったわね」
苦笑しながら玄関の鍵を開けるママ。昼に空港で合流したのに、家に着いたらもう夕方だった。あっちこっち立ち寄り過ぎたかな。
「夏休みだし、いいんじゃない?」
美樹ねえの博物館での仕事がお盆の頃に忙しくなりそうだとかで、今年は早目に休みを取って帰省した。これから一週間は一緒に遊べる。
「うむ、たっぷり時間はある。せいぜい羽を伸ばしていくがよい」
「そうさせてもらいます」
友にいも普段、美樹ねえに引っ張り回されて色々忙しいらしい。その上、育児や家事にも参加してるって話だもんね。おつかれさまです。
「友美、友樹、今日はこれからどうしようか?」
「夜更かしは駄目よ~」
「そっか、二人とも九時には寝るんだっけ。じゃあ、えっと、これから晩ご飯の支度だし食べたらかるたでもする?」
「する!」
「いいけど友美、あゆゆと会ったらしたいことがあるんじゃなかった?」
「ん、何かな?」
首を傾げると、友美は自分のおきがえが入ってるカバンを開けて色んなおもちゃを取り出してきた。あれ? これって全部──
「あゆゆとお風呂で遊ぶ!」
「ともきも!」
お姉ちゃんがやることは友樹もやりたいらしい。
可愛いイトコ達とお風呂……疲れた体にまたエネルギーが湧き上がって来る。
「よし、それじゃあまず、お風呂を洗おう!」
「友美もやる!」
「ともきも!」
「ぬうっ、今日は歩美に譲るとするか」
「あなた、なんなら一緒に入ったらどうです?」
「流石に中学生の娘と風呂に入ったりはせん」
「なら妹と入る?」
「妙な冗談はやめよ」
と、嘆息してから父さんは友にいを一瞥する。
「……友也よ」
「は、はい?」
「二人で銭湯にでも行くか?」
「あ、いいですね」
なるほど、あっちはあっちで義兄弟としての付き合いがあるらしい。私も負けてらんないな。
「へえ、なら麻由美ちゃん、私達は子供達と一緒に入りましょ」
「あら楽しそう」
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