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高校生編
友達vs大塚家
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「勇花さーん、千里ちゃーん、こっちだよー!」
「やあ大塚君、新年あけましておめでとう」
「あけおめー、お迎えありがとー!」
──やあ、御剣 勇花だよ。今日は一月四日。高校で友達になった大塚君の家に遊びに来てみたんだ。まだ駅を出たばかりだけどね。
一緒に来た彼方ちゃんと僕は、ここから電車で一時間の白百合市在住。学生の身分にはそれなりに遠い距離なんで、今まで神住市に住んでる大塚君や榛君のお宅にはお邪魔したことが無かったんだ。
はは、楽しみだなあ。僕は、こう見えて大塚君に憧れてるからね。
だって彼女、少年っぽさを残したボーイッシュな感じなのに同時に女の子らしさも身に着けてるじゃないか。是非見習いたい。僕も時々男子に間違われる身だから、彼女を観察してモテモテになりたいんだ。あ、同性にじゃないからね?
ん? この喋り方? うちのお母さんが宝塚の熱心なファンなのさ! そのくせ本場に足を運ぶほどの経済的な余裕は無くて、僕をタカラジェンヌのごとく振る舞わせることにより寂しい心を紛らわせていたんだよ! おお、見たまえ我が母の教育の成果!
ちなみに、お母さんは僕が中学生の時にイケメンでお金持ちの新しい父さんと再婚した。だから今は思う存分、本物の宝塚を楽しんでいるよ! ははははは!
「どうしたの御剣さん、急に大仰な身振りなんかして」
おや、榛君に訝られてしまった。
「ふふふ、僕の脳内観客にこれまでの経緯の解説をしてあげていたのさ」
「ああ、お母さんにタカラジェンヌとして振る舞いなさいって言われて常に見られていることをシミュレートするようになったんだっけ……」
「そう! もちろん観られるだけじゃない! 撮られる覚悟だって常に決まっている!」
「じゃあ一枚いっとこうか~」
「最高の写真を頼むよ」
僕はこんな時のために常備しているバラを口に咥えた。彼方ちゃんも常時首から下げている立派なカメラでそんな僕を撮影する。
「はい、撮れたよ。後でデータ送るね」
「ありがとう」
綺麗に撮れた写真をお母さんにあげると喜ぶんだ。はははは、親孝行はできる時にしておかなくっちゃあね!
「じゃあ行こうか、うちまでは歩いて五分くらいだよ。あ、荷物持とうか?」
「いや、大丈夫」
僕と彼方ちゃんはお泊りグッズを持参した。大塚家と榛家、両方にお邪魔してからじゃ遅くなってしまうかもしれないし、どうせなら泊まっていけばと彼方ちゃんのお母さんが提案してくれたのさ。うちの両親も大塚家のご両親も了承してくれたので、今夜は大塚君のところにご厄介になる。それで明日は午前中から榛家へ行って、午後のあまり遅くない時間帯に帰るつもり。
「楽しみだな~、大塚ちゃんち」
「うん、僕もワクワクが止まらない」
「別に普通の家だよ」
苦笑する大塚君。でも聞いた限りじゃ、なかなか変わったご家族と暮らしているらしい。それに彼女、あのカガミヤグループの社長も親戚だって噂だ。
「普通ねえ」
何やら含みのある笑みを浮かべる榛君。
ニマニマしている彼女に彼方君が問いかける。
「お父さんの顔がすっごい怖いってほんと?」
「ほんとほんと、あの顔は初見だと絶対逃げ腰になるよ」
「はは、とは言っても同じ人間の顔だろう? 大げさに盛ってるんじゃないのかい?」
「わー、わかりやすいフラグ」
「勇花ちゃんが言うと、本当にそういう前フリにしか思えないよね」
「二人とも失礼だな……大丈夫、見慣れたら案外普通の顔だよ」
「ほら、大塚君もこう言ってるじゃないか」
「御剣さん、ちゃんと聞いてた? 見慣れたら、だよ」
「はじめまして、歩美の父です。あけましておめでとう」
「おめ……」
「でとう、ございます……」
──僕と彼方君は生まれたての子鹿になった。ぷるぷる。
「遠いところ、よくぞ来てくれた。さあ上がってくれ、遠慮はいらぬ」
「……はい」
「ゆ、ゆう、ゆうか、ちゃん……」
青ざめた顔でしがみついて来る彼方君。頼られてる。そんな意識が辛うじて僕の両足を支えてくれる。でもやばい、腰が抜けそう。
(く、熊? 鬼? 想像の十倍くらい怖い。しかもでっかい。なんで和服? あ、お正月だからか。って違う、たしか常に和装だって大塚君が言ってた。あの顔でいつも和服とかもう危険が危ない職業の人にしか見えない)
「あの、センパ──うちの人は顔が怖いだけだから安心してね? 気は優しいのよ」
こちらは見るからに優しげなママさん。この人の存在がいくらか恐怖を和らげてくれている。なので僕も彼方ちゃんも一発で懐いた。
「は、はは、そうなんですね……」
「お、大塚ちゃんに聞いてたとおりだな~……」
「ほう、歩美が俺の話を?」
「よくしてますよ。おばさんとおしどり夫婦だって、ね?」
「ちょ、さおちゃん!」
「そうか、ふむ、そうか」
あ、嬉しそう。笑うと怖さが半減──しないな、余計に怖くなった。
その後、お茶の間に通された僕達は他の家族も一通り紹介してもらった。
「へえ、面白そうな子達ね」
お正月とハロウィンを間違えてるんじゃないかって格好の魔女風お姉さんは、あの怖いお父さんの妹で大塚ちゃんの叔母にあたる夏ノ日 美樹さん。その隣で「こんにちは」と頭を下げた温厚そうな男の人が旦那さんの友也さんだそうな。
「あっ、友美ちゃんだ!」
美樹さんの後ろで本を読んでる子を見つけ、目を輝かせる彼方君。本当だ友美ちゃんだ。僕も嬉しくなる。
「ついに本物の友美ちゃんに会えたね!」
「ああっ、感動だ! 噂に違わぬ可愛らしさじゃあないか!」
「うわさ?」
「……」
友美ちゃんに見られ目を逸らす大塚君。別に照れなくてもいいのに。大塚君の家族自慢にはクラス全員慣れちゃってるよ。
「ほら、ちゃんと挨拶なさい」
「友樹も」
ご両親に押し出され前に出る友美ちゃんと、その弟の友樹くん。きちんと姿勢を正して声を張る。
「はじめまして、夏ノ日 友美です!」
「はじめまして、ともきです!」
「はい、あなた達も」
さらに二人、大塚君のママさんの手で追加された。
「まさみちです」
「やーらです」
「かっ、かわいいいいい! お姉ちゃんは彼方 千里です! 写真、撮ってもいい?」
「いいよ」
「ひゃっほう! 被写体が最高だぜ!」
彼方ちゃんはさっきまでの怯えを忘れ、夢中でシャッターを切り始めた。友美ちゃんは撮影されることに慣れているのか、言われなくても次々にポーズを取る。
う~ん、たしかに可愛い子達だ。この子達を見ていると、僕も何かに目覚めそうになるような……。
「はっ!? そうか、そういうことか!」
「どうしたの勇花さん?」
大塚君に問われ、僕は辿り着いた答えを示す。
「君が魅力的な理由、わかったよ!」
「へっ?」
「身近にこんな可愛い子達がいることで母性本能が刺激されるんだね! よし、僕も母性に目覚められるよう頑張ってみる!」
「なんの話!?」
「……歩美は面白い友達が多いな」
「あはは。まさかそれ、あたしのことも含んでたりしませんよね、おじさん?」
「……」
「心外です」
その夜、私と彼方君は大塚君の部屋で寝ることになった。せっかくだからと榛君も宿泊許可を取り、大塚君以外は床に布団を敷いて雑魚寝。
こうなると当然色んな話をする。修学旅行や林間学校と違って消灯時間も無いのだから当然だ。
もちろん、すぐそこの部屋でご両親や双子ちゃん、夏ノ日家の人達も寝てるから声量は極力抑えたけどね。
そんな会話の中で個人的に興味深い話を聞いた。
「父さんのあの口調は、おじいちゃんの教育の賜物なんだよ」
なんと、あの怖いお父さんは僕と同じような境遇の人間だった。男の中の男を目指せと父親に厳しく鍛えられた少年。タカラジェンヌを目指せと母に磨き抜かれた僕。目標こそ違えど方向性は同じじゃないか。
「僕以外にもいたんだね、そういう人」
共感を覚えた。そして今日の自分の態度を恥じる。外見で人を判断してしまうだなんて、あまりにも愚かなことだ。人は誰だって真実の姿を隠しているというのに。こんなだけど、実は男子にモテたくてしかたない僕のように。
明日はきちんと挨拶しよう。なあに、よくよく考えたら大塚君のような良い子を育てたお父さんだ、悪い人のはずがない。子供達にもめちゃめちゃ懐かれてたし、きっと優しい人のはずさ。
僕は密かに決意を固め、いつしか友人達と共に眠りの海へ沈んでいった。
はーはははは! 夢の中の僕も凛としてるね!
そして翌朝。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」
寝ぼけて昨夜の決意をすっかり忘れていた僕は、トイレに行こうとして廊下でばったりおじさんに出くわし、悲鳴を上げてしまったのだった。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
「気にするでない、よくあることだ。それより年頃の娘がこんな季節に廊下で座り込んでいてはいかん。冷えただろう、茶を淹れるから来なさい」
「ありがとうございまず!」
やっぱりいい人じゃん! 僕の馬鹿っ!
友達の 父親優し 顔怖し
「先に写真を見せといた方が良かったかなあ……」
「次からはそうしよう」
大塚君達も起こしちゃってごめんね。謝りつつ、僕はトイレへ駆け込んだ。
ぎりぎりセーフ。
「やあ大塚君、新年あけましておめでとう」
「あけおめー、お迎えありがとー!」
──やあ、御剣 勇花だよ。今日は一月四日。高校で友達になった大塚君の家に遊びに来てみたんだ。まだ駅を出たばかりだけどね。
一緒に来た彼方ちゃんと僕は、ここから電車で一時間の白百合市在住。学生の身分にはそれなりに遠い距離なんで、今まで神住市に住んでる大塚君や榛君のお宅にはお邪魔したことが無かったんだ。
はは、楽しみだなあ。僕は、こう見えて大塚君に憧れてるからね。
だって彼女、少年っぽさを残したボーイッシュな感じなのに同時に女の子らしさも身に着けてるじゃないか。是非見習いたい。僕も時々男子に間違われる身だから、彼女を観察してモテモテになりたいんだ。あ、同性にじゃないからね?
ん? この喋り方? うちのお母さんが宝塚の熱心なファンなのさ! そのくせ本場に足を運ぶほどの経済的な余裕は無くて、僕をタカラジェンヌのごとく振る舞わせることにより寂しい心を紛らわせていたんだよ! おお、見たまえ我が母の教育の成果!
ちなみに、お母さんは僕が中学生の時にイケメンでお金持ちの新しい父さんと再婚した。だから今は思う存分、本物の宝塚を楽しんでいるよ! ははははは!
「どうしたの御剣さん、急に大仰な身振りなんかして」
おや、榛君に訝られてしまった。
「ふふふ、僕の脳内観客にこれまでの経緯の解説をしてあげていたのさ」
「ああ、お母さんにタカラジェンヌとして振る舞いなさいって言われて常に見られていることをシミュレートするようになったんだっけ……」
「そう! もちろん観られるだけじゃない! 撮られる覚悟だって常に決まっている!」
「じゃあ一枚いっとこうか~」
「最高の写真を頼むよ」
僕はこんな時のために常備しているバラを口に咥えた。彼方ちゃんも常時首から下げている立派なカメラでそんな僕を撮影する。
「はい、撮れたよ。後でデータ送るね」
「ありがとう」
綺麗に撮れた写真をお母さんにあげると喜ぶんだ。はははは、親孝行はできる時にしておかなくっちゃあね!
「じゃあ行こうか、うちまでは歩いて五分くらいだよ。あ、荷物持とうか?」
「いや、大丈夫」
僕と彼方ちゃんはお泊りグッズを持参した。大塚家と榛家、両方にお邪魔してからじゃ遅くなってしまうかもしれないし、どうせなら泊まっていけばと彼方ちゃんのお母さんが提案してくれたのさ。うちの両親も大塚家のご両親も了承してくれたので、今夜は大塚君のところにご厄介になる。それで明日は午前中から榛家へ行って、午後のあまり遅くない時間帯に帰るつもり。
「楽しみだな~、大塚ちゃんち」
「うん、僕もワクワクが止まらない」
「別に普通の家だよ」
苦笑する大塚君。でも聞いた限りじゃ、なかなか変わったご家族と暮らしているらしい。それに彼女、あのカガミヤグループの社長も親戚だって噂だ。
「普通ねえ」
何やら含みのある笑みを浮かべる榛君。
ニマニマしている彼女に彼方君が問いかける。
「お父さんの顔がすっごい怖いってほんと?」
「ほんとほんと、あの顔は初見だと絶対逃げ腰になるよ」
「はは、とは言っても同じ人間の顔だろう? 大げさに盛ってるんじゃないのかい?」
「わー、わかりやすいフラグ」
「勇花ちゃんが言うと、本当にそういう前フリにしか思えないよね」
「二人とも失礼だな……大丈夫、見慣れたら案外普通の顔だよ」
「ほら、大塚君もこう言ってるじゃないか」
「御剣さん、ちゃんと聞いてた? 見慣れたら、だよ」
「はじめまして、歩美の父です。あけましておめでとう」
「おめ……」
「でとう、ございます……」
──僕と彼方君は生まれたての子鹿になった。ぷるぷる。
「遠いところ、よくぞ来てくれた。さあ上がってくれ、遠慮はいらぬ」
「……はい」
「ゆ、ゆう、ゆうか、ちゃん……」
青ざめた顔でしがみついて来る彼方君。頼られてる。そんな意識が辛うじて僕の両足を支えてくれる。でもやばい、腰が抜けそう。
(く、熊? 鬼? 想像の十倍くらい怖い。しかもでっかい。なんで和服? あ、お正月だからか。って違う、たしか常に和装だって大塚君が言ってた。あの顔でいつも和服とかもう危険が危ない職業の人にしか見えない)
「あの、センパ──うちの人は顔が怖いだけだから安心してね? 気は優しいのよ」
こちらは見るからに優しげなママさん。この人の存在がいくらか恐怖を和らげてくれている。なので僕も彼方ちゃんも一発で懐いた。
「は、はは、そうなんですね……」
「お、大塚ちゃんに聞いてたとおりだな~……」
「ほう、歩美が俺の話を?」
「よくしてますよ。おばさんとおしどり夫婦だって、ね?」
「ちょ、さおちゃん!」
「そうか、ふむ、そうか」
あ、嬉しそう。笑うと怖さが半減──しないな、余計に怖くなった。
その後、お茶の間に通された僕達は他の家族も一通り紹介してもらった。
「へえ、面白そうな子達ね」
お正月とハロウィンを間違えてるんじゃないかって格好の魔女風お姉さんは、あの怖いお父さんの妹で大塚ちゃんの叔母にあたる夏ノ日 美樹さん。その隣で「こんにちは」と頭を下げた温厚そうな男の人が旦那さんの友也さんだそうな。
「あっ、友美ちゃんだ!」
美樹さんの後ろで本を読んでる子を見つけ、目を輝かせる彼方君。本当だ友美ちゃんだ。僕も嬉しくなる。
「ついに本物の友美ちゃんに会えたね!」
「ああっ、感動だ! 噂に違わぬ可愛らしさじゃあないか!」
「うわさ?」
「……」
友美ちゃんに見られ目を逸らす大塚君。別に照れなくてもいいのに。大塚君の家族自慢にはクラス全員慣れちゃってるよ。
「ほら、ちゃんと挨拶なさい」
「友樹も」
ご両親に押し出され前に出る友美ちゃんと、その弟の友樹くん。きちんと姿勢を正して声を張る。
「はじめまして、夏ノ日 友美です!」
「はじめまして、ともきです!」
「はい、あなた達も」
さらに二人、大塚君のママさんの手で追加された。
「まさみちです」
「やーらです」
「かっ、かわいいいいい! お姉ちゃんは彼方 千里です! 写真、撮ってもいい?」
「いいよ」
「ひゃっほう! 被写体が最高だぜ!」
彼方ちゃんはさっきまでの怯えを忘れ、夢中でシャッターを切り始めた。友美ちゃんは撮影されることに慣れているのか、言われなくても次々にポーズを取る。
う~ん、たしかに可愛い子達だ。この子達を見ていると、僕も何かに目覚めそうになるような……。
「はっ!? そうか、そういうことか!」
「どうしたの勇花さん?」
大塚君に問われ、僕は辿り着いた答えを示す。
「君が魅力的な理由、わかったよ!」
「へっ?」
「身近にこんな可愛い子達がいることで母性本能が刺激されるんだね! よし、僕も母性に目覚められるよう頑張ってみる!」
「なんの話!?」
「……歩美は面白い友達が多いな」
「あはは。まさかそれ、あたしのことも含んでたりしませんよね、おじさん?」
「……」
「心外です」
その夜、私と彼方君は大塚君の部屋で寝ることになった。せっかくだからと榛君も宿泊許可を取り、大塚君以外は床に布団を敷いて雑魚寝。
こうなると当然色んな話をする。修学旅行や林間学校と違って消灯時間も無いのだから当然だ。
もちろん、すぐそこの部屋でご両親や双子ちゃん、夏ノ日家の人達も寝てるから声量は極力抑えたけどね。
そんな会話の中で個人的に興味深い話を聞いた。
「父さんのあの口調は、おじいちゃんの教育の賜物なんだよ」
なんと、あの怖いお父さんは僕と同じような境遇の人間だった。男の中の男を目指せと父親に厳しく鍛えられた少年。タカラジェンヌを目指せと母に磨き抜かれた僕。目標こそ違えど方向性は同じじゃないか。
「僕以外にもいたんだね、そういう人」
共感を覚えた。そして今日の自分の態度を恥じる。外見で人を判断してしまうだなんて、あまりにも愚かなことだ。人は誰だって真実の姿を隠しているというのに。こんなだけど、実は男子にモテたくてしかたない僕のように。
明日はきちんと挨拶しよう。なあに、よくよく考えたら大塚君のような良い子を育てたお父さんだ、悪い人のはずがない。子供達にもめちゃめちゃ懐かれてたし、きっと優しい人のはずさ。
僕は密かに決意を固め、いつしか友人達と共に眠りの海へ沈んでいった。
はーはははは! 夢の中の僕も凛としてるね!
そして翌朝。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああっ!?」
寝ぼけて昨夜の決意をすっかり忘れていた僕は、トイレに行こうとして廊下でばったりおじさんに出くわし、悲鳴を上げてしまったのだった。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
「気にするでない、よくあることだ。それより年頃の娘がこんな季節に廊下で座り込んでいてはいかん。冷えただろう、茶を淹れるから来なさい」
「ありがとうございまず!」
やっぱりいい人じゃん! 僕の馬鹿っ!
友達の 父親優し 顔怖し
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