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近衛騎士との勝負
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「それでは始めっ!」
副団長の合図が出された。
「「「「えっ?」」」」
開始の合図から約4秒、勝敗は決まった。ネイサンの後ろにはサラが立っていて、木刀をネイサンの首に当てている。
「セ、セインの勝利!」
副団長審判のもと勝敗が決した。副団長は団長の話からサラが強いことを知っていたが、ここまでとは思っていなかったのだ。なんせ始めの合図を出した途端にサラが消え、次の瞬間にはネイサンの首に木刀が当たっていたのだ。4秒と言っているが実際は1秒未満だ。見てからに勝敗が決まっているのに副団長の頭が混乱していて声を発するまでに3秒以上時間がかかったのだ。
勝敗の結果を聞いてサラはネイサンの首から木刀を離し、副団長の合図で礼をする。
「互いに礼っ!」
「ありがとうございました」
サラは礼をしたがネイサンは声を上げられずにいた。それは団員たちも一緒だ。
すると訓練場に1人の人が入ってきた。団長だ。
「どうだネイサン、王妃様は強いだろう?剣だけでなく魔法も使えてその腕は魔法師団長以上だ。」
「「「「はっ?」」」」
団員たち全員が呆け顔になっている。そこでネイサンがやっとの思いで言葉を紡ぐ。
「お、おうひさまでいらっしゃるのですか?」
「それは内緒ですっ!秘密にしてたのに~」
サラが大きな声で言う。
「秘密?どうしてですか?」
サラに変わって副団長が団長に応える。
「先に言ってしまうと皆が手加減するとご判断されたのですよ。」
「あ~そういうことか。申し訳ありません王妃様。」
団長が深々と頭を下げる。
「別にいいですよ。でもここではセインと呼んでくださいね。」
「承知しました、セイン様。」
心なしか団長は嬉しそうだ。今のやりとりを見ていた団員たちはいまだに信じられないでいる。どうしてだろうとサラは思い自分が変装をしていたことに気づいて慌てて変装を解く。すると輝くような金色の髪にブルーサファイアのような目になる。素顔がここまで可愛いとは知らず、団長を除く団員たち全員が頬を赤く染める。しばらくその状態が続いていたが、我を取り戻した騎士がザザッと音を立て一斉に跪き頭を下げる。
「「「「王妃様とは知らず、申し訳ありません!」」」」
サラはタジタジだ。
「あっ、頭を上げて!これからセインとして仲良くしてくれると嬉しいわ。」
皆が頭を上げたのを確認して、最後ににっこりと微笑む。最後の笑顔が効いたのか何人かは鼻血を出している。でもさすがは騎士といっていいのだろうか、一瞬にして止血し元の状態に戻る。
「「「「光栄でございます」」」」
「ははっ!それでいい。では王妃様、私ともお手合わせしていただいても?」
団長が茶化したように言う。それに対してサラは
「この国1番の騎士になんて勝てないわ!剣だけでは無理よ。せめて他の武器も使わして!」
焦り出して慌てて言葉を紡ぐ。団長はこれでも女性相手なので快諾してくれた。
「承知しました。ではカイル、審判を。」
副団長ことカイルはまたかよといった表情で渋々了承する。
「分かりましたよ。やればいいんでしょ。では始めますよ。」
「「えっ?もう?」」
「よーい始めっ」
2人は慌てて剣を構える。そしてお決まりのようにサラが視界から消える。
カンッと剣がぶつかり合う音がする。さすがは国一番の騎士だ。サラの動きに対応する。サラはこのままでは押し負けると思ったのか空中を回転して少し離れたところに着地する。そして向き合い正面から打ち込む。何度も打ち合い、埒があかないと判断したのかサラは訓練場を照らすライトを背にし高く飛び上がる。そして手裏剣ような暗器を団長めがけて6個飛ばす。団長はライトを直視してしまい目を瞑る。
「しまったっ!」
なんとか手裏剣もどきを剣で飛ばし、すぐさま後ろに向き直り剣を振る。本命は後ろだったのだ。サラはそれを余裕で交わし団長の足の間をくぐり抜け、すぐに立ち上がり団長の首に木刀を当てる。
「勝者セインッ!」
副団長が判決をくだす。セインは木刀を離し団長と向き合い互いに礼をする。
「「ありがとうございました」」
「「「「お~」」」」
団員たちから感嘆の声が上がる。それに対して団長は
「これが王妃様の実力だ。俺は決して手を抜いていない。それがわかったらさっさと稽古をつけてもらえ。俺は休む。」
そう言って団長は訓練場を出て行った。そしてネイサンは謝罪をする。
「数々の無礼をお許し下しさい。王妃様とは知らず申し訳ございません。」
「気にしないでいいからっ!そのかわりしっかりと稽古を受けてね?」
「光栄でございます」
ネイサンの言動は正直言って不敬罪で投獄されてもおかしくないものだった。それをサラはいとも簡単に許してしまう。その心の広さに見ていた団員たちも感動を覚える。
こうしてまたサラの信者が増えるのだった…
副団長の合図が出された。
「「「「えっ?」」」」
開始の合図から約4秒、勝敗は決まった。ネイサンの後ろにはサラが立っていて、木刀をネイサンの首に当てている。
「セ、セインの勝利!」
副団長審判のもと勝敗が決した。副団長は団長の話からサラが強いことを知っていたが、ここまでとは思っていなかったのだ。なんせ始めの合図を出した途端にサラが消え、次の瞬間にはネイサンの首に木刀が当たっていたのだ。4秒と言っているが実際は1秒未満だ。見てからに勝敗が決まっているのに副団長の頭が混乱していて声を発するまでに3秒以上時間がかかったのだ。
勝敗の結果を聞いてサラはネイサンの首から木刀を離し、副団長の合図で礼をする。
「互いに礼っ!」
「ありがとうございました」
サラは礼をしたがネイサンは声を上げられずにいた。それは団員たちも一緒だ。
すると訓練場に1人の人が入ってきた。団長だ。
「どうだネイサン、王妃様は強いだろう?剣だけでなく魔法も使えてその腕は魔法師団長以上だ。」
「「「「はっ?」」」」
団員たち全員が呆け顔になっている。そこでネイサンがやっとの思いで言葉を紡ぐ。
「お、おうひさまでいらっしゃるのですか?」
「それは内緒ですっ!秘密にしてたのに~」
サラが大きな声で言う。
「秘密?どうしてですか?」
サラに変わって副団長が団長に応える。
「先に言ってしまうと皆が手加減するとご判断されたのですよ。」
「あ~そういうことか。申し訳ありません王妃様。」
団長が深々と頭を下げる。
「別にいいですよ。でもここではセインと呼んでくださいね。」
「承知しました、セイン様。」
心なしか団長は嬉しそうだ。今のやりとりを見ていた団員たちはいまだに信じられないでいる。どうしてだろうとサラは思い自分が変装をしていたことに気づいて慌てて変装を解く。すると輝くような金色の髪にブルーサファイアのような目になる。素顔がここまで可愛いとは知らず、団長を除く団員たち全員が頬を赤く染める。しばらくその状態が続いていたが、我を取り戻した騎士がザザッと音を立て一斉に跪き頭を下げる。
「「「「王妃様とは知らず、申し訳ありません!」」」」
サラはタジタジだ。
「あっ、頭を上げて!これからセインとして仲良くしてくれると嬉しいわ。」
皆が頭を上げたのを確認して、最後ににっこりと微笑む。最後の笑顔が効いたのか何人かは鼻血を出している。でもさすがは騎士といっていいのだろうか、一瞬にして止血し元の状態に戻る。
「「「「光栄でございます」」」」
「ははっ!それでいい。では王妃様、私ともお手合わせしていただいても?」
団長が茶化したように言う。それに対してサラは
「この国1番の騎士になんて勝てないわ!剣だけでは無理よ。せめて他の武器も使わして!」
焦り出して慌てて言葉を紡ぐ。団長はこれでも女性相手なので快諾してくれた。
「承知しました。ではカイル、審判を。」
副団長ことカイルはまたかよといった表情で渋々了承する。
「分かりましたよ。やればいいんでしょ。では始めますよ。」
「「えっ?もう?」」
「よーい始めっ」
2人は慌てて剣を構える。そしてお決まりのようにサラが視界から消える。
カンッと剣がぶつかり合う音がする。さすがは国一番の騎士だ。サラの動きに対応する。サラはこのままでは押し負けると思ったのか空中を回転して少し離れたところに着地する。そして向き合い正面から打ち込む。何度も打ち合い、埒があかないと判断したのかサラは訓練場を照らすライトを背にし高く飛び上がる。そして手裏剣ような暗器を団長めがけて6個飛ばす。団長はライトを直視してしまい目を瞑る。
「しまったっ!」
なんとか手裏剣もどきを剣で飛ばし、すぐさま後ろに向き直り剣を振る。本命は後ろだったのだ。サラはそれを余裕で交わし団長の足の間をくぐり抜け、すぐに立ち上がり団長の首に木刀を当てる。
「勝者セインッ!」
副団長が判決をくだす。セインは木刀を離し団長と向き合い互いに礼をする。
「「ありがとうございました」」
「「「「お~」」」」
団員たちから感嘆の声が上がる。それに対して団長は
「これが王妃様の実力だ。俺は決して手を抜いていない。それがわかったらさっさと稽古をつけてもらえ。俺は休む。」
そう言って団長は訓練場を出て行った。そしてネイサンは謝罪をする。
「数々の無礼をお許し下しさい。王妃様とは知らず申し訳ございません。」
「気にしないでいいからっ!そのかわりしっかりと稽古を受けてね?」
「光栄でございます」
ネイサンの言動は正直言って不敬罪で投獄されてもおかしくないものだった。それをサラはいとも簡単に許してしまう。その心の広さに見ていた団員たちも感動を覚える。
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