【R18】転生王妃の異世界生活

かなめ

文字の大きさ
13 / 23

近衛騎士との勝負

しおりを挟む
「それでは始めっ!」

副団長の合図が出された。

「「「「えっ?」」」」

開始の合図から約4秒、勝敗は決まった。ネイサンの後ろにはサラが立っていて、木刀をネイサンの首に当てている。

「セ、セインの勝利!」

副団長審判のもと勝敗が決した。副団長は団長の話からサラが強いことを知っていたが、ここまでとは思っていなかったのだ。なんせ始めの合図を出した途端にサラが消え、次の瞬間にはネイサンの首に木刀が当たっていたのだ。4秒と言っているが実際は1秒未満だ。見てからに勝敗が決まっているのに副団長の頭が混乱していて声を発するまでに3秒以上時間がかかったのだ。
勝敗の結果を聞いてサラはネイサンの首から木刀を離し、副団長の合図で礼をする。

「互いに礼っ!」

「ありがとうございました」

サラは礼をしたがネイサンは声を上げられずにいた。それは団員たちも一緒だ。

すると訓練場に1人の人が入ってきた。団長だ。

「どうだネイサン、王妃様は強いだろう?剣だけでなく魔法も使えてその腕は魔法師団長以上だ。」

「「「「はっ?」」」」

団員たち全員が呆け顔になっている。そこでネイサンがやっとの思いで言葉を紡ぐ。

「お、おうひさまでいらっしゃるのですか?」

「それは内緒ですっ!秘密にしてたのに~」

サラが大きな声で言う。

「秘密?どうしてですか?」

サラに変わって副団長が団長に応える。

「先に言ってしまうと皆が手加減するとご判断されたのですよ。」

「あ~そういうことか。申し訳ありません王妃様。」

団長が深々と頭を下げる。

「別にいいですよ。でもここではセインと呼んでくださいね。」

「承知しました、セイン様。」

心なしか団長は嬉しそうだ。今のやりとりを見ていた団員たちはいまだに信じられないでいる。どうしてだろうとサラは思い自分が変装をしていたことに気づいて慌てて変装を解く。すると輝くような金色の髪にブルーサファイアのような目になる。素顔がここまで可愛いとは知らず、団長を除く団員たち全員が頬を赤く染める。しばらくその状態が続いていたが、我を取り戻した騎士がザザッと音を立て一斉に跪き頭を下げる。

「「「「王妃様とは知らず、申し訳ありません!」」」」

サラはタジタジだ。

「あっ、頭を上げて!これからセインとして仲良くしてくれると嬉しいわ。」

皆が頭を上げたのを確認して、最後ににっこりと微笑む。最後の笑顔が効いたのか何人かは鼻血を出している。でもさすがは騎士といっていいのだろうか、一瞬にして止血し元の状態に戻る。

「「「「光栄でございます」」」」

「ははっ!それでいい。では王妃様、私ともお手合わせしていただいても?」

団長が茶化したように言う。それに対してサラは

「この国1番の騎士になんて勝てないわ!剣だけでは無理よ。せめて他の武器も使わして!」

焦り出して慌てて言葉を紡ぐ。団長はこれでも女性相手なので快諾してくれた。

「承知しました。ではカイル、審判を。」

副団長ことカイルはまたかよといった表情で渋々了承する。

「分かりましたよ。やればいいんでしょ。では始めますよ。」

「「えっ?もう?」」

「よーい始めっ」

2人は慌てて剣を構える。そしてお決まりのようにサラが視界から消える。

カンッと剣がぶつかり合う音がする。さすがは国一番の騎士だ。サラの動きに対応する。サラはこのままでは押し負けると思ったのか空中を回転して少し離れたところに着地する。そして向き合い正面から打ち込む。何度も打ち合い、埒があかないと判断したのかサラは訓練場を照らすライトを背にし高く飛び上がる。そして手裏剣ような暗器を団長めがけて6個飛ばす。団長はライトを直視してしまい目を瞑る。

「しまったっ!」

なんとか手裏剣もどきを剣で飛ばし、すぐさま後ろに向き直り剣を振る。本命は後ろだったのだ。サラはそれを余裕で交わし団長の足の間をくぐり抜け、すぐに立ち上がり団長の首に木刀を当てる。

「勝者セインッ!」

副団長が判決をくだす。セインは木刀を離し団長と向き合い互いに礼をする。

「「ありがとうございました」」

「「「「お~」」」」

団員たちから感嘆の声が上がる。それに対して団長は

「これが王妃様の実力だ。俺は決して手を抜いていない。それがわかったらさっさと稽古をつけてもらえ。俺は休む。」

そう言って団長は訓練場を出て行った。そしてネイサンは謝罪をする。

「数々の無礼をお許し下しさい。王妃様とは知らず申し訳ございません。」

「気にしないでいいからっ!そのかわりしっかりと稽古を受けてね?」

「光栄でございます」

ネイサンの言動は正直言って不敬罪で投獄されてもおかしくないものだった。それをサラはいとも簡単に許してしまう。その心の広さに見ていた団員たちも感動を覚える。

こうしてまたサラの信者が増えるのだった…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜

紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。 連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

赤ずきんちゃんと狼獣人の甘々な初夜

真木
ファンタジー
純真な赤ずきんちゃんが狼獣人にみつかって、ぱくっと食べられちゃう、そんな甘々な初夜の物語。

処理中です...