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41:エロ・テロリストからの牽制
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「は~~、それにしてもブレイン様からの愛は、かなり重そうだけどな?」
「───ンッ、だから!どうしてそうなるんだよっ!?」
あきれたような顔のカイエンに、首すじを指先でなぞられ、ビクリとからだがハネてしまう。
一夜にして、すっかり首すじは弱点のひとつになってしまったらしい。
朝といい今といい、カイエンのイタズラに、あやうく変な声が出そうだった。
そんな自分もはずかしくなってくるし、なにより勘ちがいを加速させるふたりに、あたまが痛くなってくる。
「だって、恋とは出会いがしらの正面衝突事故とも言いますわ!避けようもなく、突如として巻き込まれるものですもの!!だから『もらい事故』だったのでしょう?」
キャロライナ嬢は、こぶしをにぎりしめて熱弁をふるう。
なるほど、たしかにそういう意味でももらい事故のようなものだったと言えばそうか……。
そのいきおいに飲まれて納得しそうになったところで、ハッとした。
ダメだろ、そこで納得しちゃ!!
だけどカイエンまで、さらにたたみかけてくる。
「そうそう、そのキスマークといい、制服といい、めっちゃ愛されてんじゃん。それこそテイラーをかかえてセブンが保健室連れてったとき、俺もパレっちが心配するから代わりについてったんだけどさ……いや、おどろいたわ」
カイエンのセリフに、嫌な予感がつのっていく。
「なにが……」
「先生があたま打ってんなら、楽なカッコにしなきゃダメだって言うから、俺、制服脱がせるの手伝ったんだよね。それでさ、見ちゃったんだ……」
マズイ、まさか───!?
「先生がシャツのボタンはずしたら、そりゃあもうハデにつけられてたからなぁ、キスマーク。ほかにも歯形とか……あれ全部ブレイン様がつけたんだろ?なら、相当な執着されてんじゃねーの?」
「まぁっ!なんと破廉恥な!」
カイエンが言うのに、キャロライナ嬢は真っ赤なほっぺたを両手でおおいながらさけぶ。
「なっ!?見た……のか……?!」
「うん、バッチリな!まぁすぐに『思春期の君タチには刺激が強すぎるカラ』って、保健室からふたりそろって追い出されたけど」
まさか、アレを見られていたとか……。
なんだよ、それ!
はずかしすぎんだろ!!
思わぬ事実があかされ、顔が熱くてたまらない。
え、ていうか、それをカイエンはさておき、うちの子にも見られたのか??
───つーかそもそもその前にも、カイエンが『セブンが俺をかかえて保健室まで連れてった』とか言ってなかったっけ。
なにそれ、子どもに介護されてめんどうをかけてしまった親の気分だよ!
居たたまれなすぎるだろ!!
「いやぁ、あんなの見せられちゃったら、『めっちゃ愛されてる』としか言いようがなくなるじゃん。あとテイラーって肌白いから余計に目立つし、めっちゃエロかったっていうか……」
「~~~っ、ちがうっ!!あれは俺が嫌だって言ったのに、おもしろがってつけられただけで……っ!そんなの嫌がらせでしかないだろ?!」
「───つまり、殿下からあなたへの愛があふれているだけで、あなたはなんとも思っていないとでも?なんの自慢なのかしら、それ!!殿下をお慕いするワタクシへの当てつけかしら?!」
カイエンのからかいにこたえれば、今度はキャロライナ嬢の目が据わってくる。
「そ、そんなつもりは……っ」
「でも殿下はこれまで、だれと枕を交わそうと、その制服をあたえられたりはしませんでしたわ!ワタクシが知るかぎり、ただの一度も!」
それに気圧されたところに、さらに身を乗り出して熱弁をふるわれた。
「あたえたって……大丈夫です、この制服も借りただけですから!本人から、ちゃんとかえせって言われてるし!」
それだってウソじゃない。
直接部屋までかえしに来いという意味深な発言だったことを伏せれば、だけど。
「あー……」
「まぁ!」
俺の発言に目を丸くするふたりに、ようやく信じてもらえたのかとホッと息をつこうとしたところで、ふいに背後に人の気配を感じた。
「おや、では私からの切ない片思いということになってしまうね?こんなにも私はキミのことを思っているのに」
「っ!?」
腰にクる甘く響く低い声が聞こえたと思ったら、背後からのびてきた腕にギュッと抱きしめられ、つむじの近くにキスされる。
「ブ、ブレイン殿下!?」
ふりかえって見上げた先にいたのは、たった今話題の中心になっていた、先ほど回廊でわかれたばかりのブレイン殿下、その人だった。
いったい、どうしてここに───??
最初に思ったのはそれだった。
だって、さっき回廊のところで会って、教室に行くという俺は見送られてきたばかりなのにさ。
しかも、あんな一方的に俺からお断りをしたような感じだったっていうのに……。
「どうして……」
「フフ、思った以上に興味深い話題だったので、立ち聞きを少々」
なんだって?
立ち聞きを少々とは……??
「ハッ!殿下におかれましては、ご機嫌うるわしゅう」
「レッドサヴィナ家のご令嬢も、ご機嫌うるわしゅう」
呆けていたことに気づいて、あわてて淑女の礼を尽くすキャロライナ嬢に、ブレイン殿下は本当に機嫌がよさそうにかえしている。
いや、だからなんで、あいかわらず俺を抱きしめたままなんですか!?
しかもその手が、脇腹から腰にかけてさりげなくなでまわし、かぎりなくあやしい動きを見せている。
チュッ
「なっ!?いきなり人前でなにするんですか!?」
そのイタズラな手に気を取られたところで、無防備になっていたこめかみに音を立ててキスされた。
思わず抗議の声をあげれば、至近距離からほほえみかけられる。
うっ、まぶしい!
もはや凶器とも言えるくらいの顔面偏差値の高さに圧倒され、文句を言う気さえ失わされていく。
なんなんだよ、このイケメンエロ・テロリストが!!
「キミに用があるからむかえに来ただけだよ。そのついでに、少々『牽制』をね?」
「はぁ?なにを言って……ひぁっ……!」
なにを言っているのかとあきれた目線をくれてやろうとしたところで、ふいにその指先が首すじをひとなでしていった。
とたんに全身に広がる甘い疼きは、カイエンにされたときの比ではなかった。
「そこの赤髪の少年、この子の真価に気づいた慧眼は賞賛にあたいするけれど……でも手を出すのはダメだよ。この子は、私のモノだからね?」
「───は、ハイっ!」
艶然とした笑みを浮かべたままブレイン殿下が話しかければ、カイエンは顔を赤くしたまま何度もうなずいている。
「なんでそんなこと……っ!」
「さぁて、行こうか?」
わざとふたりに誤解をさせるようなことをしたブレイン殿下に抗議の声をあげようとしたところで、有無を言わせぬいきおいでグイッと腰を引き寄せられ、そのまま教室の外へと連れ出されたのだった。
「───ンッ、だから!どうしてそうなるんだよっ!?」
あきれたような顔のカイエンに、首すじを指先でなぞられ、ビクリとからだがハネてしまう。
一夜にして、すっかり首すじは弱点のひとつになってしまったらしい。
朝といい今といい、カイエンのイタズラに、あやうく変な声が出そうだった。
そんな自分もはずかしくなってくるし、なにより勘ちがいを加速させるふたりに、あたまが痛くなってくる。
「だって、恋とは出会いがしらの正面衝突事故とも言いますわ!避けようもなく、突如として巻き込まれるものですもの!!だから『もらい事故』だったのでしょう?」
キャロライナ嬢は、こぶしをにぎりしめて熱弁をふるう。
なるほど、たしかにそういう意味でももらい事故のようなものだったと言えばそうか……。
そのいきおいに飲まれて納得しそうになったところで、ハッとした。
ダメだろ、そこで納得しちゃ!!
だけどカイエンまで、さらにたたみかけてくる。
「そうそう、そのキスマークといい、制服といい、めっちゃ愛されてんじゃん。それこそテイラーをかかえてセブンが保健室連れてったとき、俺もパレっちが心配するから代わりについてったんだけどさ……いや、おどろいたわ」
カイエンのセリフに、嫌な予感がつのっていく。
「なにが……」
「先生があたま打ってんなら、楽なカッコにしなきゃダメだって言うから、俺、制服脱がせるの手伝ったんだよね。それでさ、見ちゃったんだ……」
マズイ、まさか───!?
「先生がシャツのボタンはずしたら、そりゃあもうハデにつけられてたからなぁ、キスマーク。ほかにも歯形とか……あれ全部ブレイン様がつけたんだろ?なら、相当な執着されてんじゃねーの?」
「まぁっ!なんと破廉恥な!」
カイエンが言うのに、キャロライナ嬢は真っ赤なほっぺたを両手でおおいながらさけぶ。
「なっ!?見た……のか……?!」
「うん、バッチリな!まぁすぐに『思春期の君タチには刺激が強すぎるカラ』って、保健室からふたりそろって追い出されたけど」
まさか、アレを見られていたとか……。
なんだよ、それ!
はずかしすぎんだろ!!
思わぬ事実があかされ、顔が熱くてたまらない。
え、ていうか、それをカイエンはさておき、うちの子にも見られたのか??
───つーかそもそもその前にも、カイエンが『セブンが俺をかかえて保健室まで連れてった』とか言ってなかったっけ。
なにそれ、子どもに介護されてめんどうをかけてしまった親の気分だよ!
居たたまれなすぎるだろ!!
「いやぁ、あんなの見せられちゃったら、『めっちゃ愛されてる』としか言いようがなくなるじゃん。あとテイラーって肌白いから余計に目立つし、めっちゃエロかったっていうか……」
「~~~っ、ちがうっ!!あれは俺が嫌だって言ったのに、おもしろがってつけられただけで……っ!そんなの嫌がらせでしかないだろ?!」
「───つまり、殿下からあなたへの愛があふれているだけで、あなたはなんとも思っていないとでも?なんの自慢なのかしら、それ!!殿下をお慕いするワタクシへの当てつけかしら?!」
カイエンのからかいにこたえれば、今度はキャロライナ嬢の目が据わってくる。
「そ、そんなつもりは……っ」
「でも殿下はこれまで、だれと枕を交わそうと、その制服をあたえられたりはしませんでしたわ!ワタクシが知るかぎり、ただの一度も!」
それに気圧されたところに、さらに身を乗り出して熱弁をふるわれた。
「あたえたって……大丈夫です、この制服も借りただけですから!本人から、ちゃんとかえせって言われてるし!」
それだってウソじゃない。
直接部屋までかえしに来いという意味深な発言だったことを伏せれば、だけど。
「あー……」
「まぁ!」
俺の発言に目を丸くするふたりに、ようやく信じてもらえたのかとホッと息をつこうとしたところで、ふいに背後に人の気配を感じた。
「おや、では私からの切ない片思いということになってしまうね?こんなにも私はキミのことを思っているのに」
「っ!?」
腰にクる甘く響く低い声が聞こえたと思ったら、背後からのびてきた腕にギュッと抱きしめられ、つむじの近くにキスされる。
「ブ、ブレイン殿下!?」
ふりかえって見上げた先にいたのは、たった今話題の中心になっていた、先ほど回廊でわかれたばかりのブレイン殿下、その人だった。
いったい、どうしてここに───??
最初に思ったのはそれだった。
だって、さっき回廊のところで会って、教室に行くという俺は見送られてきたばかりなのにさ。
しかも、あんな一方的に俺からお断りをしたような感じだったっていうのに……。
「どうして……」
「フフ、思った以上に興味深い話題だったので、立ち聞きを少々」
なんだって?
立ち聞きを少々とは……??
「ハッ!殿下におかれましては、ご機嫌うるわしゅう」
「レッドサヴィナ家のご令嬢も、ご機嫌うるわしゅう」
呆けていたことに気づいて、あわてて淑女の礼を尽くすキャロライナ嬢に、ブレイン殿下は本当に機嫌がよさそうにかえしている。
いや、だからなんで、あいかわらず俺を抱きしめたままなんですか!?
しかもその手が、脇腹から腰にかけてさりげなくなでまわし、かぎりなくあやしい動きを見せている。
チュッ
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そのイタズラな手に気を取られたところで、無防備になっていたこめかみに音を立ててキスされた。
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うっ、まぶしい!
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なんなんだよ、このイケメンエロ・テロリストが!!
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「はぁ?なにを言って……ひぁっ……!」
なにを言っているのかとあきれた目線をくれてやろうとしたところで、ふいにその指先が首すじをひとなでしていった。
とたんに全身に広がる甘い疼きは、カイエンにされたときの比ではなかった。
「そこの赤髪の少年、この子の真価に気づいた慧眼は賞賛にあたいするけれど……でも手を出すのはダメだよ。この子は、私のモノだからね?」
「───は、ハイっ!」
艶然とした笑みを浮かべたままブレイン殿下が話しかければ、カイエンは顔を赤くしたまま何度もうなずいている。
「なんでそんなこと……っ!」
「さぁて、行こうか?」
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見つけ次第削除いたします。
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