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120:腹黒殿下は下心を隠さない
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そもそもブレイン殿下は『嫉妬した』なんて言っていたけれど、リオン殿下のなかでの俺への好感度は、ようやくマイナスだったそれがプラスに変わってきたばかり程度でしかないだろうに。
こんなふうに好感度がカンストしてるどころか、オーバーフローしてるのなんてブレイン殿下だけだし、なにより俺がそういうことをしたいと思うのは、この人だけなのにさ。
なにをそんなに心配することがあるんだろうか?
かぶった布団の下から、じっとその顔を見つめる。
「それ、は……その……キミの顔が……」
俺からの問いかけにこたえようとして、しかし言葉をえらんでいるからなのか、語尾がゴニャゴニャとほどけて消えていく。
なんていうか、顔を少し赤らめさせているし、いつものキビキビとした雰囲気とはちがう感じだ。
いったい、俺の顔がなんだって言いたかったんだろうか……?
セリフのつづきを待っていても、気まずそうに視線をさまよわせるブレイン殿下は、口を開こうとはしない。
俺にとっては、この沈黙がとても重たかった。
その先につづく相手の言葉を待つあいだは、ものすごい緊張した。
だって、こんなことくらいで嫉妬するほど愛されてるのかって、うれしくなる気持ちもある一方で、そんなに言いにくいような内容なのかと、ネガティブな発想をしてしまいそうにもなるから。
特にこの顔に関しては、ブレイン殿下とは比べるべくもない。
前世の『俺』からしたら十分神作画できらびやかな貴族顔かもしれないけれど、このゲームの世界となると話は別だ。
テイラーは、いかにもにぎやかし要員の悪役モブらしく、メインキャラクターたちと比べたら、ずいぶんとあっさりした顔立ちでしかないもんなぁ……。
あっちこっちに目線をさまよわせ、落ちつかない様子だったブレイン殿下が、小さくせきばらいをした。
心なしかそのほっぺたは、さっきよりかは赤みが薄れているように見えた。
いよいよさっきの気になるセリフのつづきが聞けるのかと思って、居ずまいを正す。
───まぁ、ベッドの上に起きあがり、布団を肩からかけた状態でしかないんだけど。
「……キミにとっての私は、リオンとおなじ『王族』カテゴリーの存在ではないのかな?」
たっぷりの間をあけて、ふいに投げかけられたブレイン殿下からの問いは、まったくの想定外のものだった。
「え……?」
なにそれ、どういう意味だ?
とっさに問われた言葉の真意がわからなくて、ぽかんの間の抜けた顔をしてしまった。
いや、たしかにブレイン殿下はこの国の王子様だし、なんならリオン殿下よりも王位継承権は高い位置にある。
そういう意味では、まぎれもなく王族ではあるのだけど……。
今、ふつうに俺はブレイン殿下のことを、王族のカテゴリーから除外してかんがえていた。
問われてはじめて、そのことに気がついた。
なんでブレイン殿下を王族でカテゴライズしなかったんだ?
そう自分に問いかけようとしたところで、こたえにたどり着く。
うわぁ、俺もたいがいすぎんだろ!?
カァッと頬が熱くなってくる。
だってそれは……。
「うん?いいよ、遠慮なく言ってかまわないから」
もうすでに俺のこたえを察したのか、ブレイン殿下はにこにこと機嫌のよさそうな顔をして、発言をうながしてきた。
「あ、あなたは今、俺にとっては……『恋人』なんだと思っていたんですけど、それは単なる勘ちがいだったんでしょうか!?」
たったそれだけのことを口にするのに、ものすごいはずかしさが込みあげてきて、相手の顔すら、まともに見られない。
「うんうん、キミにもちゃんと自覚が芽生えたようで、なによりだよ」
でもその声を聞くだけで、ブレイン殿下が満面の笑みを浮かべているんだろうなってことは、よく伝わってくる。
「で、でもあくまでも『魅了香』を流した犯人を無事に捕まえるまでの、かりそめの『恋人役』ですけどね?!」
そりゃ俺個人としては、この関係がホンモノになってくれたらいいのに、と願ってはいるけれど。
「……やれやれ、キミもなかなか頑固だね……どのみちムダな抵抗だと思うけどな」
小さなため息とともに、呆れたような声でつぶやかれる。
悪かったな、どうせ頑固者ですよ!
でも俺がこの世界に来たいちばん理由は、この世界に侵食し、管理者権限の一部権能をうばった犯人を捕まえて、その力を取りかえすことだ。
これだけは、なにがあろうと順位を動かせはしない。
俺の愛する『星華の刻』の世界を取りもどすためなら、どんな苦労だろうとかまわない。
それくらいの覚悟は、とっくに決めていた。
……まぁ、もうだいぶ目の前のこの人に流されて、引きかえせないところまで来てしまっている気がしなくもないけれど。
それでもいざとなったら、その目的を優先するためなら、この関係すら、なかったことにしないといけないかもしれないともかんがえていた。
「う~ん、こうなったらキミがすなおに私の手のなかに落ちてくれるまで、何度も啼かせてあげなくちゃいけないね?キミの場合は、はずかしい目に遭うのが、いちばん追いつめられるみたいだし」
「っ?!」
なんだよ、それ!?
不穏すぎるんですけど??!
「まぁ、キミが快楽に蕩ける顔は、なにより私の心の琴線をかき鳴らしてくれるからねぇ……フフ、思い出すだけで、朝だというのにまたからだが火照ってきそうだよ」
あいかわらずブレイン殿下は、清々しいほどに俺の前ではオープンスケベだな?!
それって、言い方こそふつうめかしてるけど、あいかわらずの猥談だからな?!
要は、俺の最中の顔を思い出すだけでヌケるってことじゃん!!
「~~~~~っ、最っっ低です!!」
キッとにらみつけたところで、どこ吹く風なんだろうけど。
「つまり俺が悪いっていうよりかは、ブレイン殿下の嫉妬にかこつけた、一方的な性癖の押しつけを受けたってことですよね?!」
なんとなくくやしくて、口調が少しトゲトゲしいものになってしまった。
でもしょうがないだろ、これは相手のほうが悪い。
そりゃ俺に問われたところで、はっきりと口に出せるわけがないよな?
「まぁ、そうとも言うね!その代わりと言ってはナンだけど、愛しいキミを甘やかすためなら、少しくらいの融通は利かせてあげられるよ?」
「そうやって開きなおるところですよ!!」
うん、みじんも反省の気配が見えないヤツだ。
昨夜までの艶っぽさはどこへいってしまったのか、色気もなくぎゃあぎゃあと言い合いに発展しそうになったところで、コンコンと控えめに寝室のドアがノックされた。
こんなふうに好感度がカンストしてるどころか、オーバーフローしてるのなんてブレイン殿下だけだし、なにより俺がそういうことをしたいと思うのは、この人だけなのにさ。
なにをそんなに心配することがあるんだろうか?
かぶった布団の下から、じっとその顔を見つめる。
「それ、は……その……キミの顔が……」
俺からの問いかけにこたえようとして、しかし言葉をえらんでいるからなのか、語尾がゴニャゴニャとほどけて消えていく。
なんていうか、顔を少し赤らめさせているし、いつものキビキビとした雰囲気とはちがう感じだ。
いったい、俺の顔がなんだって言いたかったんだろうか……?
セリフのつづきを待っていても、気まずそうに視線をさまよわせるブレイン殿下は、口を開こうとはしない。
俺にとっては、この沈黙がとても重たかった。
その先につづく相手の言葉を待つあいだは、ものすごい緊張した。
だって、こんなことくらいで嫉妬するほど愛されてるのかって、うれしくなる気持ちもある一方で、そんなに言いにくいような内容なのかと、ネガティブな発想をしてしまいそうにもなるから。
特にこの顔に関しては、ブレイン殿下とは比べるべくもない。
前世の『俺』からしたら十分神作画できらびやかな貴族顔かもしれないけれど、このゲームの世界となると話は別だ。
テイラーは、いかにもにぎやかし要員の悪役モブらしく、メインキャラクターたちと比べたら、ずいぶんとあっさりした顔立ちでしかないもんなぁ……。
あっちこっちに目線をさまよわせ、落ちつかない様子だったブレイン殿下が、小さくせきばらいをした。
心なしかそのほっぺたは、さっきよりかは赤みが薄れているように見えた。
いよいよさっきの気になるセリフのつづきが聞けるのかと思って、居ずまいを正す。
───まぁ、ベッドの上に起きあがり、布団を肩からかけた状態でしかないんだけど。
「……キミにとっての私は、リオンとおなじ『王族』カテゴリーの存在ではないのかな?」
たっぷりの間をあけて、ふいに投げかけられたブレイン殿下からの問いは、まったくの想定外のものだった。
「え……?」
なにそれ、どういう意味だ?
とっさに問われた言葉の真意がわからなくて、ぽかんの間の抜けた顔をしてしまった。
いや、たしかにブレイン殿下はこの国の王子様だし、なんならリオン殿下よりも王位継承権は高い位置にある。
そういう意味では、まぎれもなく王族ではあるのだけど……。
今、ふつうに俺はブレイン殿下のことを、王族のカテゴリーから除外してかんがえていた。
問われてはじめて、そのことに気がついた。
なんでブレイン殿下を王族でカテゴライズしなかったんだ?
そう自分に問いかけようとしたところで、こたえにたどり着く。
うわぁ、俺もたいがいすぎんだろ!?
カァッと頬が熱くなってくる。
だってそれは……。
「うん?いいよ、遠慮なく言ってかまわないから」
もうすでに俺のこたえを察したのか、ブレイン殿下はにこにこと機嫌のよさそうな顔をして、発言をうながしてきた。
「あ、あなたは今、俺にとっては……『恋人』なんだと思っていたんですけど、それは単なる勘ちがいだったんでしょうか!?」
たったそれだけのことを口にするのに、ものすごいはずかしさが込みあげてきて、相手の顔すら、まともに見られない。
「うんうん、キミにもちゃんと自覚が芽生えたようで、なによりだよ」
でもその声を聞くだけで、ブレイン殿下が満面の笑みを浮かべているんだろうなってことは、よく伝わってくる。
「で、でもあくまでも『魅了香』を流した犯人を無事に捕まえるまでの、かりそめの『恋人役』ですけどね?!」
そりゃ俺個人としては、この関係がホンモノになってくれたらいいのに、と願ってはいるけれど。
「……やれやれ、キミもなかなか頑固だね……どのみちムダな抵抗だと思うけどな」
小さなため息とともに、呆れたような声でつぶやかれる。
悪かったな、どうせ頑固者ですよ!
でも俺がこの世界に来たいちばん理由は、この世界に侵食し、管理者権限の一部権能をうばった犯人を捕まえて、その力を取りかえすことだ。
これだけは、なにがあろうと順位を動かせはしない。
俺の愛する『星華の刻』の世界を取りもどすためなら、どんな苦労だろうとかまわない。
それくらいの覚悟は、とっくに決めていた。
……まぁ、もうだいぶ目の前のこの人に流されて、引きかえせないところまで来てしまっている気がしなくもないけれど。
それでもいざとなったら、その目的を優先するためなら、この関係すら、なかったことにしないといけないかもしれないともかんがえていた。
「う~ん、こうなったらキミがすなおに私の手のなかに落ちてくれるまで、何度も啼かせてあげなくちゃいけないね?キミの場合は、はずかしい目に遭うのが、いちばん追いつめられるみたいだし」
「っ?!」
なんだよ、それ!?
不穏すぎるんですけど??!
「まぁ、キミが快楽に蕩ける顔は、なにより私の心の琴線をかき鳴らしてくれるからねぇ……フフ、思い出すだけで、朝だというのにまたからだが火照ってきそうだよ」
あいかわらずブレイン殿下は、清々しいほどに俺の前ではオープンスケベだな?!
それって、言い方こそふつうめかしてるけど、あいかわらずの猥談だからな?!
要は、俺の最中の顔を思い出すだけでヌケるってことじゃん!!
「~~~~~っ、最っっ低です!!」
キッとにらみつけたところで、どこ吹く風なんだろうけど。
「つまり俺が悪いっていうよりかは、ブレイン殿下の嫉妬にかこつけた、一方的な性癖の押しつけを受けたってことですよね?!」
なんとなくくやしくて、口調が少しトゲトゲしいものになってしまった。
でもしょうがないだろ、これは相手のほうが悪い。
そりゃ俺に問われたところで、はっきりと口に出せるわけがないよな?
「まぁ、そうとも言うね!その代わりと言ってはナンだけど、愛しいキミを甘やかすためなら、少しくらいの融通は利かせてあげられるよ?」
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