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122:ミッションクリアに向けて固める決意
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「……それじゃキミは、ダグラス家の安寧のためにライムホルン家に差し出された生け贄か、もしくは囚われの身の上じゃないか……」
熟考した末につぶやかれたブレイン殿下の声には、かすかな嫌悪感がまざっていた。
「……仕方ありません、跡取りでもない次男なんて、そんなものですよ。しょせんは、一族と領地の安寧を約束するための手駒でしかないですから。ブレイン殿下こそ、それはよくご存じのハズでしょう?」
それは、この世界で王族や貴族の家に生まれた以上、覚悟をしておかなければならないことだった。
ふだんは領民からの税収で、何不自由なく暮らしているからこそ、それをおさめる貴族には、彼らの暮らしを守るための義務が発生するという理屈だ。
そのためにはなにが必要なのかをかんがえた結果、我が家が出した結論は、当主の妻同士が姉妹という一点にかけ、ライムホルン公爵家を頼ることだったというだけで。
だからこそゲーム本編に出てくる、典型的な意地悪でイヤミなぼっちゃんタイプのテイラーでさえ、パレルモ様には盲目的なまでにつきしたがっていたんだ。
───つまりそれは家の繁栄のための手駒となることを、本人が受け入れていたということだもんな……。
この改変された世界のパレルモ様はゆるふわぼっちゃんだし、変に権力をふりかざしてイビってくることがない分、まだ原作ゲームよりも俺の立場的には楽だったし。
将来にしたって、ライムホルン公爵家でパレルモ様の補佐をするなら、サラリーマンとして会社で働くようなものだし、俺的にはたぶん耐えられる気がする。
「パレルモ様が生まれたときから、あの方に仕え、生涯に渡りその力となることを約束することで、我が家が庇護を受けているという事実もありますからね……」
それは、前世の『俺』の記憶にもある設定だった。
わかりやすく原作パレルモを金まわりのいい悪人寄りのキャラクターにするとき、当然のようにセットの取りまき連中はいるとして、彼らのキャラクター設定を決める際、あらゆることを手伝い、そして便利に使えるアイテムの出所として設定されたのが、テイラーだった。
おかげで原作ゲームのファンからは、その盲目的なまでのしたがいっぷりのせいで、テイラーは『パレルモの影』だとか『金魚のふん』だとか呼ばれてたくらいだもんなぁ。
ゲーム本編のなかではそのあたりに言及されることはなかったけれど、テイラーなりに覚悟をもってパレルモ様の取りまきをしていたんだって、その立場になってみた今ならよくわかる。
……まぁ、相当ストレスはたまっていただろうけども。
そんなわけで、俺がパレルモ様を裏切れば、すなわちそれはダグラス伯爵家からライムホルン公爵家にたいする裏切りを行ったと同義となる。
そんな裏切りをした家を、ライムホルン公爵は決してゆるさないだろう。
おそらく見せしめのように俺たち家族は処刑され、かろうじて命は助かったとしても身分の剥奪はまちがいなく、そうなれば当然のように領地や商会の経営権は代償として召しあげられ、すべてライムホルン公爵のものとなる未来は容易に想像がついた。
「いっそ悪人だらけの我が家が没落しようが、知ったこっちゃないと言えたらよかったんですけどね……こんな家でもおさめる領地もあれば、そこに暮らす民もいますし、我が家にからむ場所を勤め先として働く人間だっていますから」
そんな多くの人の人生に、俺のせいで少なからず良くない影響をあたえてしまうのだけはいただけなかった。
実際、寮内で部屋を移るときも、商会を通じて派遣してもらった職人さんたちは、いい仕事をしてくれたわけだし。
あのときに来てくれた彼らは、まちがいなくふつうに善人だった。
そんな人たちにまで迷惑をかけてしまうかもしれないのは、やっぱりよろしくないだろ!
「問題はライムホルン公爵閣下に、なんていいわけをするかですね……なによりパレルモ様本人から、俺がどう思われているかも重要ですし……」
「……すまない、キミがそんなに危うい立場にあるとは思っていなくて、私も浅慮だった」
とたんにしょんぼりと肩を落とすブレイン殿下の姿に、胸が痛む。
だから、そんな顔をさせたいわけじゃないんだってば!
別に俺がブレイン殿下のことを本当に拒否したかったなら、学校に訴えるでもなんでもすればよかったんだし。
こうして流されているのは、なかば俺の意思でもあるわけで。
「───あぁ、でも俺にも多少の打算はありましたよ?実際、あなたとすごす時間は、素の自分でいられるから楽というか、なによりお子さまのお守りから解放されるだけでも、十分その価値はありましたから!」
わざと声を高くして、冗談めかして言えば、力なくではあるものの、笑みをかえしてくれた。
この笑顔を自然とにじみ出るものに変えたいと願うなら、やっぱり俺はうまく立ちまわって、望む結末を手に入れられるように努力しなくちゃダメなんだって、そう決意を固める。
───でもあらためてかんがえてみないでも、このミッションて、難易度超級すぎないか!?
だってそのためには、いくつも越えなきゃいけない難所がある。
①世界に侵食して『物語創作者』の権能を奪った犯人を見つけること。
②ソイツから奪われた権能を取りもどすこと。
③正しい『星華の刻』のヒロインを取りもどして、かつブレインルートを選ばせないこと。
④原作どおりのワガママぼっちゃんなパレルモ様にもどったところで、断罪ルートを回避すること。
こうして列挙してみてもわかる。
……うん、かなりの無理ゲーじゃん!って。
かんがえるだけで、げんなりしそうだ。
それでも、と、うつむきそうな顔を持ち上げてブレイン殿下を見据える。
「俺、がんばりますから!あなたとの望む未来を手に入れるために、腕力も体力も、権力も足りないですけど───代わりに知恵をふりしぼるので!」
「っ!」
そうして、そのいきおいのままに宣言する。
そうだよ、俺には俺のスペックでできることを着実にやるしかないんだから。
───いや、ちがうな。
ここが弊社のゲームの世界なら、『俺』だからこそ、できることもあるハズだ!
かんがえろ、かんがえるんだ!
より良いシナリオにするために!!
なんたって俺は、『星華の刻』の本物のシナリオライターのひとりなんだから。
プロとしての矜持は、そう簡単に二次創作の作者になんて負けていられないと訴えてくる。
心のなかにともったその情熱の炎は、音もなく燃え広がっていったのだった。
熟考した末につぶやかれたブレイン殿下の声には、かすかな嫌悪感がまざっていた。
「……仕方ありません、跡取りでもない次男なんて、そんなものですよ。しょせんは、一族と領地の安寧を約束するための手駒でしかないですから。ブレイン殿下こそ、それはよくご存じのハズでしょう?」
それは、この世界で王族や貴族の家に生まれた以上、覚悟をしておかなければならないことだった。
ふだんは領民からの税収で、何不自由なく暮らしているからこそ、それをおさめる貴族には、彼らの暮らしを守るための義務が発生するという理屈だ。
そのためにはなにが必要なのかをかんがえた結果、我が家が出した結論は、当主の妻同士が姉妹という一点にかけ、ライムホルン公爵家を頼ることだったというだけで。
だからこそゲーム本編に出てくる、典型的な意地悪でイヤミなぼっちゃんタイプのテイラーでさえ、パレルモ様には盲目的なまでにつきしたがっていたんだ。
───つまりそれは家の繁栄のための手駒となることを、本人が受け入れていたということだもんな……。
この改変された世界のパレルモ様はゆるふわぼっちゃんだし、変に権力をふりかざしてイビってくることがない分、まだ原作ゲームよりも俺の立場的には楽だったし。
将来にしたって、ライムホルン公爵家でパレルモ様の補佐をするなら、サラリーマンとして会社で働くようなものだし、俺的にはたぶん耐えられる気がする。
「パレルモ様が生まれたときから、あの方に仕え、生涯に渡りその力となることを約束することで、我が家が庇護を受けているという事実もありますからね……」
それは、前世の『俺』の記憶にもある設定だった。
わかりやすく原作パレルモを金まわりのいい悪人寄りのキャラクターにするとき、当然のようにセットの取りまき連中はいるとして、彼らのキャラクター設定を決める際、あらゆることを手伝い、そして便利に使えるアイテムの出所として設定されたのが、テイラーだった。
おかげで原作ゲームのファンからは、その盲目的なまでのしたがいっぷりのせいで、テイラーは『パレルモの影』だとか『金魚のふん』だとか呼ばれてたくらいだもんなぁ。
ゲーム本編のなかではそのあたりに言及されることはなかったけれど、テイラーなりに覚悟をもってパレルモ様の取りまきをしていたんだって、その立場になってみた今ならよくわかる。
……まぁ、相当ストレスはたまっていただろうけども。
そんなわけで、俺がパレルモ様を裏切れば、すなわちそれはダグラス伯爵家からライムホルン公爵家にたいする裏切りを行ったと同義となる。
そんな裏切りをした家を、ライムホルン公爵は決してゆるさないだろう。
おそらく見せしめのように俺たち家族は処刑され、かろうじて命は助かったとしても身分の剥奪はまちがいなく、そうなれば当然のように領地や商会の経営権は代償として召しあげられ、すべてライムホルン公爵のものとなる未来は容易に想像がついた。
「いっそ悪人だらけの我が家が没落しようが、知ったこっちゃないと言えたらよかったんですけどね……こんな家でもおさめる領地もあれば、そこに暮らす民もいますし、我が家にからむ場所を勤め先として働く人間だっていますから」
そんな多くの人の人生に、俺のせいで少なからず良くない影響をあたえてしまうのだけはいただけなかった。
実際、寮内で部屋を移るときも、商会を通じて派遣してもらった職人さんたちは、いい仕事をしてくれたわけだし。
あのときに来てくれた彼らは、まちがいなくふつうに善人だった。
そんな人たちにまで迷惑をかけてしまうかもしれないのは、やっぱりよろしくないだろ!
「問題はライムホルン公爵閣下に、なんていいわけをするかですね……なによりパレルモ様本人から、俺がどう思われているかも重要ですし……」
「……すまない、キミがそんなに危うい立場にあるとは思っていなくて、私も浅慮だった」
とたんにしょんぼりと肩を落とすブレイン殿下の姿に、胸が痛む。
だから、そんな顔をさせたいわけじゃないんだってば!
別に俺がブレイン殿下のことを本当に拒否したかったなら、学校に訴えるでもなんでもすればよかったんだし。
こうして流されているのは、なかば俺の意思でもあるわけで。
「───あぁ、でも俺にも多少の打算はありましたよ?実際、あなたとすごす時間は、素の自分でいられるから楽というか、なによりお子さまのお守りから解放されるだけでも、十分その価値はありましたから!」
わざと声を高くして、冗談めかして言えば、力なくではあるものの、笑みをかえしてくれた。
この笑顔を自然とにじみ出るものに変えたいと願うなら、やっぱり俺はうまく立ちまわって、望む結末を手に入れられるように努力しなくちゃダメなんだって、そう決意を固める。
───でもあらためてかんがえてみないでも、このミッションて、難易度超級すぎないか!?
だってそのためには、いくつも越えなきゃいけない難所がある。
①世界に侵食して『物語創作者』の権能を奪った犯人を見つけること。
②ソイツから奪われた権能を取りもどすこと。
③正しい『星華の刻』のヒロインを取りもどして、かつブレインルートを選ばせないこと。
④原作どおりのワガママぼっちゃんなパレルモ様にもどったところで、断罪ルートを回避すること。
こうして列挙してみてもわかる。
……うん、かなりの無理ゲーじゃん!って。
かんがえるだけで、げんなりしそうだ。
それでも、と、うつむきそうな顔を持ち上げてブレイン殿下を見据える。
「俺、がんばりますから!あなたとの望む未来を手に入れるために、腕力も体力も、権力も足りないですけど───代わりに知恵をふりしぼるので!」
「っ!」
そうして、そのいきおいのままに宣言する。
そうだよ、俺には俺のスペックでできることを着実にやるしかないんだから。
───いや、ちがうな。
ここが弊社のゲームの世界なら、『俺』だからこそ、できることもあるハズだ!
かんがえろ、かんがえるんだ!
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なんたって俺は、『星華の刻』の本物のシナリオライターのひとりなんだから。
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