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宿敵と最愛の娘
妙案(エロ度☆☆☆☆☆)
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誰もなにも思いつかないまま、無言の時間だけが過ぎていく。
明日の昼には信繁達が着いてしまう。
それまでもう何刻余裕があるだろう?
「井頼、なにかないか?」
「・・・・・・申し訳ございません」
井頼が悪いわけではない。
元より死路に活を求める様な話だ。
「・・・・・・お麟は?」
「・・・・・・まだ」
「そうか、頼む」
そしてまた無言の時間が続く。
こんなことなら家康を殺しておけばよかった。
その影響力の高さから生かしたが、それこそが仇となった。
いや、正直に言えばお千に繋がる人間を殺したくなかっただけなのだ。
疾うに何度も読みこんだ羽柴家法では救済措置は一つしかない。
それは功で罪を贖うと言うもの。
「蝦夷の戦功はもう使った。秀忠に新しい戦功は無い上に、この救済措置はただの一度しか使えないことになっている。か」
「はい。何度も罪を犯す者はやはり救えません。もっと小さな罪ならなんとかしようもあります。ですが、謀反と言う大罪にとなれば・・・・・・」
ポツリと言った俺の言葉をお麟が拾い摘み取る。
全くもってその通りで俺もそれはよくわかっている。
秀忠は江戸城の無血開城だけではなく、その後の蝦夷の制圧の戦功を用いて徳川家を救ったことになっている。
一人一度。
あくまで救済措置でしかないこの抜け道はもう使えない。
やはり、他の者は見捨ててお千だけを助けるしか手はないのか?
果たしてそれでお千は満足するのだろうか?
そして、俺はお千を傍に置けずに満足できるだろうか?
ガラシャの様に屋敷に閉じ込めて・・・・・・。
「あの・・・・・・」
「なんだ? 桜」
正直、こういうところで桜の活躍は期待していない。
強奪計画の話だろうか?
「そ、その、ご飯を持って来ます。握り飯でよろしいですか?」
「・・・・・・せっかく戦から戻ったのに戦中食、か」
ハハ、と笑ってしまう。
気付けば皆お腹がクゥ~ッとなるくらいにはスカスカだ。
帰ったらお千やお麟にたらふく美味い飯を食わせてやろうと思っていたのに。
もう日本に帰ってからどのくらい経つだろうか?
「で、でしたら今からでも作ってもらいましょう」
「いや、もう皆寝ている時間だ。桜の下手くそな握り飯で良いよ」
「も、もう! 私はそんなに下手じゃないです」
まぁ、良くお梅と一緒に山にピクニックとかするみたいだし、その時は「母上が握り飯握ってくれるのぉ」なんてお梅も言っていた。
忍者になること自体は反対しているものの、その訓練自体は割と容認しているらし・・・・・・。
・・・・・・なんだ?
少し引っかかる。
「では陛下、少し失礼いたします」
「・・・・・・」
桜が立ち上がろうとするが、俺は頭を退けない。
少しでも体勢が変わったら引っ掛かりを忘れてしまう気がしたからだ。
「あの、陛下。握り飯を作ってきますので少し」
「・・・・・・動くな」
「は、はい」
桜の握り飯が引っ掛かるのか?
いや、それは別に・・・・・・。
お梅の忍び修行、か?
だが、それがなんだと言うのだろう?
そろそろおしとやかさを学ばせるとかか?
「違う、そんな事じゃない!」
「は、はい!?」
思わず勢いよく起き上がった俺に皆も驚く。
「なにかが引っ掛かったんだ!」
「っ!? ・・・・・・先程までの会話の中で、ですか?」
お麟が補足するように言ってくる。
それに答えるのも煩わしい。
「っああ、そうだよ! でもなんだったのかが分かんねぇ!」
頭をぐしゃぐしゃと掻きながら答える。
一体なにが?
「とにかく思い出せる限りで先程までの会話を思い出してみれば良いのでは?」
「そうは言っても話なんて大した話は・・・・・・桜の下手な握り飯?」
咄嗟に思い出したのはそれくらい。
「下手じゃありません!」
「違う、その前だ! 戦中食!」
それがなんだと言うのだろう?
井頼も桜も不思議そうにしている。
だが、俺とおそらくは今お麟も確かにとっかかりを感じたのだ。
「・・・・・・救済措置は一人一回・・・・・・」
「だが、まだお千はそれを行使していない・・・・・・」
成る程、やはり俺もこの時代に染まっていたということだろう。
明日の昼には信繁達が着いてしまう。
それまでもう何刻余裕があるだろう?
「井頼、なにかないか?」
「・・・・・・申し訳ございません」
井頼が悪いわけではない。
元より死路に活を求める様な話だ。
「・・・・・・お麟は?」
「・・・・・・まだ」
「そうか、頼む」
そしてまた無言の時間が続く。
こんなことなら家康を殺しておけばよかった。
その影響力の高さから生かしたが、それこそが仇となった。
いや、正直に言えばお千に繋がる人間を殺したくなかっただけなのだ。
疾うに何度も読みこんだ羽柴家法では救済措置は一つしかない。
それは功で罪を贖うと言うもの。
「蝦夷の戦功はもう使った。秀忠に新しい戦功は無い上に、この救済措置はただの一度しか使えないことになっている。か」
「はい。何度も罪を犯す者はやはり救えません。もっと小さな罪ならなんとかしようもあります。ですが、謀反と言う大罪にとなれば・・・・・・」
ポツリと言った俺の言葉をお麟が拾い摘み取る。
全くもってその通りで俺もそれはよくわかっている。
秀忠は江戸城の無血開城だけではなく、その後の蝦夷の制圧の戦功を用いて徳川家を救ったことになっている。
一人一度。
あくまで救済措置でしかないこの抜け道はもう使えない。
やはり、他の者は見捨ててお千だけを助けるしか手はないのか?
果たしてそれでお千は満足するのだろうか?
そして、俺はお千を傍に置けずに満足できるだろうか?
ガラシャの様に屋敷に閉じ込めて・・・・・・。
「あの・・・・・・」
「なんだ? 桜」
正直、こういうところで桜の活躍は期待していない。
強奪計画の話だろうか?
「そ、その、ご飯を持って来ます。握り飯でよろしいですか?」
「・・・・・・せっかく戦から戻ったのに戦中食、か」
ハハ、と笑ってしまう。
気付けば皆お腹がクゥ~ッとなるくらいにはスカスカだ。
帰ったらお千やお麟にたらふく美味い飯を食わせてやろうと思っていたのに。
もう日本に帰ってからどのくらい経つだろうか?
「で、でしたら今からでも作ってもらいましょう」
「いや、もう皆寝ている時間だ。桜の下手くそな握り飯で良いよ」
「も、もう! 私はそんなに下手じゃないです」
まぁ、良くお梅と一緒に山にピクニックとかするみたいだし、その時は「母上が握り飯握ってくれるのぉ」なんてお梅も言っていた。
忍者になること自体は反対しているものの、その訓練自体は割と容認しているらし・・・・・・。
・・・・・・なんだ?
少し引っかかる。
「では陛下、少し失礼いたします」
「・・・・・・」
桜が立ち上がろうとするが、俺は頭を退けない。
少しでも体勢が変わったら引っ掛かりを忘れてしまう気がしたからだ。
「あの、陛下。握り飯を作ってきますので少し」
「・・・・・・動くな」
「は、はい」
桜の握り飯が引っ掛かるのか?
いや、それは別に・・・・・・。
お梅の忍び修行、か?
だが、それがなんだと言うのだろう?
そろそろおしとやかさを学ばせるとかか?
「違う、そんな事じゃない!」
「は、はい!?」
思わず勢いよく起き上がった俺に皆も驚く。
「なにかが引っ掛かったんだ!」
「っ!? ・・・・・・先程までの会話の中で、ですか?」
お麟が補足するように言ってくる。
それに答えるのも煩わしい。
「っああ、そうだよ! でもなんだったのかが分かんねぇ!」
頭をぐしゃぐしゃと掻きながら答える。
一体なにが?
「とにかく思い出せる限りで先程までの会話を思い出してみれば良いのでは?」
「そうは言っても話なんて大した話は・・・・・・桜の下手な握り飯?」
咄嗟に思い出したのはそれくらい。
「下手じゃありません!」
「違う、その前だ! 戦中食!」
それがなんだと言うのだろう?
井頼も桜も不思議そうにしている。
だが、俺とおそらくは今お麟も確かにとっかかりを感じたのだ。
「・・・・・・救済措置は一人一回・・・・・・」
「だが、まだお千はそれを行使していない・・・・・・」
成る程、やはり俺もこの時代に染まっていたということだろう。
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