過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

文字の大きさ
3 / 122
第1章 最愛の女神と旅立ち

~悪戯と衝撃~

しおりを挟む
『お話を進めますね。加護とは特別な力のことを指します。これから皆様が向かうイリアスは、剣と魔法がおりなす世界となります。当然魔物などもおりますので、今のまま向かわれましても当然すぐ死んでしまいます。そうならないよう、私から皆様に戦えるだけの力を授けさせて頂きます。』

「それは所謂、チートというやつでしょうか?」
別の生徒から質問が上がった。

「チートって、なに~?」
「しらねぇのか?すごいスキルなんだよ」
「いやいや、スキル?とか知らないし」
「知らないなら黙ってろよ」
「これからみんなで頑張っていくんだから、そんなこと言わないでよ!」
「え?みんな一緒に頑張るの?やりたくないんだが?」
「は?」
「え?」

様々な生徒から声が上がった。

(そうだよなぁ。チートとかスキルとか知らない奴は知らないよな。こんなのラノベや小説、ゲームあたりに興味ないと知り得ない情報だしな)

『さようでございます。イリアスに住まう人々よりも秀でた才能になります。』

(あれ?サクッと知らない奴の質問スルーしちゃったよ?面倒くさくなった?)

『本来そこに住まう人々には手に入らない強力な力となりますので、使いこなして頂ければそうそう安々とは死なないでしょう。皆様にはその力を行使するだけの実力があります。ぜひとも加護をもとに魔王を打ち倒してほしいのです。』

「どうする~?なんかすごい力みたいじゃない?」
「死なないんなら私は構わないかな~」
「転移ものでチートはお約束なんだぜ?勇者ってやつ!」
「僕もゆ、勇者になれるのかな?」
「私も勇者なんでしょ?イケメンの王子様とかいるかな?」
「鏡見ろ、ばか」
「俺チート貰ったらハーレム作るんだ・・・」
「お、おま!それ死亡フラグだから!」

(完全に浮足立ってるな・・・。まぁいいけど。てか、誰も死なないとは言ってないだろ。大丈夫か?修業しないと死ぬぞ?)

クラスの大半が浮足立つ中、俺は意を決して質問する。

「なぜ、俺達が選ばれたんですか?アウラ様が管理する世界の住人でもよかったのでは?」

クラス全員の視線が俺に注がれる。アウラ様もびっくりしたような視線を向ける。
それらの視線の意味は、お前居たの?、と暗に伝わってくるかのようだ。

(いましたよ、最初から!影薄くてすいませんね!てか、何気にアウラ様ひどくね?)

『失礼しました。影は・・・薄くはありませんよ?ご質問の件ですが、皆様のいた場所から強力な魔力を感じたからです。私が管理するいくつかの世界の中と比較してもとびきり強い魔力を感じた為、別の神が管理する世界の住人を召喚させて頂きました。本来であればその強力な魔力を宿している方だけでもよかったのですが、特定することが難しくこのような措置を取らせて頂きました。』

(ふぅん、誰だかは知らないが強力な魔力ねぇ。いちお筋は通ってるかな。てか、別の神が管理してる世界の住人を勝手に召喚していいのか?ん?・・・あれ?心読んだ?)

『ふふ、心ぐらい読めずして神にはなれませんよ?それに皆様方の世界を管理している神には了解を得ています。私の後輩ですから。今は新婚旅行に出かけていますよ』

(・・・!!!神様って結婚するの!?いや、下位神はどうのこうの言ってたし、上位神もするよな。いやいや、ツッコむところはそこじゃない!心読むとかさすが神!それにさっきの微笑みはまさに美の女神にふさわしい。ちくしょう、旦那がうらやましいぜ!リア充、爆ぜろ)

『面白い方ですね。褒めても何も出せませんよ?それに私はまだ独身ですから、爆ぜなくてもよろしいですよね?』
冗談にもノッてくれるアウラ様がにっこりと微笑む。

「あの・・・心読むのやめてもらえます?」
苦笑しか出ない

(敵わないなぁ。でもやっぱり女性の笑顔はいいもんだ。アウラ様の笑顔を守れるなら頑張ってみるのもいいかもしれない、いつまでも見ていたいしな!)

『え・・・?』
顔がみるみる紅潮していくアウラ様、ついには俯いてしまった・・・

「だから!心読むの本当にやめてください!お願いします!」
こっちも恥ずかしくなるから勘弁してください。

「んん、アウラ様。イリアスの男女比率を伺ってもよろしいですか?」

なんだかまだ顔が赤いような気もしなくないアウラ様だが、そこはキャリアウーマン!

『イリアスでは、人族・魔族・竜人・獣人・妖精族(エルフ含む)・亜人総合で、男4・女6の比率となっています。これは戦争が原因で男性が少なくなっているためです。』

「ということは、結婚観に関しては一夫多妻であると?」

『その通りです。たくさんの子を成さなければ、その種族は滅びてしまいますから。ちなみに種族が違いましても妊娠する薬がありますのでご安心ください。体にも負担がかからない薬です。そのあたりはどの世界よりも発達していると自負しております』
ドヤ顔で胸を張るアウラ様。揺れる胸がないんですけどね。

「ありがとうございます!」
(これでアイツらにも・・・)

『あら?どなたかお心あたりがあるんですか?妬けますね』

「ぶっ!?」

アウラ様の冗談とも取れる発言の後、この神界にある空間の温度が一気に下がったような感覚を感じた。
それは主にクラス全員から、いや、正確にはクラスの女子からの冷たい視線によるものだ。
むしろ野郎どもからは、励ましや感謝、勇気を讃えるかの如く視線が送られてるような・・・

(はっ!有象無象の女どもの視線なんてどうでもいい!たまちゃんだ!たまちゃんにだけは軽蔑されたくない!)

たまちゃんをチラリとみやる。
既に起きているのは確認済みだ。
たまちゃんはじゃれている、猫じゃらしでじゃれている。

(お前、猫かよ!ねぇ、婚活中なんだよね?アピール欄に、私猫なんです、とか書いてないよね?てか、猫じゃらしどこから出てきた?白鷺?)

俺は戦慄した。
たまちゃんはたまちゃんだから、今更驚かない。
むしろ白鷺が猫じゃらしであやしたり、今の状況の空気を全く意に解していないからだ。

白鷺あかり

俺はこいつを知っているようで、知らない。
幼稚園から現在まで、同じ組、クラスで一度も別々になったことはない。
仲は良くもなく悪くもなく、会話を全くしない訳でもない、家も近からず遠からず、幼い頃はたま~に遊んだことがある?、もちろん将来結婚の約束はしていない。
幼なじみ?友人?彼女?他人?どれもがイマイチぴんとこない関係なのだ。
ただ一つ確実にわかることは、超マイペースでド天然。
欲望にまみれている俺にとって、最も恐怖を感じる相手である。何を考えてるのか全くわからない・・・

(まぁ、何も考えてないんだろうな。可愛いくて胸が大きいのにもったいない・・・)

白鷺あかりと委員長の黒川凪は、クラスのいや、学園内でもNo.1、2に選ばれるほどの人気だ。

白鷺あかりは、身長160ほどで、容姿端麗、病気なのでは?とも感じる程とても肌が白い。黒髪のロングストレートで腰のあたりまでしなやかに伸びている。まさに大和撫子とは白鷺のためにある言葉だ。ちなみに彼女は健康体そのものだ。そしてとても大きい、あふれんばかりだ。なにがって?お山だよ!ちなみに頭はいい。

一方黒川凪は、身長155ほどで、眼鏡委員長、容姿は綺麗というよりも可愛い?やや釣り目であり、ポニーテールがなんとも可愛いらしい。文学系のように見えて実は体力ばか。陸上部に所属していて、運動時はコンタクトになる。眼鏡着用時と素顔がどちらも可愛いと、人気がある。ちなみにおばか。ぺったんこほどではない、でも大きくはない。


「アウラ様・・・。心を読むのはほどほどにお願いします」
疲れた、とても疲れた。

『冗談ですよ。では他に質問がないようならお話を進めますね。皆様魔王討伐にご協力頂けたと思ってよろしいでしょうか?』

誰も異議を唱えない。
無言を承諾と承けとったアウラ様は話しを進める。

『では、最後に女神の加護を皆様に与えて転移して頂こうと思います。与えられる加護の数はそれぞれランダムとなります。不公平にならないよう、サイコロを使って各自に与える加護の数を決めさせて頂きます。』

「え?サイコロ?」
「サイコロって昭和くさくね?」
「あ~、俺運ないからきっと1だわ」
「誰かインチキでもいいから、6出す方法知らないか?」
「男子うるさい!」
「男子、必死すぎない?」

(まぁ、男なら騒ぎたくなる気持ちはよくわかる。俺TUEEEできるかどうかの瀬戸際だしな。俺も6なら嬉しいが、1でもいいかな)

『では私の部下達を配置しましたので、どこの窓口でも全く同じです。順番に並んでください。』

アウラ様が指差す先には4つの窓口が設置されていた。
クラスの男子は我先にと窓口に殺到した。
そんな男子を呆れ顔で見る女子達も次々と整列し始めた。
俺は面倒くさかったので、一番近い窓口に並んだ。最後尾だった。

(さすが日本人!きれいに並ぶな~)

などとくだらない考えをしながら自分の番まで待つ。
多少待っただろうか。

「はい、次の方どうぞ~」

(よし、ようやくか。後すこしでアイツらに逢える・・・)

意気た揚々と窓口に腰掛ける。

(挨拶は大事だよな、元気よくいくか!)

「よろしくお願いし・・・え?」
「うん?・・・え?」

お互い顔を見合わせ、目が点になっている。

「「ええええええぇぇぇぇぇぇぇ」」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

処理中です...