過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

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第4章 純愛の撫子とSランク冒険者

~情愛の想いと貪愛の想い~情愛再び①

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会話パート

「」ユウジ 『』エステル {}リア 〔〕ヒルダ

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評価・感想頂き誠にありがとうございます
 またお気軽に評価・感想を頂けたら嬉しいです

 これからも『過去と現在を結ぶ異世界ストーリー』をよろしくお願いします


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『居住区』ユウジ邸・晩夏10月1日

 夏休みだ。今日から夏休みである
 そして今日は暦の上では休日にあたる
休日となればオークションが開催される
 オークションにはユニークアイテムを求めて参加する予定だ
今日の俺の予定はオークションへ行くのと・・・リアとのデートだ。・・・どうしてこうなった!?

 時は昨日まで遡る

□□□□

『迷宮区』冒険者ギルド・早夏9月30日

 {私、ユウジさんを追いかけてエクスペインまで来ちゃいました!言いましたよね?諦めないって!}

 「ど、どういうこと?追いかけてきた?そもそも俺がなんでエクスペインにいるのがわかったんだ?」
 意味がわからないぞ?仕事は?受付嬢にも長期休暇とかあるのか?

 {はい、追いかけてきました!実は私、副ギルド長になったんですよ?エクスペイン支部の!ユウジさんが発行してくれたクエストのおかげです。ありがとうございます!}

 「マジ!?おめでとう、リア!じゃなくて!副ギルド長なのはわかったがなんでエクスペインに?俺、リアに場所言ってないはずだよな?」

その後リアに俺がエクスペインにいるであろう推測の経緯を教えてもらった
確かに筋の通った推測ではあるのだがあくまで推測の範囲でしかない
確証はないが多いに可能性があるといった感じだろうか
可能性があるのはわかる、わかるのだが・・・

「・・・え?それだけの可能性で職場を変えたの?俺がいない可能性もあるのに?いなかった場合とか考えなかったのか?」
 可能性は可能性でしかない。しかも職場を変えるとなるとさすがに

{ユウジさんにとっては『それだけ』にしか過ぎないのでしょうが、私にとっては違います。私にとっては『それでも』十分なぐらいの理由になります。いなかった場合なんて考えてませんし、考える必要もありません。いなかったならまたユウジさんがいそうな場所に異動するだけです。少しでもユウジさんがいそうな可能性があるならそれが私の異動する目的になるんです。私は言いましたよね?諦めるつもりはありません。どこまでも付いていきます!}

 (・・・す、すごいな。不屈の精神というかなんというか・・・。リアの場合は俺やサーシャとかとは事情が違うからな。俺らは自由気ままに旅に出れるし、拠点を簡単に移せるし、生活もできる。でもリアの場合は違う。気ままに旅なんて出れないし、拠点なんて移してたら仕事がなくなるし、仕事をなくしたら生活ができなくなる。普通可能性だけで行動するなんてなかなかできないはずだ。そこには並々ならぬ決意があったはずだ。まばゆいぐらいに美しい決意が・・・。これがリアの戦いなのか。この挫けない行動力、これこそが尊敬に値するリアという人そのものなんだよな。ただただ愛おしい。それに・・・)

 俺はリアの耳元にそっと手を伸ばす

これ情愛のイヤリング、付けてくれてるんだな?」
 {当たり前ですよ。私にとっては命の次に、いいえ、命よりも大切なものですから!・・・それに付けてくれって言ったのユウジさんじゃないですか?}

 確かに言った、言ったよ?
でもフラれた相手から貰ったものを普通付けるか? 
いや、リアにとってはフラれることすら問題にならないのか
本当に不屈の精神だ

「命より大切って大袈裟なやつだな。・・・でもありがとう」
 『{あ・・・}』

 体がリアを欲していたのか自然とリアを抱きしめていた
 ただただ愛おしいリアを抱きしめたい。その気持ちの表れだろう

 しばらくリアを抱きしめていた
 リアの体の温もりが伝わる。ずっとこうしていたい・・・
 しかしそうしてはいられなかった。
ギルドの中というのもあったがなによりも、

 『お師匠様!なにをしておるのじゃ!離れるのじゃ!』
・・・え?どうしたんだ?エステル?

そうエステルがなぜかご立腹なのである
魔法学校ではこれぐらいのこと日常茶飯事なのは知ってるはず。主にシャルやアオイに対してだが
 いつものエステルなら素知らぬ顔で流しているのになんで?

 〔え?ユウジさんと副ギルド長、お知り合いだったんですか?〕
うわっ!ヒルダまで回復しやがった!まずい展開だ

 ヒルダまで参戦してくると非常にめんどくさいので、リアの手を引いて・・・・・俺達は冒険者ギルドの外へと移動した
 なんとかやっかいな状況から脱した俺は一息ついていたら、

 『お師匠様!早く手を離すのじゃ!』
うぉ!?びっくりした。だからどうしたんだ、エステルは?

すごい剣幕で詰め寄ってきたので思わずたじろいでしまった
 なんか凄い怒ってるぞ!?好感度駄々下がりしてるのか!?
まずい!非常にまずい!と、とりあえず手は離そう
俺が慌てふためているとリアが、

 {ユウジさん、その子は?随分親しそうですが?それにヒルダとも随分仲がよろしいみたいですね?}
そう言ってリアがにっこりと微笑む

(笑顔だ。とてもきれいな笑顔なんだ。でも目が笑ってない・・・。きょわいよ!。それになんか妙なオーラも感じる。こ、これは怒っていらっしゃるのでしょうか?目の前のリアも、エステルも怒ってるとかどんな拷問だよ!とりあえずリアが怖いし、エステルのことは魔法学校の友達として紹介しとくか・・・)

 「こ、この子はエステル。魔法学校でのともだ・・・」
 『妾はお師匠様の彼女なのじゃ!』
 「{・・・え?}」

 俺とリアは一瞬キョトンとした
 ・・・エステルさん?今なんと?俺の彼女だと!?

 (つ、ついにデレたのか!?確認だ!確認しないと!神眼!・・・だからなんで付かないんだよ!彼女だって言ったんだぞ!?・・・もしかして気持ちから言ったんじゃなく、勢いで言っちゃった系か!?)

 {ユウジさんの彼女?あなたがですか?}
リアがなめまわすようにエステルを見つめる

 これどうなるんだ?展開が読めん・・・
 なんかエステルとリアの間で火花が散ってる気がする
俺はただ自然の流れに見を任せているしかできなかった
 しばらく女の戦い?が続いていたが終わりを告げたのはリアだった

{ユウジさん、今からデートをしましょう!}
なんで!?またこの展開!?てか仕事は?

 「し、仕事は?」
 {ちょっと待っててくださいね}

リアがギルドのほうへ体の向きを変えた
読める、読めるぞ!この後の展開ならな!

 「ちょっと待ったああああ!また早退するつもりだな!?」
 {そうですが、なにか?}
なにか?じゃねぇ!なんで当たり前ですが?みたいな顔してるの!

 「さすがにヒルダに、他のみんなに迷惑がかかるだろ?しかも今のリアは責任ある立場だ。正当な理由のない早退はやめたほうがいい。デートならまた今度にしよう。それなら文句ないだろ?」
 先延ばしだ!TORIAEZUが大事だ!先延ばししよう!

 {そうですか。・・・なら明日ですね!明日はギルドもお休みですし}
え?明日?確かに明日は休日だが・・・

「あ、明日はオークションに行く予定が・・・」
 {構いません。一緒にいきます}
はぁ!?一緒にくる!?なにかテキトーな理由はないか!?

 「あ、明日は武術大会の鍛練もしたいし・・・」
 {構いません。見学してます}
おふ!?確かに鍛練なら見学できるか。ほか!ほかだ!

 「め、迷宮にも行っちゃおうかな~なんて?」
 {構いません。付いていきます。ユウジさんレベルなら私を護って戦うぐらい楽勝ですよね?}
ぶっ!?確かに余裕だが・・・。ほかには・・・

「そ、それから・・・」
 {・・・ユウジさん。今から早退してきますね}
 「なんで!?」
 {明らかに先延ばししようとしてますよね?だからです。今からデートするか、明日デートするか決めてください}

 (拒否権なしかよ!相変わらず強引だな!かと言ってリアの熱意を断るのは可哀相だし・・・。今からだとギルドに迷惑かかるし、なによりエステルがいるから無理だ。明らかにエステルが不機嫌だし。これ以上臍を曲げられたらエステル攻略に支障が出る。仕方ない明日にするか)

 「じゃあ明日にしよう。先程も言ったがオークションに行く予定あるからな?それでもいいんだよな?」
オークションだけは絶対譲れない!最重要課題だ!

 {はい!ありがとうございます!ユウジさん!明日を楽しみにしていますね!}
まばゆいばかりの笑顔をみせるリアはとても美しかった

 この笑顔が見れたから明日のデートもまぁいいか
 リアの熱意に応えてあげたい気持ちは確かにあったし
 とりあえず明日は家族にバレないようにしないとな

 その後リアと別れた俺とエステルは帰途についた
帰り道話しかけたが仏頂面をしていたエステルは口を聞いてくれなかった
俺が慌てふためていたのは言うに及ばないだろう


 そして冒頭に戻る

□□□□

『中央区』待ち合わせ広場・9時10分

ここは以前セリーヌ達と待ち合わせた場所だ
 やはりここが定番らしい。今日は休日ということもあって人が多い
 リアとのデートが家族にバレないよう、みんなのスケジュールを綿密に確認した

 サーシャとセリーヌは鍛練するらしい。それいつも通りだよね?今日ぐらい休んだら?
アオイとサリーは魔法学校の夏休み課題をするらしい。それもいつも通りじゃない?真面目すぎだろ!
サラとミーはお料理教室を開くらしい。それもいつも通りだな。いや、違った。今日は子供料理教室だったな
詩乃はサーシャの世界でスイと何かをするらしい。こいつらは最近いろんな物を創りだしている
 ハリーとアイサは魔山や帝国の迷宮に行くらしい。既に二人とも魔山クラスなら余裕になっている

大丈夫なはずだ。バレないはず
 しかしきっとテンプレ先輩が待機しているはずだ
 だから俺は用心するためにこいつを使用する

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
$¥¢&@の指輪 レア度:¢$
 ~~~~~~解析中~~~~~~~~~~~~~~~~~
 『獄尾獣ファブロスの指輪』 レア度USSR
ユニークモンスターからのドロップ品
 効果は『擬態』。擬態対象を任意で指定(魔力依存)
 使用者の任意で擬態の有無が可能
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ユウキから奪ったユニークアイテムだ
 ユニークアイテムの面白い所は所持をするとちゃんとアイテム説明がでるところだ
所有者のみがわかるアイテムらしい。非常に便利だ
神眼でも人間?ぐらいまでだったから見破るのは無理だ
今回はこれを使ってリア以外にはさわやかイケメンに見えるよう擬態した
 テンプレ先輩ざまぁ!お約束はいらないんだよ!

ちなみにレア度の比較はこんな感じだ
『N<R<SR<SSR<UR<USR<USSR<LR』
レジェンドの一個前のレアなのでなんとなく凄いのはわかってもらえたと思う

擬態までしたのだから家族にはバレる心配はない
 そう安心して広場でリアを待っていた
待ち合わせ時間は9時30分だ。少し早いがリアを待たせるよりかは全然いい
 のんびり待っていたら見慣れた人物が広場にいた

赤くデカいリボンで金髪碧眼の縦ロールドリルヘアー
身長はかなり低いのに体が動く度にぶるんぶるんとたゆたう凶悪な山脈をこしらえている。・・・鷲掴みたい!
いやいや、違う!それはモノにしてからだ!色魔、色魔!

 (えっと。エステルだよな?なんでここにいんの?今日デートするの知ってるよな?まさか尾行するつもりか?それなら変装しろよ!昨日口を聞いてくれなかったら今日の予定聞けなかったんだよな。俺のことは擬態でわからなくてもリアでバレちゃうし、仕方ない。声かけるか)

 擬態効果対象を解除してエステルに話しかける
尾行するにしても堂々としすぎている

「エステル。なんでいんの?」
 突然話しかけられてエステルはびっくりしていた

『・・・お師匠様が言ったではないか!夏休みの間、可能な限り一緒にいろ、と。だから今日も一緒なのじゃ!』
え?そりゃ言ったが今日デートだぞ?時と場合があるだろ!

 話をするといちお理解した上で来たつもりらしい
 それでも一緒に行くと言って聞かない
 エステルは俺の服の袖を掴んで離そうとしないつもりだ
俯いて少しプルプルと震えてもいる
震えているのは拒まれる恐怖か不安からだろうか?
いつもの勝ち気なエステルではない姿に興奮を覚える
 できればこのままエステルをいじめて楽しみたいものである
 しかし今日の主役はリアだ

「デートなのは知ってるよな?今日の主役はリアだ。リアに確認して許可がでたら一緒でいい。ダメだったら諦めろよ?」
 『わかったのじゃ!ありがとうなのじゃ、お師匠様!』
うっ。凄く可愛らしい。主役を差し置いて惚気るのもな

俺が考えた妥協案は3人デートだ。まぁリア次第だけどな
 いちおリアの中ではエステルは彼女になっているはずだ
彼氏を心配する彼女がついてきた、みたいな構図なのだろうか?
 彼女持ちをデートに誘う女を警戒するのは当然であり、やましい気持ちがないなら3人でもいいよね?と。
そこまでエステルが考えていてくれたら嬉しいものだ

(そうだっらいいなぁ~。でもそこまで考えるなら愛情スキルはあるはずなんだよな~。エステルの様子も魔法学校にいる時と違ってなんかおかしいし)

しばらくエステルと会話をしながらリアを待つ
 てかこれ端から見ると明らかにエステルとデートしているように見えるんじゃないか?
リア怒らないかな?オラ心配になってきたぞ・・・

{ユウジさん、お待たせしました}
 待ち合わせ時間の5分前だ。ちゃんと時間は守るのな

声を掛けてきたリアを眺める
 デートなのだからまずは服装を誉めるのが一般的だ
 ただリアに関しては気遣う必要はなかった

白のトップスに白のショートパンツ
 トップスとショートパンツはよく見ると花柄が象られている
白く薄い絹地のカーディガンを羽織り、白のミュールを履いている
夏の暑さに合わせた大人なカジュアルファッションだ

(う、美しい・・・。さすがお姉さんだ。うちの年上達はあまりファッションに興味ないから余計そう感じる。軽やかな服装なのに大人な雰囲気を纏い、なによりも・・・太股が眩しいすぎる!どうしても太股に視線がいってしまう!)

 「すごくきれいだ、リア。とても似合っている。見惚れたぞ!」
 {あ、ありがとうございます。ユウジさん}
やば!照れているリアはなおさら可愛いな!

 『むっ』
おっと。リアに見惚れ過ぎていたか。エステルが臍を曲げそうだ

{ところでこれはどういう状況でしょうか?}
やっぱり気になるよね。気付かないほうがおかしい

 リアにはエステルが俺に付いていきたい旨を話した
俺の服の袖を掴みながらリアを見つめるエステル
 そんな状況のエステルを見つめるリア
 う~ん。これ周りから見たら親子に見えるのかな?
とりあえずリアの答を待つか・・・

{はぁ~。別にいいですよ?気になっている・・・・・・・男性なら心配するのもわかりますから。よろしくお願いします、エステルさん?}
ええ!?いいんだ!?これが大人の余裕ってやつか?

 『よろしくなのじゃ、リア!』
あっ。年上でも呼び捨てなのね。リアも気にしてないしいいか

 こうして3人のデートが始まった
 なにもないことを祈るのみだ

 なにもないことを祈ってたのに早速あった
 デートを開始して市場に向かおうとした時にリアが手を握ってきた
以前は腕組だったからそこらへんはなにか線引きがあるのだろうか
手を繋ぐぐらいはデートだし構わない。構わないのだが、リアとスキンシップを図るとエステルが決まって不機嫌になる

「エ、エステルも手を繋ぐ?」
 『妾は別にいいのじゃ!』

 (いやいやいや!エステルさん、明らかにご機嫌斜めですよね!?スイ同様素直になれないタイプか?スイの場合は明らかにして欲しそうな態度がでるが、エステルは完全にそっぽを向いちゃう意地っ張りなのか?貴族故のプライドが邪魔をしちゃうのか?)

とりあえずあまり険悪になるとリアに悪いので強引にエステルと手を繋いでみた。嬉しそうな顔がチラッと見えたので正解だったみたいだ。相変わらずそっぽを向いてはいるが
 もうめんどくさいのでエステルには強引にいこう! 
 今日はリアが主役なんだから!そこはしっかり線引きしないと!

□□□□

『中央区』市場・10時00分

さすが休日ともあって普段見ない露店などもある
 この市場を見ているだけでもかなり時間を過ごせそうだ
 オークションは13時からだ。昼食をすませた後行きたい

{ユウジさん、あれ!あれ見に行きましょう!}

 相変わらずリアはぐいぐい先導していく
引っ張られるように連れて来られたのは利き酒ならぬ利き果実水の露店だ
 どの地方の果実水なのかを飲み当てるゲームのようだ

 リアとエステルは真面目に飲み当ててるようだが、もちろん全部は正解しない。当たり前だろう
 だが俺は違う。神眼があるからな!神眼は全てを見通す目だ
飲まなくても答えはわかるのだがいちお飲まないと怪しまれる
華麗に全部当てる俺に観衆だけでなくリアやエステルも沸き立つ

{ユウジさん、凄いです!}
 『さすがお師匠様なのじゃ!』
 「俺にかかれば余裕だよ、余裕」

 (これは気持ちいい!神眼様様だな!ありがとう、ヘイネ!美少女達の尊敬の眼差しがまぶしいよ!)

 {ユウジさん、次はこれにしましょう!}

またしばらく露店を見て回っている時にリアが次の良さそうな出し物を見つけたようだ
次に見つけてきたのは・・・マジックじゃねぇか!
てか魔法がある世界なのにマジックってどうなの?
 魔法使ったからだろ!とか言われたりしないのか?
まぁ見てみたら演目は定番なマジックばかりだった

最初のマジックはカップの中のボールが移動するものだ
用意された赤青白の3つのカップのうち白のカップにボールを入れて3つのカップを数回動かす
 そして最終的にどのカップにボールがあるかを当てるマジックだ

{?白じゃないんですか?}
 『どのカップ以前に白なのじゃ』
 「ぶふっ。青だな」

 見事当てたのは俺だった。神眼で見えてたしな
実は神眼でなくても答えは分かっていた

{えええ!?いつのまに移動したんですか!?}
 『なぜじゃ!?なぜ移動したのじゃ!?魔法か!?』
 説明を求められたから答えてあげることにした

「移動した理由は簡単だよ。カップに細工がある。演者側の方を向いてるカップそれぞれに穴が開けられている。観客側には見えないからわからないよな。そしてカップの動かし方でどのカップに入れるか自由に決められるんだよ」

 {はぁ~ユウジさん、物知りですね~}
 『さ、さすが妾のお師匠様なのじゃ・・・』
 「まぁ俺だからな!当然の結果だ!」

その後も定番なマジックが続いた
手の平にある銅貨が一瞬でグラスの中に移動するものや、
トランプマジックの定番選んだカードを当てるリターンカード、
などなど子供でも簡単にできるマジックの数々だ
全て種は知っていたのでリアとエステルに種明かしをする 

 {ユウジさん、強いだけでなく博識なんですね。益々ユウジさんを諦めたくなくなりました!}
 『お師匠様がこれほどとは・・・。さらに見直したのじゃ』
いや見直すんじゃなく、見惚れてくれよ!

 周りの観衆もどうやら俺の種明かしを聞いていたようだ
歓声が沸き起こる
 これには俺も演者も苦笑するしかなかった
俺は演者にしてみれば演目潰しもいいところだ
俺とリアとエステルはその場を急いで立ち去ることにした

 そろそろ昼飯にしようかと思っていたら急にエステルがある露店前で立ち止まった。何事か?と思い露店を覗いてみると、

 『お師匠様!ふわふわなのじゃ!』
 {確かに可愛いですね!}
 「ひよこも販売してるのか、なんでもありだな」

 珍しいひよこ販売店だった。確かにふわふわだ
 やはり女の子が小動物と戯れている姿は絵になるというかなんか微笑ましい。まぁひよこを小動物扱いしていいかは疑問だが
 しばしひよこと遊ぶエステルやリアを眺め癒されていたが、ひよこと言えど所詮は畜生だった

『ひゃん!くすぐったいのじゃ!』
 {きゃっ!もうげんきいっぱいですね!}
 「こ、こいつらひ、ひよこ共!本性を現しやがったな!いくらふわふわだろうがそれは許さん!そこは俺の場所だぞ!」

エステルが持っていた猛獣ひよこはあろうことか豊満な山脈へとダイブしやがったのだ!
そしてリアが持っていた禽獣ひよこもあろうことか柔らかそうな太股へとダイブしやがったのだ!

さすがの俺もこの性獣共ひよこ共の暴挙には我慢の限界だった
持てる力の全てを使って、エステルの山脈から猛獣ひよこを、リアの太股から禽獣ひよこを優しく回収して、エステルとリアの手の上に戻した

 イリアスにきて本気を出した最初の相手は『ひよこ』でした

『お師匠様!?』
 {ユウジさん!?}

 俺のあまりにも素早い畜生ひよこ回収劇に驚くエステルとリア
男には譲れない戦いがあるのだよ、二人とも!

 「二人のそこ胸と太股は俺の場所だから。それだけは譲れん、絶対だ!」

 二人とも苦笑していたが、それだけは何者にも譲れない
 その後も俺と性獣ひよこの戦いは続いた
明らかにリアがわざと仕組んでいた。お姉さんはあざとい

 そのままたっぷりとふわふわを堪能した俺達はひよこ売り場を跡にして昼食へと向かった

□□□□

『中央区』カフェ・11時45分

オークション前に昼食を済ませたい俺はリアの案内でカフェへ来た。さすがの俺も慣れたもんである。緊張は少なかった
注文した昼食を各自済ませ、今は食後の紅茶を楽しんでいる

{やっぱり紅茶はエクスペインよりイシスの方が美味しいですね}
 「俺にはよくわからないな。これも美味いが」
 『イシスは名産地と直接交易しておる紅茶輸入国じゃからな。だからエクスペインより味がいいのは当然なのじゃ』

 「{へぇ~。そうなんだな(ですね)}」
リアも知らなかったのかよ!紅茶好きなのに!

 「名産地ってどこなんだ?」
 『連邦国家ベルカイムなのじゃ。多種多様な国家と民族が集まった国じゃな。文化・芸術の国とも言われておる』
 {わぁ~。凄く興味あります!一度行ってみたいです}

 (さすがエステルだな。それにしても文化・芸術かぁ~。正直俺はあまり興味ないな。でも今後のことを考えたらいけるようにしといた方がいい。リアがエクスペインにいる以上デート回数はある程度増えるだろうし。エクスペインでのデートは家族にバレる可能性が高い。今はまだリアとの関係は秘密にしておきたいからな)

 「エステル、文化・芸術の国があるくらいなら武術の国なんてのもあったりする?」
 『獣王国ウォルダムなのじゃ。獣人が治める国なのじゃ。獣人は身体能力が高いから武術に秀でてるのじゃ。一方魔法はイマイチじゃがな』

 (あぁ~やっぱりそうなんだ。テンプレだよな、その辺りは。ミーやハリーは魔法がからっきしだしな)

 「ベルカイムにウォルダムか。いつかはいけたらいいな。でも遠いんだろ?なかなか旅にでる余裕ないんだよなぁ」
 俺はまだ転移があるから比較的いいほうだが

『お師匠様なら転移の護符を用意するぐらいできるのではないか?』
 「どういうことだ?その転移の護符ってのは確か転移したい場所を記憶させる護符だったよな?1度現地に行かないと意味なくないか?」

 『オークションでベルカイムやウォルダムの転移の護符を買えばいいのじゃ。必ずあるとは言えないのじゃが、ベルカイムやウォルダムの護符ならば頻繁に出品されてるはずなのじゃ。この2国は交易盛んな国じゃからな。人の出入りが激しいのじゃ。そのほかにも、教国イステールや神聖国ルズベリー、迷宮王国サラセニアなんかも出品されることがあるのじゃ。転移の護符はちと値が張るがお師匠様なら問題ないはすじゃ』

 (なるほど、そういう使い方もできるのか。今までユニークアイテム以外はスルーするよう指示してたから知らなかった。俺の場合は1度転移の護符でいけば次回からは転移魔法を使えるから出費もそんなにかからない。これは出品されてる転移の護符を落札するようにしたほうがいいな)

 「エステルありがとな!いい子だぞ、よしよし。リアもついでだ!」
 『くふふ。たまらんのぅ。これを毎日堪能したいのじゃ』
 {えへっ。ユウジさんになでられると幸せになります}
 幸せそうにされるとこちらもなで甲斐があるもんだ

「エステルのおかげでベルカイムにいけそうな気がしてきたよ。この後向かうオークションで出品されている転移の護符を一通り買い占める予定だ」

 (知らない国のは全部買ったほうがいいだろうな。次いつ買えるかわからない。多くの国にいけるようになれば神託の発生率も高まるだろう)

 『買い占めるとかお師匠様は相変わらず豪気なのじゃ』
 {はぁ。無駄遣いは相変わらずなんですか?}
ちょっと!?リアの為でもあるんだが!?

 「リアひどいな。今回転移の護符を購入できれば、次のデートはベルカイムへ行けるんだぞ?無駄遣いにならないと思うんだが?」
ベルカイムの護符があればだがな。頻繁に出るらしいし大丈夫だろ

{・・・え?次のデート?また私とデートしてくれるんですか?}
 「え?しないの?てっきりするもんだと思ってたんだけど」
ぽかんと呆気に取られた顔でお互いの顔を見つめ合う

(あれ?俺が勝手に自惚れてただけか!?そうだったらすげ~恥ずかしいんだが!?)

 {いえ、いつも私から無理矢理お誘いしてるので、もしかしたら嫌々お付き合いしてもらってるのかもって思ったんです。だから次もデートしてくれるなんて思ってなくて・・}

 (あぁ~なるほどな。確かに今回のデートも了承する前に少し渋ったしなぁ。嫌がっていると勘違いさせちゃったのか)

 俺は今にも泣きだしそうなリアの頭に手を載せて優しくなでながら語りかける
本当は抱きしめて安心させたかったが、店の中だしエステルが見てるし仕方がない

「リア、不安にさせちゃってごめんな?確かにいつも少し強引だが嫌々デートしたことは一度もないよ。むしろ楽しいぐらいだ。年上の余裕ってやつなのかな?リアといると安らぐんだ。だから今度は俺から誘うよ。リア、次も俺とデートしてくれないか?」

 頭をなでてはいるが、顔は、瞳はリアの瞳から離さない
俺がリアとデートしたいんだ!との気持ちを込めて

{すごく嬉しいです。。。私でよければ喜んで!}
 涙を流して抱き着いてくるリア

(ちょっ!ちょっと!嬉しいけど店内だから!みんな見てるから!不安が解消されてすごく嬉しいのはわかるけど)

 『むぅ』
 終始静かに見ていたエステルが臍を曲げる

(違うんだよ、エステル!いや、違くはないんだけどさ・・・。リアの熱意を、行動を、美しく感じたから応えたくなったんだよ!これがリアの戦いなんだから・・・。)


この変な三角関係?に終始翻弄されっぱなしのユウジ
 ずっと想い続け諦めなかった結果を少し認めてもらったリア
魔法学校にいるときとは違う感情を抱いているエステル

 この奇妙な関係の三人のデートはまだまだ続く


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後書き


1話あたり1万字前後を意識しています
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