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第5章 唯愛の賢妻と傲慢勇者
~指名依頼と傲慢な愛~エステル攻略戦⑨
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前書き
会話パート
「」ユウジ {}エステル 《》あかり
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『指名依頼』
その土地に在籍するSランク冒険者に直接依頼される依頼
王侯貴族や冒険者ギルドより依頼される緊急性の高い依頼である
依頼された場合は基本的に義務となる。依頼というよりも命令に近い形となる
これを拒否した場合ペナルティーを課せられる場合がある
対して『個人依頼』というものもあり、これは受諾するかどうかは冒険者次第である
仮に拒否しても依頼主の信用を失うだけで特にペナルティーはない
依頼には『個人依頼』と『指名依頼』があるが『指名依頼』が優先される
□□□□
帝都エクスペイン・ダンジョン『常住不滅』
「俺の依頼なのに付き合わせて悪いな」
{何を言っておるのじゃ。妾にいつも一緒にいろと言ったのはお師匠様ではないか。だからどんな時も一緒なのじゃ}
そうは言うけどさ。最近なんか忙しそうなんだよな~
俺とエステルは今エクスペインのダンジョン『常住不滅』に来ている
冒険者ギルドからの指名依頼に従い、ダンジョン攻略に赴いたのだ
もともとこのダンジョンも攻略対象にしていたので別に構わないのだが、指名依頼とかいうものがあることに驚いた
リアに聞いたところ、この『指名依頼』は言わば強制力のある依頼らしく断ることが実質無理なのだとか
断るとSランク冒険者の地位を剥奪される恐れもあると聞いたときはさすがに憤った
Sランク冒険者の地位になど全く執着していなかったのだが、エステルの為になったSランク冒険者だ
だから仕方なく指名依頼に従うことにした
ただ、リアが申し訳なくしていたので少しは気持ちが治まった
今回急に指名依頼された理由は、ここ最近『常住不滅』で犠牲者が急増したことと関係があるらしい
もともと上級者向けのダンジョンであったのでそれなりに犠牲者は出ていたらしいが、ここ最近一気に犠牲者が急増したのだとか
その原因調査を今回依頼されたわけだ
この問題少し前から持ち上がっていたらしく、事前にあかりが少し調査をしていたのだとか
いや、この問題だけではない
実は指名依頼されそうな案件が山ほどあったことが判明した
その全てをあかりが担当して俺に指名依頼が来ないよう手を打っていてくれたのだとか・・・
しかもその功績全てを俺に譲っていることもリアから聞いて驚いた
今や俺の『怠惰なる兎殺し』の異名は、その名を聞いて笑うものなどいないぐらい勇名を馳せているらしい
そんなことを聞いてしまったらあかりに感謝せずにはいられない
だから俺はあかりに感謝することにした。だがあかりは・・・
《あっ。バレちゃったんだね。でも気にしないで?私がやりたくてやっていることだから》
「そういう訳にもいかないだろ。実際あかりとの時間がなかなか取れないのはそれが原因だろ?」
実際あかりとは夜ぐらいしか時間が取れていない
たまにダンジョン攻略で一緒になることもあるがそう頻繁にあることではない
だから俺は気にしていた
以前の失敗を身に染みて覚えているからだ
それはエクスペインに到着した際にサーシャに言われた一言、『愛し合うだけではなくもっと構ってほしい』
今の俺とあかりは、サーシャの言うそれにかなり近い関係になっている
だからあかりを傷つける前にこの状態を解消しておきたい
俺はそう思っていたのだが、あかりは・・・
《それはそうなんだけど・・・でもいいの。前も言ったけど私は雄司君の側にいれるだけで幸せだから・・・でもなかなか一緒にいれないから寂しいな。それに雄司君の為に頑張ろう!って思うと全然嫌じゃないんだよ?だから雄司君との時間が少なくても大丈夫だよ?・・・時間が取れるならいっぱい甘えたいな。だから気にしないで!》
あ、あの本音だだ漏れなんですが。そして懐かしいなこのやり取り
(本当あかりには頭が上がらないな。内助の功というか縁の下の力持ちというか・・・まさに完璧な嫁の鑑だ!・・・ただ不満があるとすれば自分の気持ちよりも俺を優先してしまうことだろうか?いやそれすらもあかりにとっては幸せなのかもしれない。そういう意味ではエステルとは全く逆だよな。エステルはちゃんと自分の我儘を主張するしな。その上で俺の為に尽くしてくれようともしている。対称的な二人だがどちらもそれぞれの良さがあって美しいし愛おしい。あかりには少し強引なぐらいに時間を取ってあげたほうがいいかも?それぐらいしないとあかりと一緒にいる時間が取れないしな。そしてエステルは今のままでいいかな。エステルの我儘を叶えてあげる代わりに、俺に尽くしてもらおう。)
俺は改めてあかりの絶対的な献身のありがたさを思い知った
そして今後のあかりとエステルへの接し方を考えるいい機会にもなった
□□□□
そんな訳でさっさとクリアしてしまおうとダンジョンに向う際、エステルに目敏く見つかってしまったのだ
あかりは別の指名依頼で出かけていて今回は一緒ではない
俺案件ではないと聞いたときに少しホッとのはあかりには内緒だ
そしてエステルは最近とても忙しそうにしている
自室に籠って一生懸命何かを作っているようだ
だから最近俺は一人でいることが多い
寂しい・・・いや正確にはサリーがいたりするのだが
たまにエステルからアドバイスを求められることもあるのだが、何を作っているのかは内緒とのことだ
(すごく気になるが内緒なら仕方がない・・・いやめっちゃ気になる!俺に内緒ってのが!!)
だからダンジョン攻略に向かうとしてもなんとなくエステルには声を掛けづらかった
そんな訳で今回の依頼は俺一人で片付けようと思っていた
しかしエステルがどうしても一緒に行きたいと言うので仕方なく、本当仕方なく一緒にきたという訳だ
{お師匠様どうしたのじゃ?}
きっと俺の顔は綻んでいたのだろう
エステルに怪訝な顔をされてしまった
「いや?最近エステルとあまり一緒にいれなかっただろ?だから嬉しくてさ」
{そ、そんなこと面と向かって言うでない!は、恥ずかしいのじゃ!}
恥ずかしがってる姿は可愛いな。エステル、可愛いよ、エステル!
エステルに怒られてしまったが、もはや俺がエステルを強く求めてしまっているのだから仕方ない
ほんの少し会えないだけでもエステルへの気持ちが強まるぐらいエステルを欲しているからだ
(あぁ~本当にエステルが欲しい・・・いつ告白してくれるんだろう?近いうちと言っていたから、あの日だろうか?)
俺は薄々と感づいていた
エステルが告白してくれる日がいつなのかを
その日は確かに近い。だから俺も用意しようと思う
エステルが喜んでくれる最高のプレゼントを!
□□□□
さて、エステルといちゃいちゃしたいのはやまやまなのだが本来の目的を忘れてはいけない
ここには調査をしにきたのだ
あかりが事前調査した際は特になにも異常はなかったと聞いている
そして今も特に問題があるようには思えない
エステルとともに魔物を駆逐しながら徐々に徐々にダンジョンの奥へと入っていく
「・・・?特に何もなさそうだな?」
{そうじゃな。これといった異常はなさそうなのじゃ。あれかのう?スハイツ達のような新米が無理をしておるのかの?}
襲い掛かってきた魔物をペシッと叩いて消滅させながら、エステルが答えてくれた
上級者ダンジョンといえど、俺とエステルにとってはもはや襲い掛かってくる魔物はその程度の存在でしかなかった
もちろん俺は油断などしていなかったが拍子抜けである
(う~ん。どういうことだろう?リアの話だと犠牲者の中にはベテラン冒険者もいるって話なんだけどな。あかりが調査しても不明だったみたいだし、今回も不明のままで終わりそうだな。エステルの言う通り、新米とは言わないが新米のように自分の力量を勘違いした系のミスが原因かな?とりあえずこのままもう少し進んでみるか)
若干めんどくさくなってきた俺だが、もう少し頑張ってみることにした
めんどくさがりな俺が仕事を投げ出さない理由。それは・・・
ここで投げ出してしまうとまたあかりにしわ寄せがいくかもしれないと思う申し訳なさと・・・
そして何よりもエステルと久しぶりに一緒にいられる時間が楽しくて楽しくて仕方ないからだ
家に帰ればきっとまたエステルは自室に篭ってしまうだろう
エステル自身が来たいと言い出したことだが、それでも今はエステルの時間を俺が独占できている
その事実がものすごく嬉しく感じる
隣にいるエステルをチラッと見る
俺の視線に気付いたエステルがにこっと微笑み返してくれた
(あぁ、なんか分かった気がする。俺は恐れてるんだな。当たり前だったことが当たり前でなくなることに・・・ヘイネの時もそうだった。悠久の時を過ごすうちに一緒にいることが当たり前になっていた。でも現実は一緒にいることが難しくて当たり前でなくなかったことが寂しかった。ヘイネだけじゃない。マリーやセリーヌにしてもそうだ。あの二人の世界でも当たり前のように一緒にいたのに、引き離されたことで当たり前のことが当たり前ではなくなった。何度も繰り返される当たり前だと思っていた事実が当たり前でなくなる現実。それに俺は恐怖してるんだ。だからヘイネやマリー達に比べればなんてことない、エステルに会えないわずかな時間だけでも寂しさを感じるし、今こうして一緒にいる時間を幸せに感じるんだな)
そう考えた俺はエステルが愛しくて愛しくてたまらなくなった
本当なら抱きしめたいところだが今は我慢だ。まだ戦闘中だからな
だからエステルの頭をなでることにした
{くふふ。気持ちいいのじゃ。てか戦闘に集中できないのじゃ!}
「なでられただけで集中できないとは精進が足らんな」
そうか、そうか。その程度で乱れるとはまだまだだな
これはこれからもずっと一緒に鍛練しないといけないな!
{お師匠様のなでなでは殺人級だから仕方ないのじゃ!}
俺のなでなでは人を殺せちゃうの!?
「じゃあ、なでなでやめるか?」
{ぐぬぬ。むしろもっとなでてほしいのじゃ!もっと誉めてほしいのじゃ!最近のお師匠様は妾を放っておきすぎなのじゃ!}
いやいやいや!あなたが自室に篭りすぎなんですよ!
エステルの無茶苦茶な我が儘に苦笑しつつも会話を続ける
「ええええ!?だって最近エステル忙しそうじゃん?」
{お師匠様らしくないのじゃ!妾の都合など気にせず声を掛ければいいのじゃ。無理なら無理だとちゃんと言うのじゃ。そもそもお師匠様は傲慢なぐらいが・・・そ、そのカッコイイのじゃ!}
傲慢なぐらいがカッコイイって・・・
いやしかしエステルの言うことにも一理ある
俺はエステルの顔色を伺いすぎていたかもしれない
傲慢なぐらいがカッコイイか。それなら・・・
「そうか。なら俺はエステルとキスをしたい。いや、今すぐにでもキスをさせてもらう」
{それは傲慢ではなくて強引なのじゃ}
ぶっ!?た、確かに・・・でも諦めないぞ!?
「そ、そもそもキスするのにエステルの許可を得る必要はないな」
{それは傲慢ではなくてただの鬼畜なのじゃ}
ごふっ!?いいんだよ!鬼畜でも!エステルとキスできるなら!
「強引でも鬼畜でもなんでもいい。俺がしたいからエステルとキスをするんだ。だからエステル!キスをさせろ!エステルに選択権も拒否権もない。ムードとかもいらん。ただ俺を満足させろ!」
{・・・妾の意思など考えぬのじゃな?傲慢すぎるのじゃ。でもそれこそがお師匠様なのじゃ!}
ふぅ~やっと傲慢をもらえたか・・・
俺はエステルを抱き寄せて見つめ合う
エステルの燃えるような灼眼がとても美しい
いつもエステルとはキスをしているが今日は頑張った?せいか、すごく待ち遠しい。心が弾んでいる
「エステル・・・愛している」
{お師匠様・・・大好きなのじゃ}
大好きか。確かにそれでも嬉しいのだが今は・・・
俺はキスしようとしていた動きを止めた
{・・・?}
エステルは不思議にそうにしていた
当然だろう、いつもならこのままキスをしているのだから
でも俺は思う・・・
(・・・まだエステルは正確には俺のものじゃない。だからエステルがいつもの大好きという言葉なのは仕方のないことだ。でもエステルは言っていた。傲慢なぐらいがカッコイイと・・・ならいっそ傲慢なぐらいにエステルに愛を求めてもいいんじゃないか?エステルが俺を嫌うことは絶対にない。そして告白される日も近い。だからエステルに愛される日はそう遠くないだろう。でもそれを待つ必要性はないよな?だって俺は傲慢なんだから)
{・・・お師匠様?キスせぬのか?}
エステルはどこか悲しそうな顔をしている
その顔がとてもいじらしくてイジメたくなってしまう
だから俺はエステルと見つめ合ったまま尋ねてみた
「エステル。俺のことが好きか?」
{・・・?もちろんなのじゃ}
「ダメだ。ちゃんと言葉にしろ」
{!・・・す、好きなのじゃ}
う~む。不思議だ
キスする前は大好きだと言う癖に面と向かうと恥ずかしがる
まぁそんな恥じらってるエステルも可愛いんだけどな!
「ありがとう。俺もエステルが好きだ。愛してもいる。エステルは俺を愛してくれているか?」
{そ、それはもう少し待っていてもらいたいのじゃ}
ふむ。いつも通りのやり取りだ。でも今日は・・・
「ダメだ、待たない・・・ただ安心しろ?告白は告白としてちゃんと待つ。でも今は、『今のエステルの想い』を知りたい。今のエステルは俺を愛してくれているか?・・・今のエステルの想いを答えてくれるまで離さないからな?」
逃がさないからな?との想いを込めて、エステルの体をギュッと抱きしめる
そんな俺の決意にビクッと反応したエステルは、観念したかのように尋ねてきた
{今の妾の想い?}
「そう。今のエステルの想いだ。だから告白とは違う」
{どういうことなのじゃ?}
エステルは学習肌だからなぁ。頭で理解させる必要があるか
「今のエステルと告白する日のエステルの想いはきっと違う。俺のことを今よりももっと好きになっているかもしれないし、もしかしたら・・・ないだろうが嫌いになっているかもしれないだろ?まぁ嫌いになることはないか。だから今のエステルの想いを聞いても告白とは違うと思うんだ」
{妾が嫌わないってどれだけお師匠様は自信家なのじゃ!}
(え?自信というか事実じゃね?エステルが俺を嫌うとか想像つかないし?それこれ今すぐ異世界含めた全人類
が滅亡するぐらいありえないことだよな)
「だって嫌いになれないだろ?もちろん俺もだがな」
{・・・お師匠様はずるいのじゃ}
「ずるくてもいい。俺は今のエステルの想いが知りたい」
{わ、分かったのじゃ}
よし!これで俺とエステルの距離も更に縮まった!
「ありがとう。改めて聞くな?俺のことを愛しているか?」
エステルはすぅっと息を吸って、まるで決意したかのように一言・・・
{愛しているのじゃ}
恥ずかしがりながらも想いを伝えてくれた
今なら分かる。これは告白にかなり近い想いだ
まさかここまでの想いを込めてくれるとは正直思わなかった
「!!!」
思わなかったからこそ俺の体に異変が起きた
(お、おぅ!?なんだこれ!なんだこれ!なんだこれ!?背中がゾクリしたぞ!?なんだこの感覚・・・たまらん!エステル!エステル!エステル!)
{・・・んむぅ!?}
その後俺はひたすらエステルの唇を貪り続けていた
意識はあったような、なかったような、よく覚えていない
ただ息が苦しくなるまで求めてはエステルの唇を、口内を蹂躙した
苦しくなって息を吸ってはまたエステルを求めた
何度も何度もエステルと唇を重ね続けた
もしかしたら本能の狂愛が発動していたのかもしれない
それでもエステルを押し倒さなかった俺は誉められるべきだろう
俺の中のエステルの気持ちを大切にしたいとの想いがきっとそうさせたに違いない
うん、多分そうだ。そうしておこう
それからしばらくして・・・
{・・・ぷはっ!ハァハァ・・・し、死ぬかと思ったのじゃ!い、いきなりどうしたのじゃ?}
「はぁはぁ。わ、悪い。でもめっちゃ美味かったです!」
(まだ頭がくらくらするな・・・完全な酸欠状態だ。俺も死ぬかと思った。でもまさか狂愛が発動したのにキスだけで抑えられるとは思わなかった)
イリアスにきて最初に死にかけた場面は『エステルとのキス』でした
□□□□
とりあえず息を整え落ち着いた俺は事のあらましを話した
{狂愛・・・これが噂の狂愛なのじゃな}
噂!?狂愛って噂になってるの?あかりか?あかりだよな?
きっとあかりから漏れた情報に違いないと確信を得つつ、チラッとエステルの様子を伺った
人差し指を唇に当てたままエステルはどこか上の空だ
うっとりと蕩けた表情で口がだらしなく開いてる
人には見せられない姿だ。完全にメスの顔になっている
瞳は焦点が合っているか合っていないか分からない
ただ潤んでいることだけは分かる
正直色っぽすぎる・・・このまま押し倒したくなる
でも俺は完全にエステルを手に入れるまでは我慢しようと思う
それだけは守るべきラインだと思っている
ちなみにだが、エステルから告白されたら遠慮なく抱く予定だ
エステルはまだ12歳だからどうなの?と思うかもしれないが、でも遠慮なく頂く所存だ!
セリーヌを抱いて以降そのへんのタガが完全に外れてしまった
今更YES!ロリータ、NO!タッチ。などと紳士ぶるつもりはない
みんな平等に愛してあげることのほうが大切だ!
という訳でエステルは既に色々と開発済みだ
ぶっちゃけセリーヌよりもやることはやっているかもしれない
ただ繋がったことがないぐらいだ
だからか気持ちが盛り上がると、今のように完全なメスの顔になることがある
(目の前のメスを押し倒したい!押し倒したい!押し倒したい!・・・ハッ!色魔、色魔!ダメだ。このままだと押し倒してしまう。抑えろ、抑えろ)
とりあえず俺はエステルと『約束』したいんだった
だから気持ちを抑えてエステルに話しかけた
「お~い?大丈夫か?エステル」
{・・・くふふ。お師匠様ぁぁぁ・・・ハッ!?な、なんじゃ?}
妄想の彼方から帰ってきたエステルは慌てふためていた
そんな姿もやはり絵になるものだ。すごく可愛らしい
「まさか狂愛をキスで抑えられるとは思わなかったよ、エステルが初めてだ」
{!!!・・・ほ、本当じゃな!?妾が初めてなんじゃな!?}
お、おぅ!?すごいグイグイくるな!
「あ、あぁ。本当だ」
{~~~♪}
(まさかここまで喜ばれるとは思わなかったな。確かにエステルが初めてなんだが、多分他のみんなも間違いなく堪えるんじゃないかな?明らかに俺の房中術と狂愛レベルが上がっているのが関係していると思う・・・でも敢えて水を差す必要もないか。エステルが喜んでくれてるのだし)
明らかに上機嫌なエステルが愛しかったので優しくなでてあげた
{くふふ。今日のお師匠様のなでなでは一段と優しいのじゃ♪}
「なでなでにそんな違いがあるの!?」
ま、まぁエステルがそう言うならそうなのだろう
俺は普段とあまり変わらずなでてはいるんだが・・・
とりあえず話を進めるか!
「なぁエステル。『約束』しろ。今後も俺の前ではその時のエステルの想いを告げてくれ」
{・・・回りくどい言い方なのじゃ。お師匠様らしく言ったらどうじゃ?}
おっと!さすがエステル。その通りだ
素面に戻るとズバズバ言ってくるな
「そうだな。今後一切『好き』は許さん。ずっと俺を『愛して』いろ。『約束』だ」
{くふふ。本当にお師匠様は傲慢なのじゃ。でもそんなお師匠様はカッコイイのじゃ!だから『約束』してあげるのじゃ!}
約束してあげるか・・・こんな勝ち気なエステルも益々愛おしい
俺とエステルはまたお互いを見つめ合う
先程は中断してしまった、恋人キス
今だけはエステルしか俺の瞳には映らない
「エステル・・・愛している」
{お師匠様・・・愛しているのじゃ}
そしてチュッと唇を重ねた。これは『約束』のキス
そしてもう一度唇を重ねる。今回は優しい恋人のキスだ
新しい『約束』と恋人キスで俺は幸せな気持ちに包まれた
ただ俺とエステルの顔が離れる間際、エステルからぽつりと一言
{狂愛を使ってくれぬのか?}
愛しい唯愛の賢妻からの可愛い我が儘だった
俺が色んな意味でエステルに射抜かれてしまったのは言うまでもないだろう
こうして俺とエステルのエステル攻略戦は『俺の傲慢な愛』で、エステルから愛を勝ち取って幕を閉じた
□□□□
・・・え?調査はどうしたんだって?
ぶっちゃけ途中からはテキトーになったが続行はした
特に何もなかったのでそのまま引き上げたが、強いて上げるならユニークモンスターがやたらいたことだろうか?
最後に出会ったユニークモンスターだけ微妙に他のとは違う印象を受けたが相手にはならかった
(そもそもユニークモンスターとはなんなんだ?魔物娘のような変異種とは異なるみたいだし。ギルドもエステルすらも知らないユニークモンスター。どこから生まれて、なんの目的があるのだろうか?)
ユニークモンスターの謎は深まるばかりだった
会話パート
「」ユウジ {}エステル 《》あかり
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『指名依頼』
その土地に在籍するSランク冒険者に直接依頼される依頼
王侯貴族や冒険者ギルドより依頼される緊急性の高い依頼である
依頼された場合は基本的に義務となる。依頼というよりも命令に近い形となる
これを拒否した場合ペナルティーを課せられる場合がある
対して『個人依頼』というものもあり、これは受諾するかどうかは冒険者次第である
仮に拒否しても依頼主の信用を失うだけで特にペナルティーはない
依頼には『個人依頼』と『指名依頼』があるが『指名依頼』が優先される
□□□□
帝都エクスペイン・ダンジョン『常住不滅』
「俺の依頼なのに付き合わせて悪いな」
{何を言っておるのじゃ。妾にいつも一緒にいろと言ったのはお師匠様ではないか。だからどんな時も一緒なのじゃ}
そうは言うけどさ。最近なんか忙しそうなんだよな~
俺とエステルは今エクスペインのダンジョン『常住不滅』に来ている
冒険者ギルドからの指名依頼に従い、ダンジョン攻略に赴いたのだ
もともとこのダンジョンも攻略対象にしていたので別に構わないのだが、指名依頼とかいうものがあることに驚いた
リアに聞いたところ、この『指名依頼』は言わば強制力のある依頼らしく断ることが実質無理なのだとか
断るとSランク冒険者の地位を剥奪される恐れもあると聞いたときはさすがに憤った
Sランク冒険者の地位になど全く執着していなかったのだが、エステルの為になったSランク冒険者だ
だから仕方なく指名依頼に従うことにした
ただ、リアが申し訳なくしていたので少しは気持ちが治まった
今回急に指名依頼された理由は、ここ最近『常住不滅』で犠牲者が急増したことと関係があるらしい
もともと上級者向けのダンジョンであったのでそれなりに犠牲者は出ていたらしいが、ここ最近一気に犠牲者が急増したのだとか
その原因調査を今回依頼されたわけだ
この問題少し前から持ち上がっていたらしく、事前にあかりが少し調査をしていたのだとか
いや、この問題だけではない
実は指名依頼されそうな案件が山ほどあったことが判明した
その全てをあかりが担当して俺に指名依頼が来ないよう手を打っていてくれたのだとか・・・
しかもその功績全てを俺に譲っていることもリアから聞いて驚いた
今や俺の『怠惰なる兎殺し』の異名は、その名を聞いて笑うものなどいないぐらい勇名を馳せているらしい
そんなことを聞いてしまったらあかりに感謝せずにはいられない
だから俺はあかりに感謝することにした。だがあかりは・・・
《あっ。バレちゃったんだね。でも気にしないで?私がやりたくてやっていることだから》
「そういう訳にもいかないだろ。実際あかりとの時間がなかなか取れないのはそれが原因だろ?」
実際あかりとは夜ぐらいしか時間が取れていない
たまにダンジョン攻略で一緒になることもあるがそう頻繁にあることではない
だから俺は気にしていた
以前の失敗を身に染みて覚えているからだ
それはエクスペインに到着した際にサーシャに言われた一言、『愛し合うだけではなくもっと構ってほしい』
今の俺とあかりは、サーシャの言うそれにかなり近い関係になっている
だからあかりを傷つける前にこの状態を解消しておきたい
俺はそう思っていたのだが、あかりは・・・
《それはそうなんだけど・・・でもいいの。前も言ったけど私は雄司君の側にいれるだけで幸せだから・・・でもなかなか一緒にいれないから寂しいな。それに雄司君の為に頑張ろう!って思うと全然嫌じゃないんだよ?だから雄司君との時間が少なくても大丈夫だよ?・・・時間が取れるならいっぱい甘えたいな。だから気にしないで!》
あ、あの本音だだ漏れなんですが。そして懐かしいなこのやり取り
(本当あかりには頭が上がらないな。内助の功というか縁の下の力持ちというか・・・まさに完璧な嫁の鑑だ!・・・ただ不満があるとすれば自分の気持ちよりも俺を優先してしまうことだろうか?いやそれすらもあかりにとっては幸せなのかもしれない。そういう意味ではエステルとは全く逆だよな。エステルはちゃんと自分の我儘を主張するしな。その上で俺の為に尽くしてくれようともしている。対称的な二人だがどちらもそれぞれの良さがあって美しいし愛おしい。あかりには少し強引なぐらいに時間を取ってあげたほうがいいかも?それぐらいしないとあかりと一緒にいる時間が取れないしな。そしてエステルは今のままでいいかな。エステルの我儘を叶えてあげる代わりに、俺に尽くしてもらおう。)
俺は改めてあかりの絶対的な献身のありがたさを思い知った
そして今後のあかりとエステルへの接し方を考えるいい機会にもなった
□□□□
そんな訳でさっさとクリアしてしまおうとダンジョンに向う際、エステルに目敏く見つかってしまったのだ
あかりは別の指名依頼で出かけていて今回は一緒ではない
俺案件ではないと聞いたときに少しホッとのはあかりには内緒だ
そしてエステルは最近とても忙しそうにしている
自室に籠って一生懸命何かを作っているようだ
だから最近俺は一人でいることが多い
寂しい・・・いや正確にはサリーがいたりするのだが
たまにエステルからアドバイスを求められることもあるのだが、何を作っているのかは内緒とのことだ
(すごく気になるが内緒なら仕方がない・・・いやめっちゃ気になる!俺に内緒ってのが!!)
だからダンジョン攻略に向かうとしてもなんとなくエステルには声を掛けづらかった
そんな訳で今回の依頼は俺一人で片付けようと思っていた
しかしエステルがどうしても一緒に行きたいと言うので仕方なく、本当仕方なく一緒にきたという訳だ
{お師匠様どうしたのじゃ?}
きっと俺の顔は綻んでいたのだろう
エステルに怪訝な顔をされてしまった
「いや?最近エステルとあまり一緒にいれなかっただろ?だから嬉しくてさ」
{そ、そんなこと面と向かって言うでない!は、恥ずかしいのじゃ!}
恥ずかしがってる姿は可愛いな。エステル、可愛いよ、エステル!
エステルに怒られてしまったが、もはや俺がエステルを強く求めてしまっているのだから仕方ない
ほんの少し会えないだけでもエステルへの気持ちが強まるぐらいエステルを欲しているからだ
(あぁ~本当にエステルが欲しい・・・いつ告白してくれるんだろう?近いうちと言っていたから、あの日だろうか?)
俺は薄々と感づいていた
エステルが告白してくれる日がいつなのかを
その日は確かに近い。だから俺も用意しようと思う
エステルが喜んでくれる最高のプレゼントを!
□□□□
さて、エステルといちゃいちゃしたいのはやまやまなのだが本来の目的を忘れてはいけない
ここには調査をしにきたのだ
あかりが事前調査した際は特になにも異常はなかったと聞いている
そして今も特に問題があるようには思えない
エステルとともに魔物を駆逐しながら徐々に徐々にダンジョンの奥へと入っていく
「・・・?特に何もなさそうだな?」
{そうじゃな。これといった異常はなさそうなのじゃ。あれかのう?スハイツ達のような新米が無理をしておるのかの?}
襲い掛かってきた魔物をペシッと叩いて消滅させながら、エステルが答えてくれた
上級者ダンジョンといえど、俺とエステルにとってはもはや襲い掛かってくる魔物はその程度の存在でしかなかった
もちろん俺は油断などしていなかったが拍子抜けである
(う~ん。どういうことだろう?リアの話だと犠牲者の中にはベテラン冒険者もいるって話なんだけどな。あかりが調査しても不明だったみたいだし、今回も不明のままで終わりそうだな。エステルの言う通り、新米とは言わないが新米のように自分の力量を勘違いした系のミスが原因かな?とりあえずこのままもう少し進んでみるか)
若干めんどくさくなってきた俺だが、もう少し頑張ってみることにした
めんどくさがりな俺が仕事を投げ出さない理由。それは・・・
ここで投げ出してしまうとまたあかりにしわ寄せがいくかもしれないと思う申し訳なさと・・・
そして何よりもエステルと久しぶりに一緒にいられる時間が楽しくて楽しくて仕方ないからだ
家に帰ればきっとまたエステルは自室に篭ってしまうだろう
エステル自身が来たいと言い出したことだが、それでも今はエステルの時間を俺が独占できている
その事実がものすごく嬉しく感じる
隣にいるエステルをチラッと見る
俺の視線に気付いたエステルがにこっと微笑み返してくれた
(あぁ、なんか分かった気がする。俺は恐れてるんだな。当たり前だったことが当たり前でなくなることに・・・ヘイネの時もそうだった。悠久の時を過ごすうちに一緒にいることが当たり前になっていた。でも現実は一緒にいることが難しくて当たり前でなくなかったことが寂しかった。ヘイネだけじゃない。マリーやセリーヌにしてもそうだ。あの二人の世界でも当たり前のように一緒にいたのに、引き離されたことで当たり前のことが当たり前ではなくなった。何度も繰り返される当たり前だと思っていた事実が当たり前でなくなる現実。それに俺は恐怖してるんだ。だからヘイネやマリー達に比べればなんてことない、エステルに会えないわずかな時間だけでも寂しさを感じるし、今こうして一緒にいる時間を幸せに感じるんだな)
そう考えた俺はエステルが愛しくて愛しくてたまらなくなった
本当なら抱きしめたいところだが今は我慢だ。まだ戦闘中だからな
だからエステルの頭をなでることにした
{くふふ。気持ちいいのじゃ。てか戦闘に集中できないのじゃ!}
「なでられただけで集中できないとは精進が足らんな」
そうか、そうか。その程度で乱れるとはまだまだだな
これはこれからもずっと一緒に鍛練しないといけないな!
{お師匠様のなでなでは殺人級だから仕方ないのじゃ!}
俺のなでなでは人を殺せちゃうの!?
「じゃあ、なでなでやめるか?」
{ぐぬぬ。むしろもっとなでてほしいのじゃ!もっと誉めてほしいのじゃ!最近のお師匠様は妾を放っておきすぎなのじゃ!}
いやいやいや!あなたが自室に篭りすぎなんですよ!
エステルの無茶苦茶な我が儘に苦笑しつつも会話を続ける
「ええええ!?だって最近エステル忙しそうじゃん?」
{お師匠様らしくないのじゃ!妾の都合など気にせず声を掛ければいいのじゃ。無理なら無理だとちゃんと言うのじゃ。そもそもお師匠様は傲慢なぐらいが・・・そ、そのカッコイイのじゃ!}
傲慢なぐらいがカッコイイって・・・
いやしかしエステルの言うことにも一理ある
俺はエステルの顔色を伺いすぎていたかもしれない
傲慢なぐらいがカッコイイか。それなら・・・
「そうか。なら俺はエステルとキスをしたい。いや、今すぐにでもキスをさせてもらう」
{それは傲慢ではなくて強引なのじゃ}
ぶっ!?た、確かに・・・でも諦めないぞ!?
「そ、そもそもキスするのにエステルの許可を得る必要はないな」
{それは傲慢ではなくてただの鬼畜なのじゃ}
ごふっ!?いいんだよ!鬼畜でも!エステルとキスできるなら!
「強引でも鬼畜でもなんでもいい。俺がしたいからエステルとキスをするんだ。だからエステル!キスをさせろ!エステルに選択権も拒否権もない。ムードとかもいらん。ただ俺を満足させろ!」
{・・・妾の意思など考えぬのじゃな?傲慢すぎるのじゃ。でもそれこそがお師匠様なのじゃ!}
ふぅ~やっと傲慢をもらえたか・・・
俺はエステルを抱き寄せて見つめ合う
エステルの燃えるような灼眼がとても美しい
いつもエステルとはキスをしているが今日は頑張った?せいか、すごく待ち遠しい。心が弾んでいる
「エステル・・・愛している」
{お師匠様・・・大好きなのじゃ}
大好きか。確かにそれでも嬉しいのだが今は・・・
俺はキスしようとしていた動きを止めた
{・・・?}
エステルは不思議にそうにしていた
当然だろう、いつもならこのままキスをしているのだから
でも俺は思う・・・
(・・・まだエステルは正確には俺のものじゃない。だからエステルがいつもの大好きという言葉なのは仕方のないことだ。でもエステルは言っていた。傲慢なぐらいがカッコイイと・・・ならいっそ傲慢なぐらいにエステルに愛を求めてもいいんじゃないか?エステルが俺を嫌うことは絶対にない。そして告白される日も近い。だからエステルに愛される日はそう遠くないだろう。でもそれを待つ必要性はないよな?だって俺は傲慢なんだから)
{・・・お師匠様?キスせぬのか?}
エステルはどこか悲しそうな顔をしている
その顔がとてもいじらしくてイジメたくなってしまう
だから俺はエステルと見つめ合ったまま尋ねてみた
「エステル。俺のことが好きか?」
{・・・?もちろんなのじゃ}
「ダメだ。ちゃんと言葉にしろ」
{!・・・す、好きなのじゃ}
う~む。不思議だ
キスする前は大好きだと言う癖に面と向かうと恥ずかしがる
まぁそんな恥じらってるエステルも可愛いんだけどな!
「ありがとう。俺もエステルが好きだ。愛してもいる。エステルは俺を愛してくれているか?」
{そ、それはもう少し待っていてもらいたいのじゃ}
ふむ。いつも通りのやり取りだ。でも今日は・・・
「ダメだ、待たない・・・ただ安心しろ?告白は告白としてちゃんと待つ。でも今は、『今のエステルの想い』を知りたい。今のエステルは俺を愛してくれているか?・・・今のエステルの想いを答えてくれるまで離さないからな?」
逃がさないからな?との想いを込めて、エステルの体をギュッと抱きしめる
そんな俺の決意にビクッと反応したエステルは、観念したかのように尋ねてきた
{今の妾の想い?}
「そう。今のエステルの想いだ。だから告白とは違う」
{どういうことなのじゃ?}
エステルは学習肌だからなぁ。頭で理解させる必要があるか
「今のエステルと告白する日のエステルの想いはきっと違う。俺のことを今よりももっと好きになっているかもしれないし、もしかしたら・・・ないだろうが嫌いになっているかもしれないだろ?まぁ嫌いになることはないか。だから今のエステルの想いを聞いても告白とは違うと思うんだ」
{妾が嫌わないってどれだけお師匠様は自信家なのじゃ!}
(え?自信というか事実じゃね?エステルが俺を嫌うとか想像つかないし?それこれ今すぐ異世界含めた全人類
が滅亡するぐらいありえないことだよな)
「だって嫌いになれないだろ?もちろん俺もだがな」
{・・・お師匠様はずるいのじゃ}
「ずるくてもいい。俺は今のエステルの想いが知りたい」
{わ、分かったのじゃ}
よし!これで俺とエステルの距離も更に縮まった!
「ありがとう。改めて聞くな?俺のことを愛しているか?」
エステルはすぅっと息を吸って、まるで決意したかのように一言・・・
{愛しているのじゃ}
恥ずかしがりながらも想いを伝えてくれた
今なら分かる。これは告白にかなり近い想いだ
まさかここまでの想いを込めてくれるとは正直思わなかった
「!!!」
思わなかったからこそ俺の体に異変が起きた
(お、おぅ!?なんだこれ!なんだこれ!なんだこれ!?背中がゾクリしたぞ!?なんだこの感覚・・・たまらん!エステル!エステル!エステル!)
{・・・んむぅ!?}
その後俺はひたすらエステルの唇を貪り続けていた
意識はあったような、なかったような、よく覚えていない
ただ息が苦しくなるまで求めてはエステルの唇を、口内を蹂躙した
苦しくなって息を吸ってはまたエステルを求めた
何度も何度もエステルと唇を重ね続けた
もしかしたら本能の狂愛が発動していたのかもしれない
それでもエステルを押し倒さなかった俺は誉められるべきだろう
俺の中のエステルの気持ちを大切にしたいとの想いがきっとそうさせたに違いない
うん、多分そうだ。そうしておこう
それからしばらくして・・・
{・・・ぷはっ!ハァハァ・・・し、死ぬかと思ったのじゃ!い、いきなりどうしたのじゃ?}
「はぁはぁ。わ、悪い。でもめっちゃ美味かったです!」
(まだ頭がくらくらするな・・・完全な酸欠状態だ。俺も死ぬかと思った。でもまさか狂愛が発動したのにキスだけで抑えられるとは思わなかった)
イリアスにきて最初に死にかけた場面は『エステルとのキス』でした
□□□□
とりあえず息を整え落ち着いた俺は事のあらましを話した
{狂愛・・・これが噂の狂愛なのじゃな}
噂!?狂愛って噂になってるの?あかりか?あかりだよな?
きっとあかりから漏れた情報に違いないと確信を得つつ、チラッとエステルの様子を伺った
人差し指を唇に当てたままエステルはどこか上の空だ
うっとりと蕩けた表情で口がだらしなく開いてる
人には見せられない姿だ。完全にメスの顔になっている
瞳は焦点が合っているか合っていないか分からない
ただ潤んでいることだけは分かる
正直色っぽすぎる・・・このまま押し倒したくなる
でも俺は完全にエステルを手に入れるまでは我慢しようと思う
それだけは守るべきラインだと思っている
ちなみにだが、エステルから告白されたら遠慮なく抱く予定だ
エステルはまだ12歳だからどうなの?と思うかもしれないが、でも遠慮なく頂く所存だ!
セリーヌを抱いて以降そのへんのタガが完全に外れてしまった
今更YES!ロリータ、NO!タッチ。などと紳士ぶるつもりはない
みんな平等に愛してあげることのほうが大切だ!
という訳でエステルは既に色々と開発済みだ
ぶっちゃけセリーヌよりもやることはやっているかもしれない
ただ繋がったことがないぐらいだ
だからか気持ちが盛り上がると、今のように完全なメスの顔になることがある
(目の前のメスを押し倒したい!押し倒したい!押し倒したい!・・・ハッ!色魔、色魔!ダメだ。このままだと押し倒してしまう。抑えろ、抑えろ)
とりあえず俺はエステルと『約束』したいんだった
だから気持ちを抑えてエステルに話しかけた
「お~い?大丈夫か?エステル」
{・・・くふふ。お師匠様ぁぁぁ・・・ハッ!?な、なんじゃ?}
妄想の彼方から帰ってきたエステルは慌てふためていた
そんな姿もやはり絵になるものだ。すごく可愛らしい
「まさか狂愛をキスで抑えられるとは思わなかったよ、エステルが初めてだ」
{!!!・・・ほ、本当じゃな!?妾が初めてなんじゃな!?}
お、おぅ!?すごいグイグイくるな!
「あ、あぁ。本当だ」
{~~~♪}
(まさかここまで喜ばれるとは思わなかったな。確かにエステルが初めてなんだが、多分他のみんなも間違いなく堪えるんじゃないかな?明らかに俺の房中術と狂愛レベルが上がっているのが関係していると思う・・・でも敢えて水を差す必要もないか。エステルが喜んでくれてるのだし)
明らかに上機嫌なエステルが愛しかったので優しくなでてあげた
{くふふ。今日のお師匠様のなでなでは一段と優しいのじゃ♪}
「なでなでにそんな違いがあるの!?」
ま、まぁエステルがそう言うならそうなのだろう
俺は普段とあまり変わらずなでてはいるんだが・・・
とりあえず話を進めるか!
「なぁエステル。『約束』しろ。今後も俺の前ではその時のエステルの想いを告げてくれ」
{・・・回りくどい言い方なのじゃ。お師匠様らしく言ったらどうじゃ?}
おっと!さすがエステル。その通りだ
素面に戻るとズバズバ言ってくるな
「そうだな。今後一切『好き』は許さん。ずっと俺を『愛して』いろ。『約束』だ」
{くふふ。本当にお師匠様は傲慢なのじゃ。でもそんなお師匠様はカッコイイのじゃ!だから『約束』してあげるのじゃ!}
約束してあげるか・・・こんな勝ち気なエステルも益々愛おしい
俺とエステルはまたお互いを見つめ合う
先程は中断してしまった、恋人キス
今だけはエステルしか俺の瞳には映らない
「エステル・・・愛している」
{お師匠様・・・愛しているのじゃ}
そしてチュッと唇を重ねた。これは『約束』のキス
そしてもう一度唇を重ねる。今回は優しい恋人のキスだ
新しい『約束』と恋人キスで俺は幸せな気持ちに包まれた
ただ俺とエステルの顔が離れる間際、エステルからぽつりと一言
{狂愛を使ってくれぬのか?}
愛しい唯愛の賢妻からの可愛い我が儘だった
俺が色んな意味でエステルに射抜かれてしまったのは言うまでもないだろう
こうして俺とエステルのエステル攻略戦は『俺の傲慢な愛』で、エステルから愛を勝ち取って幕を閉じた
□□□□
・・・え?調査はどうしたんだって?
ぶっちゃけ途中からはテキトーになったが続行はした
特に何もなかったのでそのまま引き上げたが、強いて上げるならユニークモンスターがやたらいたことだろうか?
最後に出会ったユニークモンスターだけ微妙に他のとは違う印象を受けたが相手にはならかった
(そもそもユニークモンスターとはなんなんだ?魔物娘のような変異種とは異なるみたいだし。ギルドもエステルすらも知らないユニークモンスター。どこから生まれて、なんの目的があるのだろうか?)
ユニークモンスターの謎は深まるばかりだった
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