過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

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第5章 唯愛の賢妻と傲慢勇者

~受付嬢の告白と同居人の告白~傲慢勇者の誕生日⑤

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前書き

会話パート

「」ユウジ {}エステル 『』リア []ヒルダ

〔〕ユリ 《》アズサ 【】レオナ 〈〉アーネ

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こんな感じの短編をあと2~3話出して、5章終了となります

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これはサリー達に告白される少し前のお話

□□□□

商都リブループ・ユウジ別荘 ~誕生日パーティー~

本日はゲストが非常に多く来ている

まず、リア、ヒルダ、ユリ、アズサのギルド組
次に、シャル、シルヴィ、エルナの魔法学校のクラスメート
そして、日本にいた時の学校のクラスメート

当初は家族だけでささやかに行う予定だったが、いつの間にか大規模なパーティーとなってしまった
それでも祝ってもらえるのは嬉しいもので.....

ちょっぴり感動していた俺は今、ギルド組と話をしている
家族達とゲストの互いの紹介を済ませた後、受付3人娘に捕まってしまったのだ

[ユウジさんのご家族は女性ばっかりですね]
〔しかも、婚約者もいっぱいいましたね〕
《家族だけではなく、同居人の方もいましたね》

ヒルダ、ユリ、アズサがお互いに何かを確認しあっていた

そんな3人を見て苦笑する俺とリア
しかしリアは、ちゃっかりと俺の左腕に自分の腕を絡めていた

今日のパーティーは立食形式にしている
ある程度は無礼講な感じだ

だからリアが俺と腕を組んでいても怪しまれる気配は一切ない
むしろリアが、俺に好意があることは以前紹介した時に家族はなんとなく察していたみたいだ

そんな訳でリアと腕を組んでいても問題ないのだが、

ただ家族達からは温かい眼差しを向けられている
その眼差しの先にいるのは俺ではなくリア.....

(これ、実は付き合ってるのがバレてるとかないよな?)

リアには事情を説明して、秘かに付き合うことに了承を得ている
この事実を知っているのは、あかりとエステルだけなはずだ

(う、うん.....バレてない。バレてないはずだ)

俺が心の中で戦々恐々としていたら、

[〔《あー!副ギルド長だけずるいです!私達もユウジさんと腕を組みたいです!》〕]

受付3人娘が俺とリアの様子を見て詰め寄ってきた

『何言ってるんですか。私はユウジさんの恋人なんですから.....』
「リア!し~!みんなに聞こえるから!」

俺が急いで制止すると、リアは悪びれる様子もなく、てへぺろとしてきた

(あ~これ、あれですわ~。絶対わざとですわ~)

俺の慌てる反応を見て楽しんでいるのか
はたまた、秘かに付き合う件について根を持っているのか
どちらにしてもリアには困ったものだ

そんな困っている様子の俺を見て、

{もういっそ家族に話したほうがいいのではないか?}

と、俺の傍らにいたエステルが話しかけてきた

エステルは自分から手を繋いだり、腕を組んできたりはしない
人前でベタベタするのはいいが、自分からはしてこないタイプだ
そういうところは意外とクール
だから普段は俺から積極的にいっている

「そうは言うけどさ?マリーとかの問題もあるしな~」
{もう今更なのじゃ。アオイの事をマリーから守るのじゃろ?}
「なんでそのこと知ってんの!?」
{お師匠様は家族のネットワークを甘く見すぎなのじゃ!}

(なにそれ!?怖い!!アオイの件はつい数時間前のことだぞ!?しかもその後エステルは俺とデートしているし.....こっちに戻ってきてからのわずかの間に情報が共有されたのか!?お、恐るべし、家族のネットワーク.....)

そう、俺がリアとの関係を秘密にしているのはマリーの一件があるからだ

リア以外のみんなは自衛できるだけの力がある
しかしリアは一般市民だ
護身術は嗜んでいるみたいだが、マリーに対しては無力だ

だったら、マリー騒動に巻き込まれないようにしてあげたほうがいいのではないかと思っているのだが.....

もちろん他の婚約者達と違って、色々な部分で寂しい思いをさせているかもしれない
だから秘かに付き合う代わりに、頻繁にリアの家を訪れるようにしている
リアの家に行くときは、さすがのエステルも気を遣って遠慮してくれているのだ

『家族にバレるのも時間の問題なのじゃ』
「やっぱりそう思う?」
『当然なのじゃ。家族のネットワークを甘く見ないことじゃ』

どうやら問題は山積みらしい.....

俺とエステルが話している間に、受付嬢達の間で結論が出たらしい

結局腕を組む問題は、左をリアが独占することになった
そして右腕を受付3人娘で順番に組むことにしたらしい
そこに俺の意思は反映されないみたいだ

(お前ら全員強引だな!)

右腕に腕を組まれた時、サーシャの瞳が妖しく光った気がした
右腕はサーシャの専用だからな。気になるんだろう
しかし今日は無礼講。我慢してくれたみたいだ

(ごめんな、サーシャ。後でいっぱい甘えさせてあげるからな!)

□□□□

【パパーーーーー!】
[〔《パパ!?》〕]

俺とギルド組が歓談してる中、ひと際元気な声が会場に響いた

背中に抱き着いてきたのはレオナだ
レオナは奴隷解放後、俺のことをパパと呼んでいる

【パパー!お誕生日おめでとう!】
「ありがとう、レオナ」
【ところで、この人達だれ?】
「紹介したよね!?」

レオナはう~ん?と言いながら首を傾げている

鳥頭のバカ娘だが、愛嬌があって可愛らしい
バカな子ほど可愛いとはよく言ったものだ

今も必死に思いだそうとしている姿にほっこりさせられる

リアなんかもそんなレオナに優しい眼差しを向けている
その母性溢れるリアの眼差しにかなりドキッとさせられた
リアはきっといいお母さんになるに違いない!

だからつい、リアをぐいっと引き寄せたのだが.....

(あぁ、リアとキスしたい!キスしたい!キスしたい!)

ここで我慢できた俺は褒められてもいいと思う

しかし帰ってきたのは、リアの残念そうな表情と、エステルのやれやれといった表情だった

(し、仕方ないだろ!秘密の関係なんだから!)

そんなリアとは対照的なのが、受付3人娘だ

[〔《お子さんいらっしゃったんですか!?》〕]
「紹介したよね!?」

(あっ。でもレオナ達のことは同居人としか説明してないか。てか、同居人って家族に分類されるのか?)

そんなことを考えていたら、じりじりと受付3人娘がにじり寄って来た

にじり寄ってくる3人の瞳はとても妖しく光っている。非常に怖い!
このままだとなんか色んな意味で絞り尽くされそうな気がする.....

(これ以上はやばい!刺激しちゃダメだ!刺激しちゃダメだ!刺激しちゃダメだ!)

そんなフラグを立てたものだから、それは起こってしまった

〈ええ、レオナは私と旦那様の子供です〉
「お前はなにを言ってるの!?」

受付3人娘が俺の右腕を放した瞬間に、ちゃっかりと自分の腕を組んできたアーネがそこにいた

アーネは俺と腕を組めたことが満足なのか、とてもご満悦だ
もしかして、俺にレオナをけしかけたのはこれが目的か?
当のレオナは俺の背中でいまだに一生懸命思い出そうと健闘中だ

アーネは烏人族で非常に義理堅い。そして頑固で一途だ
奴隷救出&解放の件で恩を感じたらしい(本人は恋慕らしい)
色々恩返しと称しては尽くしてこようとしてくる

あのお風呂場での洗いっこ以来、その恩返しも積極性が増した
どちらが俺の世話をするのかで、度々サーシャと衝突している
と言っても、仲が悪いのではなく喧嘩するほど仲がいいってやつだ

俺専属のメイドであるサーシャと、種族的に義理堅いアーネ
どちらもご奉仕のプロフェッショナルである以上、俺は大満足だ

ヘイネやセリーヌの、俺の全てを甘受してくれる抱擁的精神
サーシャやアーネの、俺の世話を喜んでしてくれる奉仕的精神
あかりやエステルの、俺の為に進んで役に立とうとする献身的精神

俺はどうやら順調にダメ人間街道まっしぐらなようだ


さてパーティー会場では、アーネの策略?によって俺と腕を組む権利を失った受付3人娘は、

[〔《あー!》〕]

俺と腕を組んでいるアーネの現状を見て肩を落としていた

どうやらアーネの口撃?悪戯?はまだ続くようだ

〈いつもうちの主人がお世話になっております〉
[〔《主人!?》〕]
「だからお前は何を言ってるの!?てか、妻気取り!?」

アーネはそう言うと、受付3人娘にペこりとお辞儀をした

このアーネの執拗なまでの追い込みはなんだろう?
明らかに受付3人娘を敵視しているような?

烏は非常に賢いと聞く。そして賢い犬みたいな性格なんだとか
犬は人懐っこく、義理堅い半面、愛が重く、独占欲が強いと聞く

つまり本能的に受付3人娘を排除しようとしているのかもしれない
はたまた俺との仲を既成事実化しようとしているのか

リアと張り合わないあたりはさすがとしか言いようがない

(あれ?アーネにもリアとの関係を気付かれている?)

とりあえず、レオナは俺の子供じゃないし、アーネは俺の嫁ではないことを受付3人娘に説明した

〈私はいつでも旦那様のお情けを頂く覚悟はできております〉
[〔《私達も同じ気持ちです!ユウジさん!》〕]
「だからお前達はさっきからなに言ってんだよ!?」

なんか妙な連帯感を感じたのか、握手を互いにしだし、意気投合し始めたアーネと受付3人娘

(あ、あの.....さっきまでいがみ合ってませんでした?あなたたち。しかもよりによってめんどくさそうな人達が意気投合しちゃったよ。もうそろそろこの場を離れて、シャル達のところに行くか.....)

アーネと受付3人娘がなにやら相談し始めているので、この隙にこの場を離れることにした

「じゃあ、リア。後のことよろしくな?」
『今度はたくさん甘えさせてくださいね?それとキスも.....』
「約束しよう。今はこれで許してくれ」

俺はキスの代わりに、リアの頭をなでてあげた

『ん.....』

リアは気持ち良さそうに目を細めている

「エステル。シャル達のところに行くか!」
{なのじゃ!}

リアと組んでいた腕を放すと、リアは名残惜しそうにしていた
それでも、またねと言わんばかりに、手を振って見送ってくれる姿にちょっと萌えた

(.....やばい。リアをすごく抱きしめたい!切ない表情がたまらなく可愛い!あぁ、リア!リア!リア!)

俺がリアをたまらなく愛おしく感じていたその時、

───くいくいっ

袖を引っ張られる感覚がした

{お師匠様。お師匠様。多分狂愛とやらがでかかっておるのじゃ}

(ハッ!色魔。色魔。危なかった.....てか、傍目から見て狂愛が分かるってどんな顔してるんだよ、俺は。とりあえずエステルには感謝しないとな)

「ありがとな、エステル」
{くふふ。なでなでしてくれるならお安いご用なのじゃ!}

エステルは手を繋いだりするよりも、なでなでのほうが好きだからな
だからたくさんなでなでしてあげることにした


そして俺とエステルは、シャル達のもとへ向かうべくこの場を後にした


この後サリー達に告白されることになるのだが、

〈[〔《私達とも付き合ってください!》〕]〉

アーネや受付3人娘達にも告白された

あの相談はどうやら俺との関係を深めるためのものだったらしい
そこにサリー達の告白劇が重なったから、触発されたみたいだ

なんだろう.....サリー達とは違って、その場の勢い感が半端なくする

まぁ、それがなくとも俺の答えは決まっている

「ごめん。無理」
〈[〔《えええええええええええええええ!?》〕]〉

アーネと受付3人娘の絶叫が夜空の彼方にどこまでも響いた
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