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第一章 [序] 目覚め
第1話 プロローグ
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(※ 当作は兄と妹のW主人公の作品となっています)
もしも身近に一生を誓い合った唯一無二の人が居たとして。
当然結ばれると信じて生きて来て。
それがある日、意識した時に……
そう、例えば今この瞬間、兄妹だったと知ったら……
―――その時、あなたはその想いを諦められますか?
◆◇◆
いつもの朝。永遠園家の温かい団欒が始まる。
「はい、お兄ちゃんの大好きなロイヤルミルクティー。今日は特別に茶葉多め、ミルクも特濃タイプだよ」
「それは嬉しいな。澄美怜、いつもありがと」
そう言われて微笑みながら頷く妹。そして優しい眼差しで兄を見ながら想う。
このはにかんだ笑顔がただ見たくて――――
深く優しい人。そう書いて深優人。それが私の掛け替えのない兄の名。
その名の通り、とってもとっても優しい人なのです。1歳年下の中3の私と、そして私より3歳年下・小6の蘭ちゃんをスッゴク可愛がってくれるのです。
「はい、パンが焼けたよ。あ、バターは塗っといたから。それとハイッ、ハチミツ、あ~、あとヨーグルトと食後のフルーツも出しとくね」
極ありふれた収入世帯の一家。ありふれた朝食。ただ普通と違うのは、まるで子を溺愛する母のごとく甲斐甲斐しく兄の分まで給仕する妹達の存在。
兄・深優人は自分でやるから、と遠慮気味だが妹達は意に介さずサービスする。それを微笑ましく見守る仲睦まじい父と母。その父母を含め五人で暮らす穏やかで、ややオタク系の家族だ。
「お姉ちゃんばっかズル~い! ハイ、蘭からも。シナモンスパイス。ミルクティーにど―ぞ」
小6の妹・蘭。3年前の姉の生き写しと呼べる程似てる。姉のする事を何でも真似したがるブラコンかつシスコン少女だ。どちらかと言えばお姉ちゃんが好き過ぎて真似したがるのと、お姉ちゃんのライバル気取りで構われたくて兄に親切してる様でもある。
「全くお姉ちゃんの『お兄愛』は行き過ぎなんだから!」
「フフ。今さら何言ってるの? それに蘭ちゃんだってそうじゃん」
クスッ、蘭ちゃんたら張り合っちゃってカワイイ。まあ確かに私のお兄愛はチョットね。……にしても……
『愛』って、何ですか?―――
なーんてそれを求めて彷徨う少女の名作アニメがあるよね。私達も大好きな……。
ともあれ、そんなの私も分かりませ~ん。お兄ちゃん、教えて下さい……なんちゃって。
そうした妙な事をしばしば考えつつ、優しげで愛らしい笑顔を絶やさずに兄をぼぉっと見つめて食事をする澄美怜。
……でも愛なんて、確かに分からない。―――だって私達、普通じゃないから。
「あの……お兄ちゃん、今日も大丈夫かな?」
「もちろん」
遠慮がちに一緒に登校する約束を確認する。
……そう、私にとってこの人は、かなり『普通と違った意味』で特別な人なのです。
だって、この人を失ったら、私は存在が消えてしまうのです。
―――間違いなく、文字通りに。
ああ、昨日も例の夢を少し見た。私はいずれあの夢に命を奪われると予感している。でも今はまだ、消えたくはないのです。消える訳にもいかないのです……
そんな風に想いながら少し瞳を曇らせる澄美怜。
だからお兄ちゃん、いつかその日が来てしまう迄は、せめていつも私の事、見ていて貰えますか……
そしてもし奇跡が起きて、消えずに済む道があるのなら、どうか神様、どんな目に遭ってもいいから教えてください。
ぁ、ヤバ……また変な目で見てたの気付かれたかな……。お兄ちゃんは決して口には出さないケドこんな私の事、『ヘンタイ』 とかって思ってるに違いない。だってそんな目をしてる時がある。
まぁ、別にいいけどね。いや、良くないか……フフフ。
: + ゜゜ +: 。 .。: + ゜ ゜゜ +:。. 。
それでもいつでもちゃんと見守り続けてくれる兄。そのお陰でこんな特殊な私でも『生きる事』を選べた。
互いを大切にするあの約束と共に、絆を深めて―――。
でも恋の季節が淡い想いのままを許さず、全てを変えて行ってしまう事に、この時の私達はまだ何も気付いていなかった。
: + ゜゜ +: 。 .。: + ゜ ゜゜ +:。. 。
これは、優しい兄と、そして少しオタクで可愛くて一途でアブノーマルな妹の、奇妙で深い愛の物語。
もしも身近に一生を誓い合った唯一無二の人が居たとして。
当然結ばれると信じて生きて来て。
それがある日、意識した時に……
そう、例えば今この瞬間、兄妹だったと知ったら……
―――その時、あなたはその想いを諦められますか?
◆◇◆
いつもの朝。永遠園家の温かい団欒が始まる。
「はい、お兄ちゃんの大好きなロイヤルミルクティー。今日は特別に茶葉多め、ミルクも特濃タイプだよ」
「それは嬉しいな。澄美怜、いつもありがと」
そう言われて微笑みながら頷く妹。そして優しい眼差しで兄を見ながら想う。
このはにかんだ笑顔がただ見たくて――――
深く優しい人。そう書いて深優人。それが私の掛け替えのない兄の名。
その名の通り、とってもとっても優しい人なのです。1歳年下の中3の私と、そして私より3歳年下・小6の蘭ちゃんをスッゴク可愛がってくれるのです。
「はい、パンが焼けたよ。あ、バターは塗っといたから。それとハイッ、ハチミツ、あ~、あとヨーグルトと食後のフルーツも出しとくね」
極ありふれた収入世帯の一家。ありふれた朝食。ただ普通と違うのは、まるで子を溺愛する母のごとく甲斐甲斐しく兄の分まで給仕する妹達の存在。
兄・深優人は自分でやるから、と遠慮気味だが妹達は意に介さずサービスする。それを微笑ましく見守る仲睦まじい父と母。その父母を含め五人で暮らす穏やかで、ややオタク系の家族だ。
「お姉ちゃんばっかズル~い! ハイ、蘭からも。シナモンスパイス。ミルクティーにど―ぞ」
小6の妹・蘭。3年前の姉の生き写しと呼べる程似てる。姉のする事を何でも真似したがるブラコンかつシスコン少女だ。どちらかと言えばお姉ちゃんが好き過ぎて真似したがるのと、お姉ちゃんのライバル気取りで構われたくて兄に親切してる様でもある。
「全くお姉ちゃんの『お兄愛』は行き過ぎなんだから!」
「フフ。今さら何言ってるの? それに蘭ちゃんだってそうじゃん」
クスッ、蘭ちゃんたら張り合っちゃってカワイイ。まあ確かに私のお兄愛はチョットね。……にしても……
『愛』って、何ですか?―――
なーんてそれを求めて彷徨う少女の名作アニメがあるよね。私達も大好きな……。
ともあれ、そんなの私も分かりませ~ん。お兄ちゃん、教えて下さい……なんちゃって。
そうした妙な事をしばしば考えつつ、優しげで愛らしい笑顔を絶やさずに兄をぼぉっと見つめて食事をする澄美怜。
……でも愛なんて、確かに分からない。―――だって私達、普通じゃないから。
「あの……お兄ちゃん、今日も大丈夫かな?」
「もちろん」
遠慮がちに一緒に登校する約束を確認する。
……そう、私にとってこの人は、かなり『普通と違った意味』で特別な人なのです。
だって、この人を失ったら、私は存在が消えてしまうのです。
―――間違いなく、文字通りに。
ああ、昨日も例の夢を少し見た。私はいずれあの夢に命を奪われると予感している。でも今はまだ、消えたくはないのです。消える訳にもいかないのです……
そんな風に想いながら少し瞳を曇らせる澄美怜。
だからお兄ちゃん、いつかその日が来てしまう迄は、せめていつも私の事、見ていて貰えますか……
そしてもし奇跡が起きて、消えずに済む道があるのなら、どうか神様、どんな目に遭ってもいいから教えてください。
ぁ、ヤバ……また変な目で見てたの気付かれたかな……。お兄ちゃんは決して口には出さないケドこんな私の事、『ヘンタイ』 とかって思ってるに違いない。だってそんな目をしてる時がある。
まぁ、別にいいけどね。いや、良くないか……フフフ。
: + ゜゜ +: 。 .。: + ゜ ゜゜ +:。. 。
それでもいつでもちゃんと見守り続けてくれる兄。そのお陰でこんな特殊な私でも『生きる事』を選べた。
互いを大切にするあの約束と共に、絆を深めて―――。
でも恋の季節が淡い想いのままを許さず、全てを変えて行ってしまう事に、この時の私達はまだ何も気付いていなかった。
: + ゜゜ +: 。 .。: + ゜ ゜゜ +:。. 。
これは、優しい兄と、そして少しオタクで可愛くて一途でアブノーマルな妹の、奇妙で深い愛の物語。
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