魔王を倒した勇者

大和煮の甘辛炒め

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終章 魔王討伐へ

四十七話 思わぬ堕天使キラー

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ベルフェゴール達は地下公道に走り込んだ。

「やべえ魔力を感じた、上物がいそうだな」

ベルフェゴールがニヤリと笑う。

「あんた、俺は戦闘に関してはからっきしだからな。期待するなよ」

イケメソがレグルスに話しかける。

「最初から期待してませんよ」

レグルスが呆れたように言い返す。

「おい、あんたら」

ベルフェゴールが鎖鎌を大鎌に変幻させる。

「あそこにいるやつは私の獲物だからな!手を出すんじゃねぇぞ!」

「言われなくても分かっとるわ!」

「そんなこと言ってる場合か!」

レグルスとイケメソが反応する。

ベルフェゴールが前を見据える。

彼女の視線の先には、女の子が背を向けて立っている。

「……来た!」

女の子が振り返る。

「っつ!」

ベルフェゴールが思わず立ち止まる。

『う、身体が動かねぇ』

ベルフェゴールが冷や汗を垂らす。

「ね、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ」

レグルスがジャガウォックを顕現する。

「やるんでしょ」

レグルスがベルフェゴールを促す。

『は?何で平静を保ってられるんだよ、あんなの雰囲気だけでヤバいだろ』

ベルフェゴールは声も出ない。

イケメソは言うまでもなく、壁のへこみに隠れている。

『あんなのと戦うなんて、命知らずにも程があるだろ』

「初めて見るなー、そんな聖霊」

女の子が興味深そうにレグルスに近づく。

『……速い!』

レグルスが時間を止める。

ベルフェゴールの方に向いているナイフを殴り飛ばし、ベルフェゴールを突き飛ばす。

『ベルフェゴールを先に殺しに来たわね。あの時のジャガウォックだったら反応出来なかった』

ジャガウォックが女の子を殴る。

「時間切れね」

女の子の服がはだける。

「わっ」

女の子が吹っ飛ぶ。

「うわ、なんだいきなり!」

ベルフェゴールが尻餅をつく。

『なんだなんだ、一瞬のうちに色々なことが起きたぞ。女の子が近づいてベルフェゴールが尻餅ついて女の子がぶっ飛んで……どーなってんだ!?』

イケメソが困惑する。

女の子が起き上がる。

「へー、そんな能力を持った聖霊がいるんだね」

女の子は何事もなかったように歩きだす。

「全く効いてない……」

レグルスが警戒する。

ベルフェゴールが立ち上がって大鎌を構える。

「何したのか知らねぇけど、遅れを取るつもりはないからな」

「イケメソは役に立たない。私達でやるわよ」

「上等だ」 

女の子が戦斧を顕現する。

「これは戦斧ヴィレディ、神々が天使に与えたと言われている斧なんだよ」

「聞いてねえよ!」

ベルフェゴールが女の子に斬りかかる。

「いきなり危ないなぁ」

女の子がヒョイと避ける。

「ヒョイヒョイ」

口に出しながら華麗なステップを踏んでベルフェゴールを翻弄する。

「ヒョイヒョイ言うなや!」

ベルフェゴールが苛立つ。

女神之時間ディナスタイム

レグルスが時間を停止する。

「次で決める……なっ!」

レグルスが驚愕する。

『こいつ、もう私の能力を看破したのか?』

女の子がレグルスの方へ氷のつぶてを放っていたのだ。

まるでレグルスが近づいてくることが分かっていたかのように。

『駄目だ時間切れだ』

氷のつぶてを避けたレグルスに斧が迫る。

「はあっ!」

ジャガウォックが拳で刃を弾く。

「ちぇっ」

女の子の後ろにベルフェゴールが回り込む。

「もらった!」

しかし、女の子は戦斧を瞬時に槍に変幻させた。

ギリギリのところで槍を弾く。ベルフェゴールとレグルスが距離を取る。

「ふぅー、こいつ強すぎだろ」

ベルフェゴールがぼやく。

「お前の首、良い賞金になりそうだ。そんだけ強ければそれなりの賞金がついてるだろ?」

「ん?君賞金稼ぎなの?」

女の子が尋ねる。

「残念だけど賞金は貰えないよ。そもそも私のことを知ってる人なんかいないよ」

「お前魔族だもんな。知ってるか?魔族の討伐は良い金になるんだよ」

「違う違う、私はね……」

女の子がポーズを決める。

「ベリーキュートなピチピチ堕天使ルシファーココルちゃんだよ!」

ココルがウインクする。

「やるぞ、レグルス!」

ベルフェゴールがココルに飛び掛かる。

レグルスも動く。

女神之時間ディナスタイム

重い音が地下公道に響く。

『すっげえ音がしたな……大丈夫か?』

イケメソが恐る恐る顔を出す。

「え……」

イケメソが顔面蒼白になる。

「ちょっとやりすぎちゃったてへぺろ☆」

ココルがイケメソにあざとく言う。

ベルフェゴールとレグルスが倒れている。

二人とも血まみれで微塵も動かない。

『やべぇー!殺される~!』

イケメソが思わずうずくまる。

ココルが近づいてくる。

『ひいいー!お助けを~!』

ココルがイケメソの髪の毛を掴んで顔をよく見ようとする。

「あ、た、助けて……」

「……め」

「え?」

ココルの顔が真っ赤に染まる。

『メチャクチャタイプなんですけどー!いーやココル、こいつは敵よ』

深呼吸して改めてイケメソを見る。

「……くぁ」

ココルがのたうち回る。

『かっこよすぎてムリー!直視できないわー!』

イケメソがビビり倒す。

「何々こわ!」


⭐⭐⭐

イケメンと堕天使の闘いが今、幕をあげる。

 

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