スペースウォーリャーズ

大和煮の甘辛炒め

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phase1 一章 赫翼のエリアルヘロン

八話 第十回イベント-開幕

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前回イベント二位のクラン、『ブルーファイターズ』の艦隊の間を縫うように二機のアーマードスーツが高速で飛んでいた。

青いボディに銀色の四枚羽根が輝くエリアルアーマードスーツ、もう片方も同じような色のマルチユニットアーマードスーツだ。

マルチユニットのほうはかなりの重武装だ。

「またチート使うのか?」

マルチユニットのパイロットが尋ねる。

するとエリアルのパイロットが自慢げにこたえた。

「前のイベントの時よりさらに進化したやつだよ。見てみる?」

「やだよ、バンされたくないもん」

「へへ、されっこないよ。知ってるでしょ、私の彼氏は、、、、」

「あー、はいはい」

不穏な会話を交わした二機は先頭の巨大な防衛拠点へ入っていった。

⭐️⭐️⭐️
同刻、前回イベント三位の『テリアン』の防衛拠点ではクラン構成員達の乗るアーマードスーツが隊列を組みクラン長の演説を聴いていた。

「諸君らも前回の屈辱を覚えているだろう!シンギュラリティに手も足も出ず蹂躙されたことを!」

数多のアーマードスーツに対して黒いボディのエリアルが演説している。

「しかし!今回の我々は違う。血を吐くような厳しい鍛錬に耐え抜き、さらなる力を手に入れた!今、進化を遂げた我々を止めるものはいない!シンギュラリティなど恐るるに足らず、明日のイベントで栄光を掴み取るのは我々『テリアン』である!」

熱の入った演説に構成員達が大歓声を上げる。

⭐️⭐️⭐️
イベント開始二時間前、俺は『スペースウォーリャーズ』にログインした。

すでにミネーたちはログインしているらしく、広大な格納庫に機体が置いてある。

「秘密基地感半端ねぇ~!剥き出しの岩壁たまんねぇー!」

「おーい、ハナサギ」

後ろからミネーが声をかけてきた。

「ミネー、いよいよだな」

「心臓バックバクなんだが」

「へへ、ビビってんのか?」

「うるせー」

そんな他愛の無い会話を交わしながら格納庫をでる。

「作戦変更になったの知ってるか?」

「え?」

作戦変更?知らされてもいないのに?ミネーが言うに、クランの合併があったらしい。

「ブルーファイターズが中規模、小規模クランを取り込んだんだ。俺たちの攻撃目標になる筈だったクランも含まれている。わざわざ出向く必要が無くなったんだ」

「つまり、防衛戦一本に絞るってことか」

「そうみたいだな」

「武器の訓練、役立つかな?」

「知らん。お前次第だろ」

ミネーがそっけなく言う。

司令室に入った俺とミネーはユカと合流した。

ヴァリュートとアリス、ヨッシーもいる。

他にも数十人のパイロットがいる。

「よし、とりあえず伝えることがあるの」

ユカが前に進み出る。

「まず、私達の戦い方を防衛戦に絞ります」

「防衛陣地から出ないってこと?」

ヴァリュートが尋ねる。

「そう。ターボレーザー、ミサイル、使えるものは全て使って敵を三回ずつ倒してリスポーン出来なくする。敵を一定数倒した部隊を逐次戻らせて、点数も稼ぐ。こうでもしないと勝てないと思うの」

「それもそうだな。でも仮にそこまで行けたとして、動けるパイロットがどれだけいるかだよな、それとその残ったパイロットでアイツに勝てるかだよな」

ヨッシーが言う。

「まあ、プライマルやテリアン、他の上位勢の乱入もあると思うし。あそこ、かなりヘイト買ってるから」

ユカが笑いながら言う。

「とにかく、ここを守り切れば良いんだな?」

俺はユカに尋ねる。

「ま、そう言うことね。あなた達がいれば他のみんなも心強いと思うわ。皆んなハナサギ君の噂で持ちきりだから」

ユカが頷く。

「とにかく、イベント開始までゆっくりしようや。気張りすぎても疲れるだろ?」

ヨッシーがそう言ってその場に寝転ぶ。

節操なさすぎだろ。まあ、椅子らしい椅子は見当たらないしな。、、、、それもなんかおかしいな。

こうして俺たちはイベント開始までの時間をゆっくり過ごすことにしたのだ。そしてついに、第十回イベントが開催された。

《これより、第十回イベントを開催いたします。ルールは告知したとうりです。マップを開くと相手の拠点と拠点の保持するポイントが確認できます。上位に入ることができるように頑張ってください》

アナウンスが響く。

「よーし、じゃあボクも出撃してくるね」

ヴァリュートが司令室を出ていく。

「俺もいくよ」

俺も立ち上がってヴァリュートの後を追う。

「ハナサギ君も?ふふ、がんばろーねー」

ヴァリュートが笑いかける。

「死ぬなよー」

ミネーがニヤニヤしながら言う。

何笑ってんだアイツ、まいっか。

「おう」

俺はそう言って司令室を出た。

さーて、イベント開始だ。緊張、ワクワク半々といったところか。流石にプライマルみたいな敵がいないことを願うばかりだ。

ヘルメットを被って格納庫に入る。

「じゃボク先に行ってるね」

ヴァリュートが自機の前に立つ。

「おう、後でな」

俺も自機の前に立ってエリアルヘロンを見上げる。

頼むぜ、エリアルヘロン。
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