スペースウォーリャーズ

大和煮の甘辛炒め

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phase1 三章 第十一回イベント

二十八話 面倒ごとの匂い

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 「やっと終わったねー」

ログアウトした楓が背伸びしながら言う。

「うわ、もう六時かよ」

峰岡が驚く。

「はぁー、こんなにログインしたのは久しぶりだね」

有栖川が懐かしむように呟く。

「腹減った!飯いくぞ!」

俺はそんな三人を促す。

⭐️⭐️⭐️

「リスポーン制限は解除しました。一ヶ月後の総力戦はまたリスポーン制限かけますけど」

「完全に誤算だった。まさか黒蛇まで倒してしまうとは」

会議室に五人の影がある。

「人員は『スペースウォーリャーズ2』の調整に取られている。俺だってハナサギに時間を割けるわけじゃない」

守岡が立ち上がる。

「シンギュラリティの能力さえなければ奴はただの初心者だ。奴を『スペースウォーリャーズ2』に連れ込ませないために、総力戦で確実に倒すぞ」

「んで、総力戦の内容ですけど、例年通り運営vsプレイヤーって感じですね。エリアルイウデクスと他四機、えーと」

「エリアルゲルヴァーテン、エリアルサルティーニ、エリアルダークネス、フルファイトグリニダートだな」

「エリアルダーク、、、ブフッ!」

「、、、、、はぁ、その四機と」

「俺がでる」

守岡がモニターを起動する。

「守岡さん、それは?」

守岡の部下が尋ねる。

モニターには白のボディに赤と青のウィングのついた、まるで主人公機のようなアーマードスーツが表示されている。

名は《エリアルアイリス》

「俺とチートキラー達、そして赤蛇黒蛇が総力戦にて出撃する」

「わー、直々に?」

「お前達はヒナタの動向を監視しておけ」

「ヒナタの?」

「そうだ。ハナサギに強い興味を示しているからな。それと『協力者』にも連絡を取っておけ。奴らもこっちの陣営で戦ってもらうからな」

「分かりましたよ。あー、タスクが増えちゃったよ」

部下が嘆く。

⭐️⭐️⭐️

「カンパーイ!」

俺たちはジュースの並々と入ったコップを打ち合わせた。

澄んだ音が響き渡る。

無論、場所は『呑みどころ はなさぎ』である。

「くぅー、疲れた脳に染み渡るね」

「ただのジンジャーエールじゃねーか」

「おおーっと、ジンジャーエールを舐めてもらっちゃ困るね、、、、、」

峰岡と有栖川が浅いジンジャーエール談義を始めたが、俺はそれを無視して料理に舌鼓をうつ。

「ふー、ふー」

楓がオムライスを頬張る。

「あっふ!ハフハフ」

楓が目を白黒させる。

「水、水」

「落ち着けよ」

俺は箸を置き、楓にコップを渡してやる。

「ふー、助かった、、、、、」

楓が一息つく。

「へへ、ありがとね」

楓が笑いかけてくる。

「、、、、、なんか色々あったな」

「ね、ハナサギ君が『スペースウォーリャーズ』に来てまだ一ヶ月たってないもんね。あのね、ブレイクコロニーにみんなが助けに来てくれたのすっごく嬉しかった。一年ぐらいこのゲームやってたけど、あんなに嬉しかったことないよ。ボクはこのゲームをやっててよかったって心の底から思ったよ」

「そいつはよかった」

俺は笑いながら唐揚げを頬張る。

「今度のイベントも頑張ろうね」

「はーい、女将特製林檎サイダー、お待ち」

女将がキンキンに冷えたグラスを四つ持ってきた。

「おわ、なんだこれ」

有栖川が早速食い付く。

「ふふ、りんごジュースを凍らせた奴を氷替わりにして強炭酸水を注ぐ。ほんとはお酒とかでやると良いみたいだけど、、、、、」

「へー、そんなのがあるんですね」

峰岡がそう言ってグラスをあおる。

「美味しっ」

「お口に合ったみたいで良かったわ」

女将が微笑む。

「お節介かも知らないけど、ゲームだけじゃなくて、大学の勉強もがんばってね。いつまでも遊んでいるわけにもいかないでしょ?」

「う、女将さん容赦ないなぁ」

「はは、分かってますよ」

峰岡のスマホが震え出す。

「あ、ユカさんからだ」

峰岡がスマホをとって送られてきたメッセージを確認した。

「プライマルクランの人に会ってほしい、、、、、だってさ」

「プライマルの?カガリさんじゃなくて?」

「違う。プレイヤーネームがミドリって人だってさ」

「へー、何の用なのかな」

有栖川が首をかしげる。

峰岡がため息をつく。

「会ってくれってしか書いてない。やな予感がするなぁ」

「同感だ」

俺は峰岡同様、嫌な予感がしていた。

「絶対めんどくさい」

「でも断る理由がないしな」

「ファンかもしれないよ?」

「んなわけあるか。とりあえず明日会いに行くぞ」

有栖川の発言を否定しながら峰岡が言った。

⭐️⭐️⭐️

「敵は?」

「依然立てこもっています」

「、、、、、たった二十人ほどのクランだろう?何故奪還できんのだ」

「彼らが立てこもっているのは元々我々の基地ですから」

「、、、、、自分たちの基地も陥せないとはな」

一隻の戦艦が要塞を目前に停泊している。

プライマルクラン所属の戦艦だ。

カタパルトから二機のアーマードスーツが発進した。

「ミドリさん、増援は見込めないんですか?」

「分からん。リーダーが紹介しよう、とは言ってたがな。今は出来ることをやるぞ」

「了解」

二機が要塞へ突撃していく。
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