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プロローグ
神との対談
しおりを挟む目が覚めると椅子に座っていた。
周りは暗く、目を凝らしてもその先を見ることができない。床の感触は冷たく、大理石のようなものだ。
ふと、目の前に若い男性が座っていた。今までずっと気づかなかったが、いつ現れたのだろうか。
年齢は20代後半くらいか。まだ肌にはツヤがあるように見える。だが、見た目に伴わない不気味なオーラを放っていた。
「そんなに警戒しなくてもいいですよ」
俺の心境を察したのか、笑顔でそう言ってきた。
「私は神。全ての世界を統べる者です。
あなたは、才神リョウですね?」
「神!?」
つい驚いてしまった。こんなに若い子が神だなんて。
人生経験が余程豊富なんだろうなあ。
関心する暇もなく、神が次の話題を切り出す。
「才神リョウ、あなたがなぜここへ来たか分かっていますか?」
「死んだからだろ?」
「いいえ、違います」
きっぱり否定されたが、まったく分からない。ということはここは天国じゃないのか...
見に覚えがなく戸惑っている俺に、神は告げる。
「おめでとうございます。あなたは"十傑"に選ばれました」
俺はそのとき、彼のにこやかな笑顔が不敵な笑みに変わった瞬間を見た。
前世、俺は25歳という若さで世を去った。
大学を出て、就職活動中だったときに通り魔殺人に遭い死亡した。
実質、ニートのまま死んだのだ。こんなに
嘆かわしいことはないと思う。まあ自分でも、昔から不幸だということは自負していた。だから前世に未練はなかった。
それがどうしたのか、今は神様と話している。これも不幸のうちなのだろうか。
話を戻すと、俺は"十傑"というものに選ばれたらしい。これはあるひとつの世界を救うために作られたものらしい。
交わることない別々の世界から、10人の英雄、偉人が集い世界を救うらしいのだ。
「で、なぜ俺なのだ?神様」
「あなたには英雄としての器があります。そこに至らない場合は、もう一度死んでもらいますね」
「そんな理不尽な...」
これは結構大事な役目だ。果たして俺に務まるのか?
「世界を救った後は、第2の生を謳歌できますよ。それも異世界です」
「ニートでもいいのか?」
「ええ、多分」
俺は盛大なガッツポーズを決める。俄然、やる気が湧いてきた。
ニートが生きられない世界を滅ぼす訳にはいかないからな!
すると、椅子の周りに魔法陣が現れる。
ついに異世界転移するようだ。
「頑張って世界、救ってきますよ!」
「ええ、くれぐれも他の英傑とは仲良くしてくださいね」
そうして俺の意識は、異世界へと飛んだ。
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