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第1章
1-2 出会い
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4月も終わりかけで世間はゴールデンウィークになろうかという日。その日は祝日だったけど、僕は出勤日でグラウンドでサッカーをやっている少年たちを見守っていたのだが、お昼休憩の時に、隣の公園のほうに行ってみると、やはり あの女の子が芝生に座って絵を描いているようだったのだ。
改めてみると、長い髪の毛を左右に分けてゴムで留めている様だった。今日は、ランドセルは無くて、本当に独りぼっちという感じで座っていた。僕は、お昼ご飯には自分で作ったおにぎりを持ってくるようにしていた。以前はお弁当屋の配達のものを食べていたが、だんだんと飽きてきていたので、自分で作るようになっていた。何となく、近づいていくと、女の子は水筒をさげているようだったけど、お昼ご飯らしきものは無かったので、声を掛けようかと躊躇したけど・・・変に、変質者扱いされて、騒がれるのも嫌だし、僕は一応 公務員なのだから、余計に困る。だけど
「ここ座って いいかなー」と、言ったけど、女の子はビクッとしてチラッと僕のほうを見ただけで、黙って、又、景色を見て絵を描いていた。長いまつ毛でその瞳も黒く大きく見えて、一瞬、僕はドキっとしたのだ。僕は、構わず、近くに座っておにぎりを取り出した。だけど、女の子は又、ビクっとして、警戒しているみたいだった。
「良かったら これ 食べてくれない? 僕は、ひとつで十分なんだ」と、差し出してみた。女の子はやっぱりチラッとみただけで、鉛筆を置いて、その細い腕で自分の足とズックを隠すようにして、真直ぐ前を見たまま
「いらない」と、ポツンと言ったきりだった。だけど、気のせいかその腕が震えているような・・仕草。これは、まずいと思いながらも
「まぁ そう言うなよ あやしい者じゃぁないよ これ、鰹節を甘く煮ただけだけど うまいぞ」と、女の子の眼の前に差し出した。すると、黙って手に取って食べ出してくれたのだ。
「ありがとう おいしい」と、又、ポツンと言ったきりで・・前を向いたまま景色を見ていた。5年か6年生ぐらいなんだろうか、擦り切れて色あせたようなポロシャツに赤いショートパンツなんだが、汚れて黒ずんでいるような感じだった。そして、日焼していて褐色の細い脚が見えていた。これが、僕と彼女の最初の出会いだったのだ。
「ねぇ よく ここに来るの? きれいだよね この景色」
「・・・」
「僕は、そこのスポーツセンターに勤めているんだよ 今年からネ 初めて ここに越してきたんだー だから 知り合いもまだ少ないんだよ」
「・・・」彼女は、左手で足元の小石を拾って、前に投げていた。まるで、早くあっちへ行けって言って抗議しているようだった。
「お嬢ちゃんは 運動は? 好き?」構わず、僕が話し掛けると
「・・・ あのね お母さんから知らない人に話しかけられても、無視しなさいよって言われてるからー 話さないの!」
「そうなんだ 警戒するよね ごめん ごめん じゃぁ 仕事だから、もう、行くネ 退散だ 絵の邪魔しちゃってごめんネ」と、僕は立ち上がって
「そうだ 次は 知らない人じゃぁないだろう」と、立ち去ろうとしていたら、初めて、その子は僕と眼を合わせてきていた。長いまつ毛の澄んだ可愛い眼差しだった。だけど、相変わらず黙ったままで、又、景色を見つめて絵を描いている女の子に戻っていた。
改めてみると、長い髪の毛を左右に分けてゴムで留めている様だった。今日は、ランドセルは無くて、本当に独りぼっちという感じで座っていた。僕は、お昼ご飯には自分で作ったおにぎりを持ってくるようにしていた。以前はお弁当屋の配達のものを食べていたが、だんだんと飽きてきていたので、自分で作るようになっていた。何となく、近づいていくと、女の子は水筒をさげているようだったけど、お昼ご飯らしきものは無かったので、声を掛けようかと躊躇したけど・・・変に、変質者扱いされて、騒がれるのも嫌だし、僕は一応 公務員なのだから、余計に困る。だけど
「ここ座って いいかなー」と、言ったけど、女の子はビクッとしてチラッと僕のほうを見ただけで、黙って、又、景色を見て絵を描いていた。長いまつ毛でその瞳も黒く大きく見えて、一瞬、僕はドキっとしたのだ。僕は、構わず、近くに座っておにぎりを取り出した。だけど、女の子は又、ビクっとして、警戒しているみたいだった。
「良かったら これ 食べてくれない? 僕は、ひとつで十分なんだ」と、差し出してみた。女の子はやっぱりチラッとみただけで、鉛筆を置いて、その細い腕で自分の足とズックを隠すようにして、真直ぐ前を見たまま
「いらない」と、ポツンと言ったきりだった。だけど、気のせいかその腕が震えているような・・仕草。これは、まずいと思いながらも
「まぁ そう言うなよ あやしい者じゃぁないよ これ、鰹節を甘く煮ただけだけど うまいぞ」と、女の子の眼の前に差し出した。すると、黙って手に取って食べ出してくれたのだ。
「ありがとう おいしい」と、又、ポツンと言ったきりで・・前を向いたまま景色を見ていた。5年か6年生ぐらいなんだろうか、擦り切れて色あせたようなポロシャツに赤いショートパンツなんだが、汚れて黒ずんでいるような感じだった。そして、日焼していて褐色の細い脚が見えていた。これが、僕と彼女の最初の出会いだったのだ。
「ねぇ よく ここに来るの? きれいだよね この景色」
「・・・」
「僕は、そこのスポーツセンターに勤めているんだよ 今年からネ 初めて ここに越してきたんだー だから 知り合いもまだ少ないんだよ」
「・・・」彼女は、左手で足元の小石を拾って、前に投げていた。まるで、早くあっちへ行けって言って抗議しているようだった。
「お嬢ちゃんは 運動は? 好き?」構わず、僕が話し掛けると
「・・・ あのね お母さんから知らない人に話しかけられても、無視しなさいよって言われてるからー 話さないの!」
「そうなんだ 警戒するよね ごめん ごめん じゃぁ 仕事だから、もう、行くネ 退散だ 絵の邪魔しちゃってごめんネ」と、僕は立ち上がって
「そうだ 次は 知らない人じゃぁないだろう」と、立ち去ろうとしていたら、初めて、その子は僕と眼を合わせてきていた。長いまつ毛の澄んだ可愛い眼差しだった。だけど、相変わらず黙ったままで、又、景色を見つめて絵を描いている女の子に戻っていた。
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