その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

すんのはじめ

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第3章

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 冬に向かって、ななのちゃんは僕のマンションにちょこちょこと来ていた。寒い日だったり、雨の日もあったので仕方ないかなと僕も思っていたのだ。

 そして、彼女が冬休みになって、僕が年末から正月の間は実家に帰るからと伝えると、例のように悲しそうな眼を僕に向けていたのだ。だから、僕は彼女を楽しませようと思い、クリスマスの日にご飯を食べに行こうかと誘ってみた。彼女は一瞬、困った様子だったが

「うん 楽しみ 連れて行ってくれるん? 行きたい」

「そうか 帰り遅くなるけど お母さん 大丈夫かな」

「そうだね ここみ先生に誘われてるからって 誤魔化すよ」

「うーん あんまり良くないけど 僕となんて言えないよねー」

「ウン だけど ななもお母さんに誤魔化されているから ええねん」

 当日、僕は半日休みをもらっていて、ななのちゃんは途中の乗換駅まで先に行っているはずだ。降りたホームで探すと、直ぐにななのちゃんは駆け寄ってきた。

「シュウ君 ななは心細かってんヨ 会えるんか不安やったから」

「あっ すまん 同じ駅から、乗るわけにいかないからー」

 僕たちは、まだ少し離れたまま京都駅に向かった。ななのちゃんはダウンコートにすり減ったような運動靴にいつもの短パンで来ていたのだが、僕は予想していたので

「ななのちゃん 僕からのクリスマスのプレゼントするよ 洋服選びに行こう」

「えぇー うれしいけどー そんなのシュウ君に悪いよー クリスマスのご飯だけで十分」

「いいんだよ ボーナスも入ったし ななのちゃんの可愛い洋服も見たいんだから」


 遠慮して、しぶしぶ付いてきているななのちゃんを連れて、子供服売り場を見て、黒っぽいけど厚手のベルベット生地で花柄が可愛いワンピースとベルト付きの黒靴にソックスを選んで揃えた。そして、髪の毛を留めるリボン飾りも・・。その場の着替えルームを出てくると

「シュウ君 なな こんなの初めて 変じゃぁない? 可愛いのー?」

「あぁ 可愛いよ とっても 似合うじゃあないか」と、僕が応えると、とたんに笑顔になって、その場でスカートを広げて回って見せていた。僕は、その可愛い笑顔にホッとしていたのだ。

 駅ビルの上にあるレストランに向かっている時、彼女は僕の腕にまるですがりつくようにして歩いていた。京都タワーが窓越しに見えるレストランに入って席についたのだが、彼女は

「うー 嫌 こっち」と、僕の隣の椅子に移ってきて肩を寄せてきていた。

 僕は、ビールを飲んでいたのだが、ななのちゃんはジュース類も要らないと言って、お水を飲んでいたが、いろんな料理を頼めるので感激しながら食べていたのだ。

「おいしいよー こんなの初めて ななは シュウ君にこんなの作れるようになりたいなぁー」

「うふっ そうかい 大きくなったらな 期待してるよ」

「だいじょうぶぅー 来年は中学生だよ」

 食事の後は、辺りが暗くなってスカイウォークを歩いた。ななのちゃんは僕の腕を抱き抱えるように歩いていて

「すごい きれい すごいねー ねぇ ここって恋人同士で来るみたいやねー 私達もそう見られてるのかなー」

「それはないと思うけどー ななのちゃんが可愛いんで 振り返る人もいるかなー」

「そう? ななね こんなに幸せなことって良いんだろかーぁ サンタさんも羨ましがってるよネ きっと」

 それから、大階段のネオン飾りを見て、帰りの電車に乗った。

「シュウ君 ありがとう なな 本当に幸せ! 生まれて初めて こんなにうれしかったことなかったんだ」

「そうか 喜んでくれて 良かったヨ」

「私のサンタさんはシュウ君なんだネ」

「そうかい? 恋人じゃぁないんだ」

「そんなことないよ シュウ君が子供扱いするんやんかぁー ななは・・」

「まぁ 可愛い妹みたいなもんだよ 僕にとっては」

「すぐ はぐらかすぅー そうだ 私 こんな恰好で帰るわけにいかんやんかー シュウ君チで着替えさせてーなー」

「そうかー 疑われちゃうなー でも せっかく可愛いのにネ また 帰り遅くなるけどいいの?」

「うん 嫌味言われるだけやー」

 部屋に入るとベッドのほうで来ていたワンピースを脱ぎ出して、ついでに買った起毛のオーバーパンツも脱いで、僕に向かって

「シュウ君 明日 これ お洗濯に来るから置いて帰るネ お母さんに見つかるとヤバイから」と、キャミソールは着ていたものの下は前のところに赤いリボンのついた白いパンツのままだった。

「あぁー うん まぁ 隅のほうに置いときなよ 早く、着ろよ 寒いだろう」と、言ったけど、子供とはいえ、こっちがドキドキしていた。

 あまりにも、遅くなったので、断ってる ななのちゃんを言い聞かせて、近くまで送っていったのだった。

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