その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

すんのはじめ

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第5章

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 僕はクラブの監督をやっている朝宮さんに相談していた。地元の建設会社をやっている社長さんで、大学までサッカーをやっていて、膝を痛めて中途で辞めたと聞いていた。

「僕の知り合いの子なんですけど・・今年、中学生になりまして、サッカーをすすめてるんですけどね。もちろん、初めてなんです。運動も・・ただ走るのは速そうなんですけど・・学校では、何のクラブにも入らないって言ってまして」

「おぉ それは大歓迎だよ 今 女子のほうは小学生中学生併せて15人程なんだけど、今年中学1年の子が2人入ってな、これで3人になるわー 女子はまだ、練習ばっかりで試合出来てないんだ。今年は、出来ると思う」

 その後、僕は朝宮さんに知ってもらっていた方が好いと思って、ななのちゃんと出会った時のこととか、お父さんが居ないことを話したのだ。

「多分 その子 僕 知ってるわー 前はグラウンドの端のほうで絵を描いていたんや ボールがな その子の傍まで転がって行った時に・・・僕に向かって蹴り返してくれたんや 正確なパスでな びっくりしてもうてな それで、サッカーやらないかと声掛けたんや そーしたら 出来ません と答えたきり、黙ってしまって その次の日から あの公園の芝生に移動してしまったみたいやー 悪いことしたなー」

「そうなんですか それでね さっきお話したような事情がありまして もちろん 会費とかは僕が面倒みますが、スパイクとかユニフォームは誰かのお下がりって無いですかねー 新しいのを僕が揃えると、彼女は気を使うと思うんですよ そんなんだったら、やらないとか・・」

「ユニフォームは、そんなわけで、まだ、無い 体操服みたいなんで、みんな練習してるよ 靴は誰かにあたってみるよ 育ち盛りだから 小さくなったのを持って居るかもしれんからー 北番君はその子の保護者替わりカナ?」

「えっ まぁ 近いですけど・・」

「なるほどなぁー 北番君 大学でサッカー やってたんだってな うちのコーチやってくれると助かるんだがー」

「はぁ でも 僕は土日と基本的に出勤になってるんですよ」

「らしいな 仕方ないかぁー でも 夢を捨てていた女の子を一歩踏み出すようにしたのも事実なんだよ 他の子供達にも・・・」


 土曜日の朝、グラウンドにはクラブの少年たちが揃っていて、少し離れて、女の子達が。その中にななのちゃんの姿もあった。メンバーに紹介されている様子だった。並んでいるところを見ると、ななのちゃんはそんなに背が大きい方では無いなと思っていた。まだ、小学生みたいなのだ。

 朝宮さんにお願いしていたシューズは、今年、高校になって学校のクラブに入った子が小さくなって残していたものだと、手に入れていてくれた。それを、ななのちゃんに用意したものを穿いていた。

 その後は何人かに別れてキックの練習をしていたみたいだけど、お昼前に朝宮さんのもとに行って

「どうですか ななのちゃん 緊張しているみたいだけど」

「あぁ 初めてなのに もう 周りに合わせてるよ もともと勘がいいんだろうな あの子は伸びるよ」

「そうですか 良かった 見てると 楽しそうにやっているし」

 その時、ななのちゃんは僕を見つけたのか、手を振ってきていた。それで、僕も振り返していたのだ。

「北番君 君達は 仲が良くていい関係みたいだな」

「はぁ あの子が明るくなって 良かったなって思っています これから、もっと、活発になってくれればと 今までのぶんも」

「そうか 実は、僕も 彼女に期待している部分もあるんだよ ななのの横に居る背の高い子 リョウ やっぱり、初めてだというんだけどね あの子もセンスある この二人は良いよー 楽しみなんだよ」

「そうですか よろしくお願いします」と、僕は、とりあえず安心していたのだ。

 
 その日、帰るとななのちゃんが部屋に居て、僕の晩ご飯の用意をしていてくれていた。

「お帰り シュウ 今日 楽しかったよー あのね シャワー 借りちゃった」

「あぁ 良いよー 走り回っていたみたいだものなー」確かに、Tシャツと短パンに着替えていた。

「うふっ 汗かいちゃった 今日はハンバーグね シュウが食べる前に焼いてから帰るから」

「えー 遅くなるやんか」

「いいの お母さんも帰り遅いしー」

「うーん じゃぁ 送って行くよ 暗いし」

「いいの! 私 走って帰る それに、焼き立て食べてもらわないと意味ないよー」

 と言っていたけど、自分で焼けると言って明るいうちに帰らせたのだけど、焼きあがったのは、表面が黒焦げになってしまったのだ。
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