その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

すんのはじめ

文字の大きさ
33 / 69
第8章

8-2 ななの 中2 夏祭り

しおりを挟む
 当日は、やっぱり乗り換え駅で待ち合わせをして、ななのちゃんはジャンパースカートに麦藁帽だった。今回はお母さんも安心して送り出してくれたみたいだった。今日は、奥琵琶湖の展望台に行くからと、少し早い目に出てきていた。

「シュウ お弁当作ってきたよ 上で食べようと思ってなー」

「そうか リュツク重いだろう 持とうか?」

「平気 電車 多分 座れるでしょ?」

 途中、ななのちゃんは窓からの風景を懸命に見ていて

「なぁ いつも思うねんけど なんで、もっと琵琶湖が見えるとこ走ってないねんやろーネ 田んぼとか工場ばっか」

「うーん 琵琶湖の側は水害もあるし、地盤のこともあるだろうし、昔の街道が山寄りだったせいもあるのカナ あっちは、もともと沼が多くって、住んでる人も少ないし」

「そうかー じゃーぁ 新幹線はもっと際にすれば良かったのにネ」

「あぁ そうだね でも、風景だけの為に新幹線を作ったのじゃぁ無いからなぁー」

 実家に着いた後、挨拶もそこそこにして、早速出て行った。と、言っても借りたのは軽トラックでエアコンも付いていなくて、窓を全開で走っていて、ななのちゃんの髪の毛も後ろになびかせていたりして、彼女なりに両手で抑えていた。

「すごいね ここが琵琶湖の北の端なんだ 波も静か 鏡みたいなんだね」

「そうだよ 周りを山で囲まれているからな 昔はな、この大浦から、丸子船というので坂本とか大津に荷物を運んでいたんだよ」

「へぇー 何運ぶん? 椎茸?」

「いや それは無かったと思う 敦賀の港に着いた北海道からの主に昆布とか海産物だった」

「そーなんやー そやから関西の人は昆布だしを大事にするんやなー 昔は北廻りの船やから、江戸には持って行かへんやったんやろー? 家康さん 味音痴やから 醤油ばっかーで 濃いぃー 味になったんやな」

「まぁ それはどうだかな ななのちゃんは、想像がすぐに脹らむなぁー いや 悪いことじゃぁないと思うけど」

 そして、展望台に着いた時も、いきなり走り出して、琵琶湖を眺めていた。

「わぁー すんごく広いんだねー 大津のほう見えない 私等住んでるとこも見えない 島もあるんだね 水面が鏡みたいに光ってる」

 そして、適当な場所をみつけて、ななのちゃんが作ってきたというお弁当を広げて

「あのね おにぎり 私のとお母さんが作ったのがあるからね どっちが私のんか 当ててみてー」

 ひとつは海苔が巻いてあって中身は糸こんにゃくと かにかまを和えたもの もうひとつは鰹節、にんじん、えのき茸を細かくしてご飯と混ぜて握ったもの。微妙に甘辛いのだ。ほかには、定番の玉子巻きと豚肉でピーマンを巻いて味付けしたもの。

「ななの どっちもおいしいしー わからない」

「うーん 嫌だ よーく考えてー どっちが私の味? いつも食べてるからわかるでしょ?」

「そーだなぁー こっちカナ 御飯に混ぜてあるやつ いつもの ななのの味カナ」

「ピンポーン 正解 やっぱり シュウ 私への愛情の証だね」

 
 家に戻って、ななのちゃんは風呂に入って浴衣に着替えて出てきた。

「少し 背が伸びたのよね どんどんときれいになって もう、立派な娘さんよねー」と、母が父と僕の前に連れてきて言っていた。

「お義母さん いつも、ありがとうございます うちのお母さんもお正月の写真を見て、きれいネって こんなことまで、してもらってって 感謝してました」

「お礼なんて言わないの! 私達の楽しみなんだから・・ ななのちゃん あっちの家でかがみさんが待っているから お化粧してもらってらっしゃいな」

 と、僕はお化粧と髪の毛をセットしてもらったななのちゃんと、ぶらぶらと花火がよく見えるほうに歩いて行った。僕も、浴衣に着替えていたのだけど、家から遠ざかると、ななのちゃんは僕の腕に絡むようにしてきていた。

 上がった花火を見て、相変わらず、ななのちゃんは声を出しては僕の手を取って、はしゃいでいた。そして、帰る時

「おい シュウ だろう?」と、後ろを振り返ると、何人かのグループだった。よく見ると、高校の時の同級生で男2人女2人のグループだった。

「やっぱり シュウか? なんだ、帰って来てるんだったら連絡しろよー」

「あぁ 急だったから お前も帰ってたのか?」

「おお 久しぶりでな タカシに声掛けたら、集まってくれた なんだよー 久しぶりだよな」と、テルマサは名古屋で勤めていて、タカシは地元の仕出し屋を継いでいる。女の子はやっぱり、それぞれ地元の事務員と販売員になったと聞いていた。

「ねぇ かがみ 元気? 赤ちゃん生まれたんでしょ?」

「あぁ 男の子だ 可愛いよー」

「もう お母さんだものねー 早いねー」と、言っていたサナエは、結婚もまだみたいで、どうも彼氏も居ない様子なのだ。浴衣姿なんだけども、太っているし、似合わないと思った。高校の時はそんなに太っていなかったのに・・。

「シュウ 彼女か? こんな可愛い娘 この辺りには居ないよなー どこで、引っかけたんだぁー?」と、僕の後ろで隠れるようにしているななのちゃんを見て、タカシが見つけたように言ってきた。

「彼女じゃあないよ 知り合いの娘なんだ 祭りだから・・」

「へぇー まだ 高校か中学生でしょ? シュウってロリコン趣味だったのー? シュウも悪だね 私って女が居ながらさー こんな若い娘を」と、サナエがからかうように言ってきた。お前はそんな風に人をからかうような言い方をするから、余計もてないんだよって思って

「あぁ サナエとは そういう機会が無かったからな 生憎だったな!」

「まぁまぁ シュウ 久しぶりだし、この後、飲みに行こうぜ こいよー」

「そうだな 高校出てから初めてだもんなー 行くかー でも、ななのちゃんを家に送ってから、行くよ」と、僕は、その途端に不機嫌そうな ななのちゃんの顔を見ながら返事をしていた。

「シュウ やっぱり 行くんだー」と、帰り道に、明らかに面白く無いと思っているななのちゃんだった。

「ウン ななのは連れて行く訳にいかないだろう? お母さんの相手して待っててくれ」

「・・・仕方無いね お酒 飲むんじゃー 私 子供だもんネ」

 ななのがきっとまつ毛を濡らしているだろうなと思いながら、僕は、送り届けた後、出掛けて行った。そして、酔って、部屋に帰ってきた後、眠り込んでしまっていると、多分、ななのだろう、ベッドに上がって、何にも掛けていない僕の背中からタオルケットを掛けてきて、そのまま腕を廻してくっついてきた。僕は、ななのの未熟な胸の柔らかさを背中に感じていたのだが、酔っていて面倒なのでそのまま寝てしまっていたのだ。

 朝になると、ななのは居なくて、起きて行くと、彼女は母と一緒に朝ご飯の用意を手伝っていたのだ。

  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

真面目な女性教師が眼鏡を掛けて誘惑してきた

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
仲良くしていた女性達が俺にだけ見せてくれた最も可愛い瞬間のほっこり実話です

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...